東京・有楽町 東京国際フォーラムで、ビジネスシーン向けスマートデバイスとソリューションの展示会「スマートフォン&タブレット2012春」およびクラウドソリューションの展示会「Cloud Days Tokyo 2012」、ビッグデータ専門展示会「ビッグデータEXPO 2012春」が開催された。
スマートフォン&タブレット2012春の主テーマは「業務へのスマートデバイス積極導入」。PC系ベンダーはASUS、NEC、サードウェーブ、日本エイサー、マウスコンピューターが自社ビジネスタブレットを展示していた。
コンシューマー市場のタブレット機器はアップルのiPadかAndroid OS搭載モデルが主流だが、ビジネスシーンにおいては「社内ネットワークへアクセス手段」と「既存のシステムやアプリケーション」をそのまま流用できることからWindows 7搭載タブレットのニーズも高い。
今回出展したベンダーのWindows搭載モデルにおいても「きちんと使える」「通常のノートPCと変わらないパワフルな処理性能」といったキャッチコピーが並び、これまで社員がクライアントとして利用していたWindows ノートPC/デスクトップPCに続く、もう1つのPCのカタチとして採用する事例が増えているという。
また、iOSやAndroid搭載モデルも「セキュアログイン・アクセスの手段を用意するほか、クラウドサービスの利活用によりさほど大きな初期投資なしに導入できるようなソリューションも、すでに“選べる”ほど増えている」(ブース説明員)という。


ASUSはWindows 7 Professional搭載の12.1型「Eee Slate B121」とAndroid 4.0搭載の「Eee Pad TF201」を展示。WindowsタブレットはAtomクラスのCPU搭載モデルが多い中、Eee Slate B121はCore i5-470UMと4Gバイトメモリを標準搭載する。1280×800ドット表示/タッチパネル付きの12.1型ワイド液晶ディスプレイやHDMI(Mini)出力など「中身は高性能PC」とする特長で、法人への採用例が増えているという

7型Androidタブレット、NEC「LifeTouch B」とエイサー「ICONIA TAB A100」。LifeTouch Bは防水・薄型ながらバッテリー交換・予備持参なども想定したビジネス向けモデル。個人向けタブレットと異なり、ビジネスシーンで求められる(Android標準機能に追加する)ネットワーク機能の強化、不正利用・紛失対策といったセキュリティ機能を標準搭載する点と、サーバや管理・業務ソフトウェア、保守なども含めたソリューションとして提供できるNECとしての強みを特長とする
サードウェーブの法人向けWindowsタブレット「Erdes PAD NT1」(HDMI+有線LAN+USB×2付きクレードル込みで7万140円)。OSは64ビット版Windows 7 Professional(SP1)、4Gバイトメモリ、64GバイトSSD、1280×800ドット表示の10.1型ワイドIPS液晶ディスプレイを搭載する。CPUにAMDの「Z01」(1GHz/デュアルコア)を採用し「Atom Z系CPU搭載モデルよりレスポンスは上々」(説明員)とのこと
マウスコンピューターのWindowsタブレット「LuvPad WN101P」。こちらもOSはビジネスシーン向けのWindows 7 Professional(SP1)を採用する。メモリは2Gバイト、ストレージは32GバイトSSD、ディスプレイは1024×600ドット表示の10.1型ワイド、CPUはAtom Z670(1.5GHz)を採用する

Androidタブレット「nextbook」シリーズやiPad向け手書きペン入力機器を展開するMVPenテクノロジーズ。9.7型とiPadと同サイズのIPSディスプレイを搭載する「nextbook M10005HC」。CPUはCortex-A8/1GHz、解像度は1024×768ドット、11n無線LAN、4Gバイトストレージ、512Mメモリ、Android 4.0搭載で予価2万円ほどという。同社はAndroidタブを用いたサイネージ商品(写真=中央)のカスタマイズ販売も行っている。同社直販サイトなどで、7型/Android 2.3/Cortex-A8「nextbook M726HC」を9480円と、かなり割安に販売する期間限定キャンペーンも行っているスマートデバイスの普及により、Windows以外のOSを搭載するデバイスからのアクセス・利用をいかに安全に社内でも使えるよう環境を整えるのか──も昨今重視されるテーマだ。
機器単体としては、Windowsモデルはビジネスシーン向けとするWindows 7 Professionalの採用、AndroidモデルはAndroid標準のVPN機能(PPTP VPN・L2TP VPN・L2TP/IPSec PSK VPNー事前共有共有鍵方式・L2TP/IPSec CRT VPNー証明書方式)に加え、IPSec-VPN、SSL-VPNをサポートする「LifeTouch B」(NEC)などのビジネス向け暗号化通信機能搭載モデルなどが存在する。
そもそもOSに依存せずに展開しやすいクラウドサービスも、クライアント側でのスマートデバイス対応が急速に進んでいる。“データの共有・ストア・表示シーンであれば”といったライトな利用シーンから、業務アプリケーションや社内ネットワークと連携して活用する高度なシステムまで、各社がサービスを展開する。
また、ソリューションとしてサービスと端末をセットで導入するシーンもあるが、私物スマートデバイスを持ち込んで業務に活用する「BYOD(Bring Your Own Devices)」への感心も高まっている。端末の個体識別情報も認証情報として利用し、ユーザーIDにひも付いたスマートデバイスでのみアクセスできる仕組みを手軽に導入できるスマートデバイス向け認証強化システム「SHieldMobile」(富士通SSL)や、既存の企業PC向けセキュリティ(ウイルスバスター コーポレートエディション)にスマートデバイス(Android、iOS、Windows Phone/Mobile、Black Berry OS)のセキュリティ対策+リモート管理・ワイプ機能をアドオン感覚で追加可能な「Trend Micro Mobile Security」を紹介するトレンドマイクロなど、BYOD対応とうたうサービスも今後の業務シーン導入にあたって考慮すべきポイントのようだ。
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