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» 2009年10月09日 18時45分 公開

実際どこまで使えるのか?:VAIO史上、最薄最軽量モバイルノート「VAIO X」を徹底検証する(前編) (2/4)

[前橋豪, 撮影:矢野渉,ITmedia]

バッテリー駆動時間は標準で10時間、オプションで20.5時間をうたう

薄型のリチウムポリマーバッテリーは底面から着脱可能。付属のACアダプタも小型軽量だ

 携帯しやすくてもバッテリー駆動時間が短ければ魅力は半減だが、VAIO Xはこの点にも抜かりがない。重量約765グラムの標準仕様モデルで約10時間ものバッテリー駆動時間をうたっているのだ(バッテリー駆動時間のテスト結果は後編に掲載)。VAIOオーナーメードモデルのバッテリー駆動時間は、重量が約655グラム〜690グラムになる「Sバッテリー」装着時で約4〜5時間、約745〜780グラムになる「Lバッテリー」(標準仕様モデルと同等品)装着時で約8.5〜10時間としている。

 SバッテリーはLバッテリーより90グラム軽いが、駆動時間は半減する。また、標準仕様モデルのオプションとしてSバッテリーの単体販売はされず、VAIOオーナーメードモデルのCTOメニューのみで展開される。

 バッテリーについては、底面が膨らむ形になる大容量バッテリー「Xバッテリー」が用意されているのも見逃せない。こちらは標準仕様モデルのオプションとしても単体販売される(2万4800円)。Xバッテリーを装着すると、重量がLバッテリーより300グラム増え、本体後部の厚さも31.7ミリに増えるが、バッテリー駆動は標準仕様モデルで約20.5時間、VAIOオーナーメードモデルで約17.5〜20.5時間まで延びる。

 Xバッテリーは本体底面にある吸気口をふさいで熱がこもらないように、装着すると本体底部に通風用の空洞ができるデザインになっており、VAIO Xのウリである薄型軽量ボディの美しさは損なわれるが、独創的な外観でこれはこれで見栄えがする。キーボードに傾斜ができ、こちらのほうがキー入力しやすいというユーザーも少なくないだろう。装着時の重量は標準仕様モデルで約1045グラム、VAIOオーナーメードモデルで約1045〜1080グラムと1キロ強で済むため、外出先でのハードな長時間バッテリー運用ニーズにも応えられるオプションとして重宝しそうだ。

 なお、ACアダプタは「VAIO P」ほどではないが、十分コンパクトにまとまっている。サイズは37(幅)×92(奥行き)×26.5(高さ)ミリ、実測での重量は電源ケーブル込みで約190グラムにまとまっており、本体とともに持ち歩く場合でも苦にならないだろう。

左からXバッテリー、Lバッテリー、Sバッテリーの表面(写真=左)。LバッテリーとSバッテリーの外観は同じだ。同様に左からXバッテリー、Lバッテリー、Sバッテリーの裏面(写真=中央)。いずれのバッテリーパックもバッテリーセルが入っていない中央部はくぼんでおり、このスペースを利用して本体側にタッチパッドとメモリカードスロットを内蔵している

Xバッテリーは底面に2つの手回しネジで固定する(写真=左)。手回しネジはアルミの削り出しで作り、ネジの精度と質感を高めたという。Xバッテリーを装着すると、後部が盛り上がり、重量は1045〜1080グラムになる(写真=中央/右)

VAIO Xのバッテリー、重量、厚さの関係
バッテリー Sバッテリー(2セル) Lバッテリー(4セル) Xバッテリー(8セル)
容量 16ワットアワー 7.4ボルト 2050mAh 31ワットアワー 7.4ボルト 4100mAh 61ワットアワー7.4ボルト 8200mAh
重量(公称値) 約155グラム 約245グラム 約550グラム
重量(実測値) 約152グラム 約236グラム 約515グラム
標準仕様モデル装着時の駆動時間 約10時間 約20.5時間
標準仕様モデル装着時の重量 約765グラム 約1065グラム
標準仕様モデル装着時の厚さ 13.9ミリ 13.9ミリ 31.7ミリ
VAIOオーナーメードモデル装着時の駆動時間 約4〜5時間 約8.5〜10時間 約17.5〜20.5時間
VAIOオーナーメードモデル装着時の重量 約655〜690グラム 約745〜780グラム 約1045〜1080グラム
VAIOオーナーメードモデル装着時の厚さ 13.9ミリ 13.9ミリ 31.7ミリ

Atom Zは高クロック版を中心に採用、データストレージはSSDのみ

 基本スペックはVAIO Pに近いが、Atom Zでもグレードが高いCPUを中心に採用し、ストレージはSSDのみとしているのが特徴だ。標準仕様モデルはCPUにAtom Z540(1.86GHz)、チップセットにIntel SCH US15W、メインメモリに2GバイトのDDR2 SDRAM(533MHz)、ストレージに64GバイトのUltra ATA SSD、プリインストールOSに32ビット版Windows 7 Home Premiumを採用する。

 VAIOオーナーメードモデルでは、Atom Z550(2.0GHz)/Z530(1.6GHz)のCPU、128Gバイト/256GバイトのSerial ATA SSD、32ビット版Windows 7 Professionalも選択可能だ。Intel SCH US15WチップセットはSerial ATAをサポートせず、Ultra ATA/100のIDEインタフェースしかないため、64GバイトSSDの場合のみメインボードと直接接続し、128G/256GバイトSSDではSerial ATA/Ultra ATA変換アダプタのボードを経由して接続する。

 Ultra ATAへの変換がボトルネックになって、128G/256GバイトSSDは本来のパフォーマンスを発揮できないが、それでも64GバイトSSDに比べると高速だ(パフォーマンスのテスト結果は後編に掲載)。128G/256GバイトSSDは以下の写真にも示したようにSSDのサイズが64GバイトSSDより大きく、変換アダプタも介すので、重量が15グラムほど増すが、容量だけでなく、性能も向上するのは魅力だ。

メインボードの表面と裏面。ボディを薄く仕上げるため、各パーツの高さを抑えた7層の片面実装基板を採用する。メインメモリはオンボード実装で、メモリスロットはない。Mini PCI Expressカードスロットはメインボードの1基のほか、サブボードに1基あり、それぞれハーフサイズの無線LANカードと、フルサイズのワイヤレスWANカードが装着される

左から、256Gバイト、128Gバイト、64GバイトのSSD。256GバイトのSSDと128GバイトのSSDはuSATAコネクタ仕様の1.8インチドライブ(基板むき出しのスリムタイプ)で、Serial ATA/Ultra ATA変換アダプタ経由でシステムボードに接続される。64GバイトのSSDは小型カードでUltra ATA接続だ。デバイスマネージャ画面での表示は256GバイトSSDが「Samsung MMDPE56GFDXP-MVB」、128GバイトSSDが「Samsung MMCRE28GFMXP-MVB」、64GバイトのSSDが「SanDisk pSSD-P2」とあった。いずれもMLCタイプのSSDだ

 次のページではVAIO Xの通信環境、インタフェース、液晶ディスプレイの視認性について確認する。

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