そのほかにも、注目度の高い展示はいくつも用意され、自作PCの可能性の広さを示していた。ギガバイトは同社マザー多くが搭載している、電源オフ時のバスパワー給電やiPhoneやiPadへの急速充電が可能な機能をデモを交えてアピール。スタッフは「最近はマザーボードベンダー各社が独自の付加価値を用意して勝負する動きがありますが、我々はハイエンド系だけでなくエントリー帯でも共通の付加価値を提供していきたいと考えています。USBバスパワーを使う機会はかなり多いでしょうから、ここを訴求していきたいですね」と意気込んでいた。
ストレージ系の動きも活発だ。イベントと同時期にPCI Express x4接続のSSD「RevoDrive」シリーズの投入を積極的に行っているOSZは、「速度や品質だけでなくコスト面での改良も順調に進んだので、多くの人に選んでいただけるシリーズに成長できるかなと自負しています。SATA接続のSSDとともに今後も選択肢の1つとして定着できるようにがんばります」と語る。
なお、SATA 3.0接続のSSDについては、「現在計画中で、順調に進めば年末にも販売できるかもしれません。現在、マザーボード側でもSATA 3.0対応が進んでいますが、ハイエンド系を中心にさらに強化されると思います。SATA 2.0では味わえない速度を、細かい数値差でなく体感レベルで実現するようなモデルを出したいですね。きっと我々と同じように考えている他社さんもいらっしゃるでしょう」と話してくれた。
新たな使い方を提案するHDDもみられる。日立のブースに並んだ「LifeStudio」シリーズは、内蔵のアプリケーションと付属のUSBキーにより、セキュアで直感的なファイル管理環境を構築するもので、イベントの直前に一部のショップで販売が始まっていた。スタッフは「ただ保存場所を作るだけでなく、このシリーズでないと味わえない便利さを提供できればと思っています。今後は自作PCに詳しい人だけでなく、多くの方に知ってもらえるように展開していきたいですね」と語っていた。


ZOTACとOCZの製品を展示するアスクのブース(写真=左)。OCZのPCI Express x4接続のSSDとSATA 2.0接続のSSD(写真=中央)。日立「LifeStudio」シリーズ(写真=右)未発売の新製品が多かったのはサイズのブースだ。従来からさらに大型化した「峰クーラー2」や、フィンの一部に銅を使った「Super Mega」といったCPUクーラーのほか、GeForce GTX 460やGTS 450に対応したスリムなVGAクーラー「雪原2」、80PLUS BRONZE認証を取得した電源ユニット「剛力3」などもそろえていた。
話題性の高いブースが多い中、ある種の異彩を放っていたのがアクティスだ。電源ユニット「明智光秀」シリーズで知られるメーカーで、ブースには近日発売予定のATXケース「Akechi 300」を展示していた。
一般的に「三日天下」の武将として知られる明智光秀をプッシュする同社のコンセプトについて疑問を抱いているユーザーは多いらしく、担当者には製品の仕様以上にネーミングについて質問が多く寄せられているとか。しかし、同氏は「明智光秀は実直で有能な武将としての評価が高い武将です。三日天下のイメージも、覇権争いのなかでスケープゴート的に汚名を着せられた側面が強いんですよ。なので、奇をてらったわけでなく、信頼性の高い弊社の高級ブランドという位置付けで明智光秀の名前を使わせていただいたというわけです」という。その信念に、同社の製品の評価とともに武将の汚名も返上するという決意を感じた。


開発中のサイズ「峰クーラー2」と、10月初旬発売の「Super Mega」(写真=左)。GPUクーラー「雪原2」は近日発売予定。4000円前後になる予定とのこと(写真=中央)。「明智光秀」を高品質製品のブランド名に位置付けているアクティスのブース(写真=右)
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