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» 2009年12月28日 19時00分 公開

IPS×WUXGA×10ビット対応DisplayPort:これぞ“正しい”広色域ディスプレイ――24.1型WUXGA液晶「FlexScan SX2462W」に迫る (2/4)

[前橋豪, 撮影:矢野渉,ITmedia]

多彩な高画質化技術と表示安定化技術を装備

SX2642Wの映像処理の流れ。16ビットの内部演算と12ビットのLUTにより、最終的な8ビット/10ビット出力の階調を整える

 SX2642Wの真骨頂であり、低価格帯の液晶ディスプレイと一線を画すのが、多彩な高画質化技術だ。

 まず、16ビットもの内部演算処理と12ビット(約680億色)のルックアップテーブル(LUT)によって、階調表現力を高めている。最終的な出力が標準的な8ビットだけでなく、DisplayPort接続時に最大10ビットまで高まるSX2642Wで階調を整えるには、それを上回るビット数のLUTと内部演算処理が重要だ。この内部ガンマ補正機能は、8ビット出力時でも黒に近い低階調部の再現性などに効いてくる。

 ColorEdgeシリーズ譲りの表示安定化技術も健在だ。輝度や色度を画面上の各ポイントで測定して画面全体の表示ムラを減らす「デジタルユニフォミティ補正回路」、電源オンから短時間で輝度を安定させる「輝度ドリフト補正」、バックライトの経時変化によるブライトネス変動を内蔵センサーで検知して補正する「ブライトネス自動制御」といった機能を持つ。

温度センシング機能により、設置場所の温度が原因の色度変化まで抑える

 表示の安定化に関しては、新たに独自の温度センシング機能を搭載し、設置場所の温度変化に起因する色度変化も抑えている。また、輝度の変化に伴う色度変化を抑える色度補正機能も搭載する。

 とにかく、電源を入れてからすぐの状態から、長期間の運用にまで配慮して、常に一定の表示が保てるよう多数の技術が盛り込まれているのは心強い。

 なお、周囲の明るさをセンサーで感知して、バックライト輝度を自動調整することで、省エネと眼精疲労軽減を図る「Auto EcoView」機能も装備しているが、SX2462Wでは輝度や色の再現性が優先されるため、出番は少ないだろう。

高画質化技術を生かす豊富な調整機能

 ディスプレイの調整機能も豊富だ。表示する画像にマッチした画質モードの切り替え機能「FineContrast」は、Text、Picture、Movie、sRGB、User1、User2、User3を用意。User1〜3は3系統の映像入力ごとに割り当てて使う。もちろん、各映像入力で調整した内容は記録されるため、映像入力を切り替える度に調整をし直す必要はない。

 輝度とコントラストの設定はもちろん、14段階(4000K〜10000Kまで500K単位、9300K)の色温度調整、1.8〜2.6のガンマ調整、色相、濃度、コントラスト拡張、輪郭補正、RGBゲイン、6色調整(RGBCMYの色相と濃度)など、きめ細かなカラー調整が行える。また、WUXGA未満の低解像度を表示する場合は、フルスクリーン(全画面表示)、拡大(アスペクト比固定のまま拡大表示)、ノーマル(ドットバイドットで1:1表示)の3つのモードから選択可能だ。

 OSDメニューの刷新により、前面の操作ボタンが使いやすくなったのもSX2461Wからの強化点として挙げられる。OSDメニューはタブの採用で内容が整理され、カラー化するとともに、サイズが大きく読みやすいフォントになった。さらに、操作ボタンの直上にボタンガイドが表示されるため、暗所でもボタンの位置と機能が把握しやすい。

FineContrastの画質モードは7種類あり、ボタン1つで切り替えられる(写真=左)。一新されたOSDメニュー画面とボタンガイド付きの操作ボタンにより、使い勝手が向上した(写真=中央)。未使用の画質モードはOSDメニューから省くことで、モード切り替えのロスを減らせる(写真=右)

Windows上でディスプレイの各種設定が可能な「ScreenManager Pro for LCD」

 前述の通り、PCとSX2462WをUSBでつなぎ、付属ユーティリティソフトのScreenManager Pro for LCDを導入すると、Windows上でもディスプレイの各種設定が可能になる。使用するアプリケーションによって、FineContrastの画質モードを自動で切り替える設定も可能だ。現状でSX2462W用のScreenManager Pro for LCDは、Windows XP/Vista(32ビット版/64ビット版)での動作をサポートしている。

 このほか、Windowsのデスクトップを任意の場所で分割してウィンドウ配置をしやすくするソフト「EIZO ScreenSlicer」や、カラーユニバーサルデザインを考慮して、色弱者の見え方をシミュレーションして表示できるソフト「UniColor Pro」も利用できる。

独自のカラーマッチングツールも用意

「EIZO EasyPIX」のパッケージ版に付属する測色センサー「EX1」

 デジタルカメラユーザー向けの簡易カラーマッチングツール「EIZO EasyPIX」も引き続き、オプションとして用意されている。EasyPIXはナナオ製液晶ディスプレイ専用のカラーマッチングツールとして2008年11月に発売された製品で、「Spyder3」をベースにしたカラーフィルター型測色センサー「EX1」と調整ソフトウェア「EIZO EasyPIX Software」で構成されるパッケージだ。

 機能は実にシンプルにまとまっており、通常のカラーキャリブレーションツールのような色域や輝度、色温度、ガンマといった調整項目は一切なく、「画面表示と印刷用紙のカラーマッチング」「写真観賞用に最適な発色」「Web表示など一般的な用途向けの発色」という3つの目的に沿って、カラーマネジメントの知識がないユーザーでも手軽に液晶ディスプレイの発色を整えられる。調整後はICCプロファイルが作成され、自動的にOSへ登録される仕組みだ。

 2009年11月25日には最新版のEasyPIX Software Ver.1.1が無償公開され、パッケージ版を購入しなくても、対応機種のユーザーであれば、印刷用紙と画面の白色を目視でカラーマッチングできる機能が試せるようになった。また、パッケージ版のユーザーはVer.1.1にアップグレードすることで、印刷用紙の白色をセンサーで測定して目安となる調整値を提示する機能と、以前調整した同じ目標値でキャリブレーションが行える再調整機能が新たに利用可能になる。

 パッケージ版は単体で買うと1万9800円だが、同社直販のEIZOダイレクトではSX2462Wとのセットモデルも用意されており、この場合10万9800円で購入できる。本体に5000円足すだけで、センサー付きのカラーマッチングツールが手に入ることを考えると、なかなか買い得感は高い。

 次のページでは、実際の画質をSX2461Wと見比べながら確認する。

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