フラッグシップノートは“Z”だけじゃない――「VAIO F」実力診断写真も動画もこれ1台(2/3 ページ)

» 2010年04月06日 11時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

BD-REドライブ、ダブル地デジチューナーを内蔵

 チップセットはIntel HM55 Expressを採用する。メモリも高速なPC3-10600 DIMM(DDR3-1333)を用いており、標準で4Gバイトを搭載する。プリインストールOSは64ビット版のWindows 7 Home Premiumを採用しており、最大8Gバイトまでメモリの増設が可能だ。データストレージは2.5インチのSerial ATA HDD(5400rpm)を採用しており、容量は500Gバイトを確保する。

 本体の右側面には光学ドライブとしてBD-REドライブを内蔵している。付属のBD/DVD再生ソフトは「WinDVD BD」だ。また、PMB VAIO Editionには従来のBD/DVDオーサリングソフト「Click to Disc/Click to Disc Editior」に相当する機能が統合されており、画面の指示に従っていくだけで簡単にメニュー付きのBD/DVDディスクを作成できる。同じ撮影日の素材から自動的にマルチアングルのBDを作成したり、撮影日を認識して自動でカレンダー型メニューを作成するといった高度な機能まであるのは驚きだ。

 クリエイティブユースのモデルながら、高度なテレビ視聴・録画機能も盛り込まれている。地上デジタル放送対応のダブルテレビチューナーを内蔵しており、定評あるVAIOオリジナルの視聴/録画ソフト「Giga Pocket Digital」で2番組の同時録画が可能だ。あらかじめ設定したキーワードに関連する番組を自動録画する「おまかせ・まる録」や、時間帯が不規則な番組でも番組名から追跡して自動録画する「シリーズ録画」などの便利な機能も搭載しており、録画番組をBDメディアやメモリースティックなどにも簡単に書き出すことができる。

底面のネジ止めされたカバーを開けると、2基のSO-DIMMスロット、2.5インチSerial ATA HDDベイにアクセスできる。底面にはB-CASカードスロットもある
PMB VAIO Editionのディスクオーサリング機能では、画面の指示に従っていくだけで簡単にメニュー付きのBD/DVDディスクを作成できる。細かな編集も可能だ
右側面の奥にある端子に、外付けのテレビアンテナケーブルを接続する仕組みだ。テレビ機能やWindows Media Centerを操作できるマルチリモコンも付属する

 通信機能は1000BASE-Tの有線LANに加えて、IEEE802.11a/b/g/n準拠の無線LAN(300Mbps対応)、Bluetooth 2.1+EDRも標準で装備する。端子類も充実しており、USB 2.0はeSATAとの兼用端子を含めて3ポート、IEEE1394a(4ピン)、光デジタル音声出力(ヘッドフォンと共用)、HDMI出力、アナログRGB出力など一通りの端子を備える。

 カードスロットについても、ExpressCard/34をはじめ、前面にメモリースティック デュオ(PRO-HG対応)用とSDメモリーカード(SDHC対応)用の両方を装備しており、デジタルカメラやポータブルオーディオプレイヤーなどとのデータ交換も手軽に行える。

前面にSDメモリーカードスロットとメモリースティック デュオスロット、ワイヤレス通信のスイッチを備えている
背面にインタフェース類は用意されていない。シリンダーデザインは健在だ

左側面にACアダプタ接続用のDC入力、有線LAN、アナログRGB出力、HDMI出力、eSATA/USB 2.0、ExpressCard/34スロット、4ピン(S400)のIEEE1394a、排気口、盗難防止ロック用コネクタが並ぶ
右側面にはヘッドフォン(光デジタル音声出力兼用)、マイク、2基のUSB 2.0、トレイ式の光学ドライブ、テレビアンテナ端子、電源ボタンを搭載する

デバイスマネージャで見たVPCF119FJ/BIの仕様。HDDは「TOSHIBA MK5065GSX」、BD-REドライブは「Optiarc BD RW BD-5730S6」、無線LANには「Centrino Advanced-N 6200 AGN」とある

Adobe RGBカバー率100%のフルHD液晶ディスプレイを搭載

1920×1080ドット(フルHD)表示の16.4型ワイド液晶ディスプレイは、Adobe RGBカバー率100%の広色域を誇る

 液晶ディスプレイのサイズは16.4型ワイドで、画面解像度は1920×1080ドットのフルHDに対応する。店頭販売向けの3モデルの中ではVPCF119FJ/BIのみハイグレードな「VAIOディスプレイプレミアム」仕様となっており、低反射コートを施しているほか、Adobe RGBカバー率100%ならびにNTSC比100%(u’v’色度図による)の広色域をカバーする。

 輝度はそれほど高くないものの、低反射コート付きの画面は映り込みが少なく、しっとりとした発色で、見た目の表示品質は良好だ。液晶ディスプレイのヒンジが開く角度は約130度までだが、ノートPC用のTNパネルとしては視野角も広いため、実用上は問題ないだろう。

 この液晶ディスプレイは当然ながらクリエイティブユースを意識して搭載されたものだ。初期状態で内蔵液晶用のICCプロファイルが適用されており、カラーマネジメント対応アプリケーションを使用する際、Adobe RGBの画像をほぼ正しい発色で再現できるとしている。測色器を使ったソフトウェアキャリブレーションでの利用も想定済みで、エックスライトの「ColorMunki Photo」が推奨キャリブレーターとされている。

 また付属ソフトを見ても、ソニーオリジナルのタイトルに加えて、画像管理/RAW現像ソフトの「Adobe Photoshop Lightroom 2」、フォトレタッチソフトの「Adobe Photoshop Elements 8」、エプソン製プリンタ用Photoshopプラグインの「Epson Print Plug-In for Photoshop」、ビデオ編集ソフトの「Adobe Premiere Elements 8」といったメジャーなクリエイティブツールを備えている。

 ちなみにPhotoshop Lightroom 2には、同社のデジタル一眼レフカメラ「α」で撮影したRAWデータを現像作業する場合、カメラでの現像画質に近づける「αプリセット」機能も追加されているので、αユーザーにとってはさらに価値が高まるだろう。

写真の取り込みから分類整理、RAW現像、出力までを一貫して行える写真管理ツール「Adobe Photoshop Lightroom 2」
個人向けながら豊富な機能を備えたフォトレタッチソフトの「Adobe Photoshop Elements 8」
HD動画の編集もサポートした個人向けビデオ編集ソフト「Adobe Premiere Elements 8」

OSの基本機能からオリジナルの機能まで各種設定に一括してアクセスできる「VAIOの設定」。ディスプレイ関連の設定では、ノイズ除去やコントラストの補正を行う動画の高画質エンジン「Motion Reality HD」のオン/オフ、動画再生時のリフレッシュレート、輝度/消費電力、色モードなどを調整できる

Sony Style(ソニースタイル) Sony Style(ソニースタイル)

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