スムーズでサクサクと動く。これもiPhone 4の大きな魅力になっている。今回は時間が限られていたため、すべての機能を試したわけではないが、SafariによるWebサイトの閲覧からメール機能、写真、さらにはiMovieによるHD動画の編集までもが、ストレスなく快適に動作していた。これは日本語環境でも同様であり、日本語の表示・日本語入力時にも、もたつくことはない。iPadでも実感していたが、A4プロセッサーとiOS(旧iPhone OS)の組み合わせによるパフォーマンスの高さを実感した。それでいて従来機よりもバッテリー持続時間は長くなっている。
このサクサク感は今回500万画素に強化されたカメラ周りの機能でも役立つ。一般的にケータイやスマートフォンでは、カメラの画素数が上がり、たくさんの写真を撮ると処理が遅くなる傾向があるが、iPhone 4はカメラの反応速度から写真の閲覧やスクロールも、従来機以上にすばやく動作する。高画素化とディスプレイの高解像度化で弊害となる、動作速度の低下はまったく見られなかった。iPhoneのカメラは、写真や動画を撮るだけでなく、Twitterなどの利用でもよく使う機能になっているが、こういったアプリ連携でもストレスなく使えそうである。
iPhone 4に搭載されるiOS 4では、UIも大幅に洗練されている。
まず基本UIはアイコンや文字の表示がくっきり見やすくなり、4月のiOS 4(iPhone OS 4)の発表会で予告されたとおり、フォルダ構造やマルチタスクへの対応が行われた。実際に筆者も試してみたが、ホームボタンを2回押してタスクを切り替えたり、アイコンを重ね合わせてフォルダを作る、フォルダをタップして複数のアイコンから目的のアプリを選ぶといった操作は、いちど使えばすぐに慣れてしまうくらい直感的だ。短時間の試用をした限りでは、マルチタスク状態でも動作はスムーズであった。しかし、マルチタスクでどれだけの機能やアプリを実用的に動かせるかは、改めてテストしたいと思う。
一方、メールをはじめとした基本的なソフトや各種機能もかなり進化している。スティーブ・ジョブズのキーノートスピーチでは、マルチアカウント対応のメールボックスなどが紹介されていたが、他にもToDoのデザインなどが変わっており、時間をかけて探すと変更点はいっぱいありそうだ。
それらの中でも、とりわけ筆者の目を引いたのは、日本語入力の仕様変更である。まず、テンキー入力のUIに「顔文字」ボタンが追加されており、これを押すと簡単に顔文字(絵文字や英文のフェイスマークではなく、日本仕様の顔文字)が入力できるようになっていた。また設定画面には「ユーザー辞書を編集」という項目が加わっており、辞書編集ができるようになったようだ。iPhoneはグローバルモデルなので、“日本のケータイ文化には合わせてこない”と思われがちだが、実際はiPhone OS 3.x時代から絵文字・顔文字対応など日本市場向けのローカライズを行ってきた。今回の顔文字対応とユーザー辞書変更が、ソフトバンクモバイルの働きかけによるものなのか、それともApple側からのアプローチなのかは不分明であるが、iPhoneが日本市場を意識したバージョンアップもしていることは、日本のユーザーにとって喜ばしいことだろう。
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