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» 2009年12月28日 19時00分 公開

IPS×WUXGA×10ビット対応DisplayPort:これぞ“正しい”広色域ディスプレイ――24.1型WUXGA液晶「FlexScan SX2462W」に迫る (4/4)

[前橋豪, 撮影:矢野渉,ITmedia]
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ナナオが放ったIPSパネルの名機といえば……

Super IPSパネル採用の21.3型UXGA液晶ディスプレイ「FlexScan L997」

 さて、SX2462WはIPSパネル搭載機ということで、ディスプレイ愛好家の中にはSuper IPSパネル採用の名機といわれる21.3型UXGAモデル「FlexScan L997」(2005年発売)との表示傾向の違いが気になる人もいるだろう。

 L997はしっとりして落ち着いた発色と紙のように平滑な表示が魅力だが、SX2462WはSX2461Wの延長線上にある画質といった印象で、同じIPS系のパネルといっても傾向は異なる。SX2462Wはコントラストがあって鮮烈な「イマドキ」の表示なので、かつてのIPS搭載機の風合いを求めているならば、店頭で違いを確認したほうがいいだろう。

 もっとも、SX2462WはL997にない広色域表示や高解像度ワイド画面、最新の高画質化技術や表示安定化技術など、最新モデルらしく多数のアドバンテージがある。画素ピッチはどちらも0.270×0.270ミリと変わらず、文字やアイコンが同じサイズで表示されることから、L997ユーザーがSX2462Wを買い足して、sRGB確認用のスクエアディスプレイとAdobe RGB確認用のワイドディスプレイによるデュアル構成で使うのもアリだろう。

パワーアップしたEIZO EasyPIXも試す

EasyPIXのセンサーによる表示測定と調整は自動で行われる。印刷用紙の白色をセンサーで測定する場合、測定後に手動での調整が必要だ

 もう1つ、前述したEasyPIXに関しても少し触れておこう。最新版のVer.1.1で強化された印刷用紙とのマッチング機能だが、無償で試せるようになったのは朗報だ。センサーを使って印刷用紙の白色を測定できるのもポイントだが、やはり一般家庭向けの蛍光灯下で紙白を正確に自動認識させるには限界がある。カラーマッチングの精度を重視するならば、3波長発光形の昼白色蛍光灯など、家庭向けでも光の波長にクセがないものを選ぶといいだろう(色評価用の照明がベストではある)。

 また、偏った光源下でフォトレタッチした写真を印刷しても、光源による見え方の違い(カラーインコンスタンシー)が発生し、別室に飾ったり、知人に配ってみたら、意図する色と違ってしまっていたなんてこともになりかねない(プリンタの中にはこうした光源依存性を低減した製品もあるが)。正確な色を見るには、オプションの遮光フードや環境光にも気を遣うべきだ。

 EasyPIXは、誰でも簡単にウィザード形式で印刷用紙とのカラーマッチングや用途別の画質設定が行えるのがウリだが、今後はできれば、キヤノンやエプソンの代表的な写真用紙のプリセット値を最初から搭載しておいてくれると、より便利になると思う。

 また個人的には、ColorEdge用のカラーマネジメントソフト「ColorNavigator」の基本的な機能(プリセットの「写真/デザイン用一般設定」によるキャリブレーション機能)だけでもEasyPIXに採用してもらえると、より活用の幅が広がってうれしいのだが、これはさすがに無い物ねだりかもしれない。

Adobe RGBとsRGBのニーズを高いレベルで満たしてくれる1台

 以上、高級機ということでFlexScan SX2462Wの表示性能を結構厳しくチェックした。液晶ディスプレイで正確な色を出すには、高品位な液晶パネルの選定や、調整機能の充実化、画質のチューニングなど、メーカー独自のノウハウが求められ、それらがすべて価格に跳ね返ってくる。SX2462Wが24.1型ワイド液晶ディスプレイとしては高額な理由はそこにあるのだ。

 しかし、Adobe RGBとsRGBの両色域を正確に再現できる良好な表示品質や多彩な機能を考慮すると、10万4800円という価格はむしろコストパフォーマンスが高いといえる。同サイズの低価格ディスプレイが数台買えてしまう値段とはいえ、こうした製品ではAdobe RGBとsRGBの色域をいずれもきちんと再現できず、色を重視するクリエイティブワークでは何台あっても代用できないのだから。

 例えば、デジタル一眼レフカメラで撮影した写真データをAdobe RGB色域でフォトレタッチしてプリントしたり、sRGB色域に変換してWebサイトにアップしたり、といった用途ではSX2462Wのような上位クラスの液晶ディスプレイを選ぶほかなく、その中でもSX2462Wの完成度は高い。デジタル一眼レフカメラで撮影した写真の編集に凝っているユーザーは、レンズを1本我慢してでも、SX2462Wを検討してみてはどうだろうか。これ1台あれば、デジタルフォトライフがより充実するはずだ。

 なお、同社はハードウェアキャリブレーション対応の上位モデルとしてColorEdge CG243W(17万8500円)もラインアップしているが、価格差は7万円以上開いている。常にハイレベルな色の再現性が必要とされるプロの現場では、ColorEdgeならではの高度なカラーマネジメント機能がベストマッチするが、一般的なDTPや写真編集、CADといった分野ではSX2462Wで十分満足できるだろう。

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