Athlon II搭載PCはチキンカレー何杯分?山谷剛史の「アジアン・アイティー」(2/2 ページ)

» 2011年05月24日 16時00分 公開
[山谷剛史,ITmedia]
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パトナの電脳街でPCパーツショップに突撃した

 ウエストベンガル州の北西に隣接するビハール州の州都パトナの中央駅から徒歩15分、リクシャー(人力三輪車。タクシー代わりに使う)で10分弱のところに2棟のビルからなる電脳街がある。ビルの一角にあるPCパーツショップで「PCを自作したい……、CPUはCore i3シリーズで」と聞くと、店員は英語で説明しつつ「CPU」「MOTHER BOARD」「UPS」(停電が多いインドでは重要なパーツ)などが書かれた専用用紙に価格を書いていく。19型液晶ディスプレイ込みの価格は19650ルピー(約3万5500円)と、自作PCも庶民には高額だ。

パトナに建つ電脳街ビル。インドの地方都市で電脳街といえば、多数のショップが入居している“専門店雑居ビル”を指す。これは、中国や東南アジア諸国と同じだ

パトナの街で見つけたPCパーツショップで自作PCを組む(写真=左)。希望するスペックをスタッフに伝えると、パーツリストにモデルと価格を書き込んでシステム構成をアレンジしてくれる(写真=右)

ノートPCが当たり前の富裕層専用カフェと電気がこない地方集落

 ウエストベンガル州のコルカタは、インド有数の大都市だが、コルカタからビハール州を巡り、さらに北部にあるガンジス川の「バラナシ」やタージ・マハルのある「アーグラ」で知られるウッタル・プラデーシュ州を巡る。この地方はコルカタに比べて発展は遅れていて、都市部でも新しいマンションが少なければエアコンを備えたショッピングセンターも少ない。地方都市の間に点在する集落では、家にテレビがあればいいほうで、電気の通ってない家が普通にある。このような、インドの地方におけるIT事情、いやそれどころか、家電事情は、5年前に紹介した「中国の貧しい村にITはあるか?」の状況にも達していない。

ウッタル・プラデーシュ州にある典型的な都市「ゴラクプル」では、ごく普通に車道で牛を見かける(写真=左)。インドの地方としては“PC”の宣伝より“PC教室”の宣伝が圧倒的に多い(写真=右)

地方の小さな集落でも商店街に電気屋さんがある(写真=左)。しかし、ほとんどの住居に電気はきていない(写真=右)

 その一方で、外国人を含む富裕層だけが立ち入ることができる区分けされたエリアが存在する。レストランやカフェがそれにあたるが、そうしたところでは、ノートPCユーザーやスマートフォンユーザーを普通に見かける。コルカタの街でも、混沌とした旧市街の中に整然とした都市計画で開発された「Salt Lake City」がある。住宅が整然と並び、IT企業の支社が並び、ショッピングセンターでは若者がスマートフォンやデジカメなどのガジェットを使いこなしつつデートしている。

富裕層だけが立ち入りを許されたカフェ(写真=左)やレストラン(写真=右)では、若いカップルがごく普通にノートPCやスマートフォンを使っている。しかし、このシーンだけを切り取って「近代化が進んだインド」と評価するのは早計だったりする

コルカタの新市街地「Salt Lake City」は都市計画によって整然した街並みとなっている(写真=左)。そのたたずまいは欧米の街に近い(写真=右)

 以前、この連載で「Windows XPでカレーが何杯食べられる?──IT大国インドの海賊版事情」を掲載した。バンガロールで働く技術者やソフトウェア開発企業を通して“IT立国インド”を紹介したが、そのインドの生活レベル格差は中国を超えており、PCをはじめとしたIT製品は一部の富裕層だけが所有する、とてつもない“ぜいたく”品であった。

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