インタビュー
» 2011年07月19日 15時00分 公開

“節電”でHDDが危ない?:夏場に起きやすいHDD障害、その傾向と対策 (2/2)

[後藤治,ITmedia]
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RAIDシステムは停電で壊れやすい

日本データテクノロジー データ復旧事業部の西原世栄氏

 もう1つ、夏場に起きるHDD障害の要因となっているのが落雷による停電だ。特にRAIDを構築している場合は、データを書き込んでいるときに停電が起きると、パリティ計算にエラーが生じて高確率で障害が発生する。

 データ復旧事業部でRAID復旧を担当する西原世栄氏は、「停電といっても、人が気づく分かりやすい停電だけとは限りません」と続ける。「電圧が瞬間的に下がる“瞬断”でもRAIDシステムにとっては停電と同じく致命的なエラーの要因になり得ます。特に予備電源のない自宅でRAIDシステムを運用している場合は、落雷の影響で送電ルートを切り替える際に瞬断が起きやすいので、できるだけUPSを利用したほうがよいでしょう」。

 また、RAIDで障害が発生したらすぐにバックアップやリビルドを行うのではなく、「まずはプロに相談してほしい」と西原世栄氏は強調する。人によってはHDDの不具合に備えて耐障害性の高いRAIDを導入していると思われるが、HDDのデータ消失リスクが最も高まるのはこの時だ。

 「例えば、RAID 5で運用していた場合に、1つのHDDが壊れるということは、ほかのHDDも消耗が進んでいるということ。そして、バックアップやリビルドの負荷(ディスクを全部読み出す)が最後の一押しとなって、ほかのHDDが故障してしまう可能性は非常に高いのです。もちろん、データの重要度にもよりますが、弊社の初期診断は無料(ホームページを見たと告げるか、メールフォームで問い合わせをするのが条件)なので、まずは相談してみることをお勧めします」。

 毎日欠かさずバックアップを取っていたとしても、最後のバックアップから障害発生までのタイムラグはどうしても存在する。特に企業で使用しているサーバであれば、その間のデータが失われてしまうと、業務に仕様をきたす場合もあるだろう。もちろん、ホームユースであっても、HDDに保存されている思い出の写真やビデオは金銭に代えられるものではない。HDD障害が起きるとあわててすぐにどうにかしようと考えてしまうが、1度冷静になって、バックアップはどこまで取ってあるのか、そのデータは確実に取り戻せるのか、データの重要度はどれくらいなのかを考えてみたほうがいい。そのためにも、まずは無料の初期診断を受けてみるというのはありかもしれない。

 実際、リビルドに失敗してデータが失われ、いくつかのデータ復旧事業者を経由してから、最終的に日本データテクノロジーに持ち込まれる事例は後を絶たないという。通常であれば比較的簡単にデータを取り戻せるはずだったものが、こういった“難物件”と呼ばれるケースでは、ファイルシステムやメーカーごとの特性を熟知したエンジニアがパリティを逆算してデータを書き戻していくという、複雑な作業が必要になる。また、当然ながらすべてのデータを取り戻せるとは限らない。

 「SASを使った大型サーバや、ほかに出して(システムが)ぐちゃぐちゃになったRAIDシステムなども、依頼主のデータの重要性や緊急度を考えると軽く断れないので受けることもありますが……前者の例ではHDDを海外のオークションで集めたり、RAID復旧のスペシャリストが2週間つきっきりで復旧作業にあたったりと、非常に難しい案件でした。今考えると完全に赤字で本当は嫌なんですけど(笑)。それでも『これはウチでしかできないから』とある種の使命感で依頼を受けることもあります。ただ、間違った診断と間違った復旧方法で症状を悪化させている業者も多いようですし、復旧の工程数が増えればそれだけ料金も上がってしまうので、できることなら初めから日本データテクノロジーに依頼してほしいと思うことはありますね」(西原氏)。

16進数で表示されたセクタから不具合の要因を探す西原氏(写真=左)。24台構成のRAIDシステムを復旧した際は、まったく同じシステムをもう1台購入(数百万円!)して、検証作業を行ったという(写真=右)

 要約すると「ほかはダメなので初めからウチに依頼しろ」という、何とも大胆な発言だが、この自信の裏には、一般的に難しいとされるRAIDシステムの復旧率でさえ平均的に91%を超えている高い実績がある。事実、6月の復旧率は97%だったそうだ。また、国内のデータ復旧事業者の中でも、日本データテクノロジーの復旧件数はトップを維持しているという(東京商工リサーチ調べ)。経験が技術力の高さに結びつくこの業界では、復旧件数は1つの指標になるはずだ。

 楽しい夏季休暇を終えて出社したら、待ち構えていたかのようなHDDトラブルに見舞われて、せっかくリフレッシュした気分が台無しに――読者のうちの何人かはこういった不幸を経験するかもしれない。そんなときはあわてずに、まずはデータ復旧.comに相談してみよう。

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