小学生から大学生の親はPCやインターネットを利用したがらないハイテクが苦手な世代だ。ところが、幼稚園児の親はインターネットを利用してきた世代となり、所得の高い世帯であれば、積極的にPCやスマートフォン、タブレットデバイスを子供に触れさせる。
授業料が平均月収程度という富裕層向け幼稚園では、PCを常備するのは当たり前だ。それもPCの基本的な操作方法を教えるのではなく、PCで音楽をダウンロードして再生音楽したりアニメを見せたりしている。授業参観では、デコレーションされたiPhoneやiPadを取り出して授業そっちのけで遊ぶ親も出てきて、それをみて我慢できない子供たちも大人が遊ぶゲームを見はじめたり遊びはじめたりと、教室はカオスな状態となる。
この世代の親はITを利用した教育が好きなので、近年教育ビジネスの優良顧客として個人情報収集のターゲットとなっている。子供用教育ビジネスで代表的なものは、子供向けの英語学校やモラル教室などだ。新興住宅地を中心に教室を展開する各種学校は、PCやプロジェクタを導入して自分たちの特徴をアピールする。筆者が取材した英語学校チェーンでは、Flashを利用した“フリーの”英語学習Webサイトを壁一面に映して教えていた。
また、親の世代が自分のためにPCやスマートフォンなどを導入しており、これらを使って家庭でも無料教育ゲームを利用して、子供にゲーム感覚で勉強やしつけを教えている。子供向け学習ゲームは、Webサイトの数も内容も充実してきており、日本企業からもベネッセが“しまじろう”(中国語で巧虎)が登場するミニゲームを多数用意している。
「00後」と呼ばれる21世紀生まれのチャイナキッズは、それ以前の「80後」「90後」世代と異なり、子どものときからPCやスマートフォン、そして、インターネットサービスを利用している。彼らが大人になったとき、この世代のITリテラシーがそれ以前の世代と比べて、どれほどすごいことになっているのだろうか。
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