iPhone 4SとiPad 2以降では、「AirPlayミラーリング」が利用可能だ。今まで紹介してきた手段はアプリごとに配信を指示していたが、AirPlayミラーリングを使えば、表示中のホーム画面と同じものをそのままテレビに映し出せる。要するにほぼすべてのアプリがテレビで見れてしまうということ。
用途としては、会議室にあるテレビにApple TVを据え付けて、ウェブページや資料をみんなで見ながら議論するのに便利そうだ。筆者的には、ニコニコ動画/ニコニコ生放送のアプリを視聴できるのにグッと来た。両者とも日本ローカルで伸びてるサービスのせいか、Apple TVの標準としては用意されていない。AirPlayミラーリングでホーム画面を配信し、各アプリを立ち上げれば音声付きで視聴可能だ。
一部のアプリでは、AirPlayミラーリングの利用時に、テレビとiPhone/iPadで別々の画面を映し出せる。例えば、ゲームをする際にテレビにプレイ画面、手元のiPhone/iPadに操作ボタンを表示するという感じ。
もっとも、まだ対応アプリの数が少なく、ゲームが中心なので、正直そこまで「めちゃめちゃ便利だ!」と実感できるわけではない。今後は、複数画面があると作業効率がアップする、ビジネス系アプリのサポートが増えると状況が変わっていくかもしれない。
というわけで、5つの利用方法を紹介してきた。筆者は初代からこれまで、すべてのApple TVを買ってきているが、頻繁に使うようになったのはここ2年ほどだったりする。
きっかけは、2010年11月に登場したiOS 4.2で「AirPlay」をサポートしたこと。iPhoneやiPadに入れておいたコンテンツをApple TVに流せるようになってから、利用シーンがぐっと増えた。例えば、何人かで写真を見る場合、iPhoneの画面よりはるかに大きいテレビのほうが向いているし、YouTubeのHD動画もテレビに飛ばしたほうが細部まで見える。
しかも、AirPlayの使い方はとても簡単。人はどんなに便利だと分かっていても、少しでも面倒くさければ数回試しただけで習慣にはならない。しかしApple TVはあまりに気軽なので、「別にiPhoneの小さな画面で音も内蔵スピーカーでいいか」という気持ちが、「せっかくだからテレビで……」に変わっていった。これこそ「過去に戻れない」の感覚だ。
さらに今夏にリリース予定の次期OS X「Mountain Lion」では、AirPlayミラーリングがサポートされる予定。アップル製品に囲まれて(囲われて?)いて、動画や写真をよくテレビで見るなら、ますますApple TVの出番が増えるはずだ。
最後に1つだけ補足。今回リモコンを使わないApple TV活用法を紹介したが、Apple TVのソフトウェアをアップデートする際に必要になる(最新バージョンが配布されると、起動後にアップデートするかどうかを選ぶダイアログが現れて、iPhoneやiPadから操作できなくなる)。リモコンはなくさないように保管しておくべし!!
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