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第2回 エプソン「カラリオ」の売れ筋プリンタ3台を見極めるプリンタ09-10年モデル徹底検証(5/5 ページ)

» 2009年12月21日 18時15分 公開
[榊信康(撮影:矢野渉),ITmedia]
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プリント/コピーのスピード

印刷速度テストの結果
製品名 EP-902A EP-802A EP-702A
PCからA4普通紙モノクロ印刷(JEITA J1)
標準:3 7秒2 7秒5 9秒7
レベル1 1秒7 1秒7 1秒7
PCからL判写真フチなし印刷(独自画像)
きれい:5 1分01秒9 1分02秒2 1分22秒8
標準:4 14秒2 14秒7 21秒0
L判写真フチなしダイレクト印刷(独自画像)
きれい 1分05秒3 1分06秒1 1分30秒2
標準 16秒9 17秒3 35秒8
A4普通紙カラーコピー(独自画像)
標準 22秒1 22秒7 35秒2
標準(ADF) 17秒5
PCからA4普通紙自動両面印刷(JEITA J9)
標準:3 1分36秒5 1分37秒2
レベル1 1分02秒5 1分02秒8
テストに使用したPCのスペック CPU:Core 2 Duo E8400(3.0GHz)、マザーボード:ASUSTeK P5KPL-CM、チップセット:Intel G31 Express、グラフィックス:チップセット内蔵(Intel GMA3100)、メインメモリ:3Gバイト、HDD:Seagate ST3500320AS(7200rpm)、OS:Windows XP(SP3)

 出力速度のテストは、A4モノクロテキスト、L判カラー写真、A4普通紙カラーコピー、自動両面印刷の各動作にかかる時間を計測した。計測した時間は、PC接続の場合、複合機に用紙が引き込まれた瞬間から、排紙が完全に終了する瞬間までだ。ダイレクト印刷の場合は、印刷ボタンを押した瞬間から、排紙が完全に終了する瞬間までとしている。

 テスト結果は右表に示した。まずはA4モノクロテキストだが、テストにはJEITA規格のプリンタ用標準テストパターン「JEITA J1」を用いている。印刷モードは標準(標準:3)と最高速(レベル1)の2モードを使用した。結果を見ると、最高速モードは全機種とも2秒かからずに終了している。非常に高速ではあるが、出力結果は薄っすらと黒がのっている程度で、文字のかすれも目立つ。せめてもう1つ上のモードか、標準モードを常用すべきだろう。標準モードは他社の競合機種より若干遅いが、印刷品質に問題はない。

 L判カラー写真の測定では、PCからの印刷とダイレクトプリントの2パターンを試みている。印刷したデータは独自のデジカメ撮影画像(600万画素)、メディアは最高級純正紙「写真用紙クリスピア<高光沢>」を使用した。PCからの印刷では、最高画質から2段階(きれい:5/標準:4)までの設定で計測、ダイレクトプリントも最高画質から2段階までの設定(きれい/標準)で計測している。

 結果は上位2モデルが優秀なスコアを残した。最高画質モードでも1分そこそこ、1つ下の標準モードは15秒未満で印刷が完了している。しかも、標準モードの出力品位はなかなかのものだ。A4まで引き伸ばして印刷するならばともかく、粗の目立ちにくいL判への出力ならば、通常は標準モードで十分だろう。ダイレクトプリントは標準モードの速さが際立っている。PCからのプリントとほぼ同等のスコアを残しているのだから驚きだ。マルチフォトカラリオの高速画像処理エンジン「REALOID」の能力を改めて知らされた。

 カラーコピーのテストでは、A4サイズの写真プリントをA4普通紙に等倍コピーするという測定方法をとった。測定は標準モード(標準)でのみ行っている。結果は、やはり上位モデルが22秒台と優秀なスコアを獲得した。前述の通り、印刷品質も満足できる。なお、EP-902AのADFを使ったカラーコピー速度も計測したところ、原稿台からのコピー速度をさらに引き離す17秒台という好成績が出た。ADFは原稿カバーを開くことなく複数枚の原稿をセットできることもあり、非常に有用だ。

 自動両面印刷機能は標準で装備していないが、EP-902AとEP-802Aにはオプションのユニット(EPADU1)が存在する。せっかくなのでユニットを増設した状態でも、印刷テストを行った。テストは「JEITA J9」(全5ページ、両面で2ページ半)を標準モード(標準:3)と最高速モード(レベル:1)の2パターンで印刷するというものだ。結果は非常に高速で、標準モードでも1分半で印刷が完了した。自動両面ユニットは大手量販店でも3000円程度で購入できるので、これだけ高速ならば、本体と同時に購入してもよいだろう。

 一方、テスト中に少し気になったのは、EP-902AとEP-802Aの振動だ。標準モードではさほど問題ないが、高速モードで印刷すると、騒々しく、振動も結構大きい。それなりの強度があるとはいえ、頑強とはいい難いシャシーに高速なプリントエンジンを搭載すれば、無理もない。保全性や出力品位を保つ意味で、据わりの悪いテーブルや棚への設置は避けるのが賢明だろう。また、EP-902AについてはADFの駆動音が大きく、今後の改善が強く望まれる。

L判写真印刷のインク+用紙コスト

 最後にランニングコストだが、下表にメーカーが公表しているインクと写真用紙の合計コストをまとめた。2008年末モデルに比べて、マルチフォトカラリオは測定条件のメディア単価が安くなったこともあって、3モデルともコストが少しずつ下がっている。EP-702Aは先代がいないが、プリンタエンジンの仕様が同一のPM-A840Sと比べればよいだろう。

L判写真印刷のインク+用紙合計コスト
製品名 EP-902A EP-802A EP-702A
インク/用紙合計コスト 約20.8円 約20.8円 約19.9円
測定に使用した用紙(直販価格) 写真用紙<光沢> L判400枚(1990円)
測定に使用したインク(直販価格) ICC50、ICM50、ICY50、ICLC50、ICLM50、ICBK50(各1050円)
測定に使用した画像データ JBMS-78-2006 フォト標準テストページセット

高い総合力を獲得したマルチフォトカラリオ

 以上が、2009年末のマルチフォトカラリオ注目モデルだ。冒頭で2009年はマイナーチェンジが中心と記したが、詳細なテストを行っていくと、改めてよくできた製品であると実感する。高速、高画質のプリントエンジンを中心に、ネットワークや2段式前面給紙カセットなどの諸機能が脇を固めており、高い総合力を獲得するに至っている。かつては、どちらかといえば画質偏重だったカラリオが、変われば変わるものだ。

 価格によって、性能や機能は細かく違っているが、3モデルの中でも目立つのはEP-802Aの存在だろう。2008年末モデルのEP-801Aは、機能面でやや中途半端だったために推せなかったが、EP-802Aの機能と価格のバランスならば十分おすすめできる。ADFとタッチパネルを備えたEP-902Aもハイエンドクラスらしい付加価値があり、予算に余裕があれば、検討すべきだ。また、新登場したEP-702Aも見逃せない。エンジン性能では上位機に劣るものの、前面2系統給紙やネットワーク機能が不要という人には、よい選択肢となるだろう。


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