Intelは、9月13日(現地時間)、米国において開発者向けの技術イベント「Intel Developer Forum San Francisco 2011」を開催した。初日の基調講演では、米Intel 代表取締役社長 兼 CEOのポール・オッテリーニ氏が、Intelの行き先を示した。
オッテリーニ氏の基調講演は、「コンピューティングの中心にいるのは、常にユーザーである」という言葉で始まった。オッテリーニ氏は、「これまで“コンピューティング”といえば、PCなどのデバイスを示していたが、いまや、スマートフォンやタブレットデバイスはもとより、自動車の高機能ナビゲーションシステムでもコンピューティング体験ができる」とした上で、「コンピューティングとは“ユーザー体験”そのものを示す時代になった」と、まさに今が“コンピューティングの変革期”であることを強調した。
さらに、この新しいコンピューティング環境に革新をもたらすためには、アプリケーション、デバイス、そして、クラウドなどのサービス全般において、ユーザーが求めるものを提供していく必要があると説く。
オッテリーニ氏によると、現在の代表的なコンピューティング環境において、YouTubeには1分ごとに48時間分の動画ファイルがアップロードされ、Twitterのツイート数は1日あたり2億件に上り、Facebookでは75億枚もの写真が毎週アップロードされるなど、それぞれのユーザーがコンピューティングデータを扱う機会が増えているという。また、PCに加えて、スマートフォンやタブレットデバイスなどのインターネットに接続できるデバイスは40億台を超えており、これらの需要を満たすために、データセンターは毎年4550億ドルもの投資をクラウドサービスのためにつぎ込んでいる状態だとしている。
これらの新しいコンピューティング環境で革新を続けるためには、より多くのトランジスタを市場に投入していく必要があるとオッテリーニ氏はアピールする。「2005年には全世界で消費された総トランジスタ数が400京トランジスタであったのに対し、2010年には8000京トランジスタ(1京は10の16乗)と、5年間で15倍もの伸びを見せており、さらに2015年には“10万2000”京トランジスタ(正しい日本語的には10垓2000京)と、10年間で200倍に跳ね上がるとみられている」という市場動向を示した。
そこで、Intelはこの爆発的な半導体需要をサポートすべく、半導体プロセス技術の進化を加速させる。オッテリーニ氏は「ムーアの法則を堅持することで、コンピューティングに革新をもたらし続けることができる」と、2011年内に量産を開始する予定の22ナノメートル3Dトランジスタプロセスルールに次いで、14ナノメートルプロセスルールの開発も順調に進んでいることを明らかにし、Intelの半導体製造技術が、今後もコンピューティング市場をリードしていくという考えを示した。
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