スマートフォンとタブレットデバイスは、Intelが重視する分野の1つだが、同時に同社は「Ultrabook」という新しいフォームファクタの立ち上げに、多くのマーケティング予算を投じている。成果の一部は2011年9月にドイツのベルリンで開催されたIFA 2011で示しているが、依然として価格が高く、本来のターゲットである999ドル以下で十分なパフォーマンスとバッテリー駆動時間を実現すべく、さらなる製品開発を進めている。
2012 CESでは、Ultrabook第2弾といえる製品が多数公開されており、その一部が基調講演で取り上げられた。Dellがリリースする「XPS 13」は、アルミニウムとカーボンファイバを組み合わせたボディに、ゴリラガラスで全面を覆った13.3型ワイド液晶ディスプレイを搭載する。また、Intel Smart Connectに対応して、8時間のバッテリー駆動を実現した。先行するASUS、Acer、Lenovo、東芝などに続くタイミングだが、それでもDellが初めて投入したUltrabookということで、来場者が注目している。
Intelは、ディスプレイを裏返してタブレットPCとしても利用できる、薄型コンバーチブルPCのコンセプトモデルも紹介している。これまでのコンバーチブルPCは、タブレットデバイスとして使うにはボディが厚く、Ultrabookのコンセプトとは相いれないものが多かったが、これを少しでも解消しようという試みだ。
コンセプトモデルでは正式発表前の次世代CPU「Ivy Bridge」を搭載したサンプルPCのデモも行い、Ultrabookであっても3Dゲームの動作に十分なパフォーマンスを発揮することを紹介した。また、MasterCardのPayPassサービスを使ってNFC(Near Field Communications)による安全なセキュアトランザクションを利用するオンラインショッピングの実演など、Ultrabookが目指すべき方向の一端を具体的に示した。
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