先週、EVGAのグラフィックスカード「GeForce GTX 275 CO-OP PhysX Edition」がパソコンショップ・アークに入荷した。価格は3万7980円。在庫は少数だ。
GeForce GTX 275 CO-OP PhysX Editionは、2段占有のPCI Express x16カードで、メインGPUのGeForce GTX 275に加えて、GeForce GTS 250も搭載しているのが特徴。GTS 250は物理演算処理専門の「PhyX」プロセッサとして動作する仕様で、GTS 250側にDDR3 384Mバイトの専用メモリが用意されている。GTX 275側のメモリはDDR3 896Mバイトだ。映像出力端子はDVI-I端子2基で、補助電源は8ピンと6ピンとなる。
パソコンショップアークは「サブのGPUを別の用途で動かすというユニークなカードです。個別にGTS 250とGTX 275カードをそろえても似たような設定を構築することができますが、合計金額が5000円程度は安くなりますね。また、スロットが1基で済むうえ、いろいろなチューニングが不要というメリットがあります。とはいえ、『絶対これじゃないと得られない』というほどではないので、注目度は高いですがそれほどのヒットは期待していません。まあ、バリエーションの1つとして目立ってくれればという感じですかね」と、淡々と語る。
こうした変わり種のアイテムは注目度が高い半面、多数のレビュー情報が集まるまで様子見するユーザーが多いらしい。ツートップ秋葉原本店は「性能と安定性がどれほどなのか予想できないと手を出す人は少ないです。まあ、“人柱”待ちということでしょうね。1月中旬に登場したマザー『Big Bang-Fuzion』はまさにその典型。1月に入ってから、H55マザーなどの新プラットフォームが登場し、注目度の高いそれらの変わり種パーツも出てきたわけです。どんなものか気になるじゃないですか。だから結構人柱を求める雰囲気になっているのかなと思いますね」と話していた。
典型例に上げられたMSIの「Big Bang-Fuzion」は、PCI Express x16スロットを3基備えるATXサイズのP55マザーだ。種類の違うGPUを組み合わせてもSLIやCrossFireXのような性能強化ができる独自技術「Hydra Engine」を採用しており、GeForce系とRadeon系カードを組み合わせることもできるとうたっている。価格は4万円弱だ。
各ショップで注目されているが、某ショップは「マザー自体は普通に安定して動作すると思いますが、Hydra Engineが仕様どおりに生かせる組み合わせや条件はかなり限られているのではと言われています。それも2月のファームウェアアップデートで改善されるというウワサもありますが、今のところはチューニング慣れしている上級者でも手を焼く可能性が高いです。確かに質問をたくさん受けますが、あまり積極的にオススメしたくない気持ちもあったり……」ともらしている。
それでも、尖ったパーツを歓迎する店員さんも多い。T-ZONE.PC DIY SHOPは「自作上級者としては、かなり手応えのある暴れ馬だと思いますよ。期待と不安をない交ぜにさせるような元気のいいアイテムが今後もたくさん出てきてほしいですね」とエールを送っていた。
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