“ソーシャルマガジン”アプリ「Flipboard」でiPadの神髄を垣間見る(2/2 ページ)

» 2010年08月20日 11時48分 公開
[小林仁,ITmedia]
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リスト機能や検索機能でソーシャルメディアを手軽に利用

 Twitterストリームの元情報を可視化して楽しめるFlipboardだが、もちろん現段階では欠点もある。フォローする人数が少なすぎればソーシャルマガジンとしての内容が薄くなるし、多すぎても雑多なノイズが増えてしまう。またユーザーの中にはネット情報を選り分けるキュレーターのような役割をする人もいれば、チャットとして利用している人もいる。つぶやきがメインのユーザーをセクションに登録しても、Flipboardのレイアウトはあまり効果がない。いずれWeb解析技術が進めば解消されるのかもしれないが、今のところは各Twitterユーザーの活動範囲を見極め、自分なりに記者的な働きをする人を集めないとFlipboardのうまみが味わえないのである。

 とは言え、簡単な解決法はいくつかある。Flipboardを手軽に使ってみたいなら、まずは検索して人気のアカウントを追ってみるのが一番だ。IT系のニュースサイトの公式アカウントを登録すれば、専門情報誌の最新版がいつでも読める。例えば「@topitimedhia」ではITmedia全チャンネルのトップニュース、@TechCrunchJAPANではTechCrunch日本語版の情報がレイアウトされる。また芸能人アカウントを登録すれば、ファン向けの「日刊●●●(例:「@o3a3(原田知世)」)の購読者になることもできてしまう。アルファブロガーからネタを引っ張りたい場合は、「@hatebu」(はてなブックマークのホットエントリを紹介)などをセクションに登録するだけで、最新の時事ネタが集まるソーシャルマガジンとなる。

 より誌面をカスタマイズしていくには複数のアカウントを自身でリスト化していくしかないが、他のユーザーが作成した公開リストをそのまま利用してしまうのも手軽でお勧めだ。たとえば筆者が公開している「@lonkb/flipnews」は、Flipboard向きのニュースサイトの公式アカウントをまとめたリストだ。試しにこれを登録してみるだけでも、Twitterストリームがどのように雑誌レイアウトへ変換されていくのかがある程度理解できるはずだ。使い方や癖が分かってきたら、英字セクションを削除して自分だけのソーシャルマガジン作りを追求していくと楽しみはさらに広がっていく。

PhotoPhoto 検索ウインドウの「People on Twitter」「Lists on Twitter」の中から使えそうなアカウントやリストを登録すると、自分でリストを作成する必要すらなくなる。この場合も、外部リンクを積極的に利用しているユーザーを登録するのがコツ

誰もがインタラクティブな雑誌作りの編集長になれる時代に

 Flipboardを数週間使い込んで実感したのは、この技術がさらに発展していけば「誰もがソーシャルメディアの編集長になれてしまうのではないか?」ということ。何しろ自分の好きなテーマ、アーティストやレビュー、Webサイトをリスト化していけば、あらゆるジャンルの専門誌を自分一人で作り上げることができてしまう。しかも、そのリストを他者に公開するだけで「自分が作ったデジタル雑誌(のようなもの)」が発刊できるのである。自分が手掛けたサイトやブログをリンクしていけば個人誌も作れるし、そこに第三者の情報をうまくバランスさせればメディアの発信元のようにも振る舞える。

 ソーシャルストリームを活用することで誕生したFlipboard。まだまだ発展途上にあるアプリだが、パッド型デバイスの可能性、またビジネスプラットフォームとしての将来性は、今でも十二分に感じることができるものだ。ソーシャルネットワークの発展が情報化社会にどういった影響を及ぼしていくかはまだ未知数だが、どちらにせよ膨大なネット情報を個人で把握するのはいまや不可能な時代だ。魅力的なコンテンツを選り分けるためには今の検索エンジンでは力不足である以上、現代はこうした個々人の能力がゆるやかに結集するメディアが今以上に求められるかもしれない。

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