大画面ノートだってスマートに持ち歩きたい――「VAIO S(SE)」2012年春モデル検証:IPS方式のフルHD液晶をモバイルへ(4/5 ページ)

» 2012年02月20日 17時45分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

VAIO S(SE)の性能をベンチマークテストで確認

 今回入手したVAIO S(SE) VPCSE2AJの構成は、Core i7-2640M(2.8GHz/最大3.5GHz)、Radeon HD 6630M(1Gバイト)/Intel HD Graphics 3000の切り替え式グラフィックス、8Gバイトメモリ、500GバイトHDD(5400rpm)、Blu-ray Discドライブ、64ビット版Windows 7 Professional(SP1)といった内容になっている。データストレージがクアッドSSDではないので最速の構成ではないが、CPUは最上位で、グラフィックス機能も店頭モデルより高速なRadeon HD 6630Mになっている。

今回入手したVAIO S(SE) VPCSE2AJのデバイスマネージャ画面。ディスプレイアダプタに2つのグラフィックスが登録されている点に注目だ。HDDは東芝の「MQ01ABD050」(2.5インチ/9.5ミリ厚/5400rpm)を内蔵していた。IEEE802.11b/g/n準拠の無線LANとIEEE802.16e-2005準拠のWiMAXをサポートするインテルの通信モジュール「Centrino Wireless-N+WiMAX 6150」も備えている

 テストは基本的にSPEEDモード(Radeon HD 6630M)で実行しているが、一部はSTAMINAモード(Intel HD Graphics 3000)でもテストした。

 参考までに2011年秋冬の店頭モデル(VPCSE19FJ/B)のテスト結果も併記している。Core i5-2430M(2.4GHz/最大3.0GHz)、4Gバイトメモリ、750GバイトHDD(5400rpm)、Radeon HD 6470M(512Gバイト)/Intel HD Graphics 3000の切り替え式グラフィックス、64ビット版Windows 7 Home Premium(SP1)というスペックだ。現行の店頭下位モデル(VPCSE28FJ/S)に近いスペックなので、参考になるだろう。

 まずWindows 7標準のエクスペリエンスインデックスでは、HDDが足を引っ張って総合スコアは5.9にとどまっているが、プロセッサのサブスコアが7.1、メモリも7.4とハイレベルなスコアをマーク。SPEEDモードでは、グラフィックス、ゲーム用グラフィックスともに6.7とこちらも十分なスコアだ。前回レビュー時に比べてメモリのスコアがアップしているのは、デュアルチャンネルアクセスが有効になったためだろう。

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア。左がSPEEDモード(Radeon HD 6630M)、右がSTAMINAモード(Intel HD Graphics 3000)での結果

 PCMark VantageおよびPCMark 7では、2011年秋冬の店頭モデル(VPCSE19FJ/B)に比べて順当な性能向上を見せている。なお、PCMark 7のComputationやCreativityなどの項目でIntel GPU利用時のほうがスコアがよいのは、ハイブリッドグラフィックス採用機に共通して見られる傾向だ。現状の利用シーンに即した結果とはいい難い。

PCMark 7のスコア(グラフ=左)、PCMark Vantage x64(1024×768)のスコア(グラフ=右)

 3DMark VantageのSPEEDモードでのスコアは、Performance設定で4044だった。2011年秋冬の店頭モデルに比べて2倍近いスコアで、3Dゲームのプレイにも対応できる。ストリートファイターIVベンチマークでは1920×1080ドットの高解像度設定でも50.67fps(ランクB/7366)が出ているように、比較的描画負荷の低いタイトルであれば、高画質設定でもプレイできる。

 なお、STAMINAモードでは、スペックで明らかに勝っているにもかかわらず、3D系テストは2011年秋冬店頭モデルの同STAMINAモードより低いスコアとなった。特に3DMark VantageのCPUスコアで顕著だが、これはTurbo Boost 2.0の影響と思われる。

 Turbo Boost 2.0ではCPUとGPU両方のクロックが決められた範囲内で、電力、電流、温度、CPU/GPUへの負荷に応じてターボする。CPUとGPUどちらを優先してターボするか、そのバランスはCPU/GPU負荷などを検知して自動的に決められるとされている。

 しかし、これまでの経験上、どうもこれが最適には機能していないようだ。ゲーム個別のプロファイルをドライバ側で持っていないことから、それぞれのゲームに最適なバランスにならないことが多く、それが3D系ベンチマークテストでのムラにつながっているようだ。

 今回のMHFベンチマーク【絆】でも5回計測したうち1回だけ1500を超えるスコアが出たが、ほかの4回は1300台のスコアだった。また、3DMark VantageやストリートファイターIVベンチマークテストもやはりスコアの振れ幅は大きかった。

3DMark Vantageのスコア(グラフ=左)、ストリートファイターIVベンチマークのスコア(グラフ=中央)。モンスターハンターフロンティア ベンチマーク【絆】のスコア(グラフ=右)

バッテリー駆動時間、動作音時の騒音、発熱は?

 バッテリー駆動時間のテストは、BBench1.01(海人氏・作)で行った。STAMINAモードで電源プラン「バランス」(ディスプレイ輝度40%)を利用し、通信は無線LANで常時接続し、Bluetoothオフ、GPSオフという環境だ。BBenchの設定は「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」、WebブラウザはInternet Explorer 9(32ビット版)を指定している。

 この設定でのテスト結果は、バッテリー満充電の状態から残量5%で休止状態へ移行するまで、約247分(4時間7分)だった。モバイルノートPCとして実用になる最低限は十分クリアしているといえる。大画面のIPS液晶を備えていることを考えると、なかなかの健闘ぶりだ。設定次第でより長時間の駆動も可能なほか、オプションのシート型バッテリーを装着すれば、厚さと重さが増すのと引き替えに、モバイルシーンでも余裕を持って使えるだろう。

 動作音については、低負荷時は静音だが、マルチスレッドでCPUに高い負荷が連続してかかる状況では大きな音がする。3Dゲームなどで高負荷をかけると底面の右側を中心に少し熱を持ち、キーボードのEnterキーの辺りがほんのり温かくなってくる。もっとも、ゲームなどをしなければほとんど気にならない。フットプリントが大きいぶん、VAIO SA/SBよりは放熱設計に余裕が感じられる。

暗騒音32デシベル/室温22度の環境で本体手前5センチに騒音計を設置し、動作音を測定した結果(グラフ=左)。3DMark Vantage/Performanceを実行した直後のボディ表面温度を放射温度計で測定した結果(グラフ=中央)。「VAIOの設定」では本体の放熱設定も3種類から選べる。今回は標準の「バランス」でテストした(画面=右)

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