PCケースベンダーのLian-Liでは、COMPUTEX TAIPEI 2012の開催前から動画共有サイトで話題となっていた「蒸気機関車」型PCケースを展示していた。
「PC-CK101 2012 Special Edition」と名づけたこのPCケースは、Mini-ITXフォームファクタのマザーボードに対応する。サイズは185(幅)×258(高さ)×515(奥行き)ミリで、スリムタイプの光学ドライブ用ベイと3.5インチベイ、2.5インチベイをそれぞれ1基ずつ用意する。また、ケースファンとして12センチ径ファンを1基搭載できるほか、本体に2基のUSB 3.0を備える。
展示しているのは、コンセプトモデルではなく、出荷用の製品版だが、価格は未定という。なお、走行可能なモデルも用意しており、ブースでは煙突から蒸気を吐きながらレールを往復していたが、このレールもオプションで購入できるとLian-Liでは説明している。
COMPUTEX TAIPEIでは、PCパーツベンダーが製品のオーバークロック性能を訴求するために、ブースでオーバークロックイベントを行うケースも多い。COMPUTEX TAIPEI 2012でも、EVGAやGALAXY Microsystemsがイベントを行い、世界トップクラスの実績を持ち、世界中のオーバークロッカーに知られている「Duck」氏が日本から参加した。
6月8日にGALAXY Microsystemsのブースで行ったオーバークロックイベントでは、Duck氏と香港オーバークロックチームが合同で、GALAXY Microsystemsが発表したばかりのオーバークロック向け“白基板”グラフィックスカードで、GeForce GTX 680を搭載する最上位モデル「GF PGTX680-OC/2GD5 DUAL FAN」を4枚使った4-way SLI構成と、6コアのXeon X5680を2基載せた、「マルチGPU&マルチCPU」におけるオーバークロックに挑戦した。
液体窒素を用いるオーバークロック設定においては、GPUやCPUごとの温度特性が異なるため、最も速く動作する温度域も異なり、冷却時における温度制御が難しくなる。それだけに、今回のようなマルチGPUとマルチCPUの構成では温度コントロールが困難を極めるが、Duck氏をはじめとする連合チームは、何度となく発生するコールドバグを乗り越え、4-way SLIの環境にもかかわらず、3DMark 11で「P67574」のスコアを達成した。


世界トップクラスが認める日本のオーバークロッカー「Duck」氏(写真=左)。GALAXY Microsystemsのブースで行ったオーバークロックイベントでは、香港のチームと合同でオーバークロックに挑んだ(写真=中央、右)

オーバークロックを施すシステムは、4-way SLIとCPU2基の構成だ(写真=左)。GPUとCPUの数が増えると、オーバークロックで最も重要になる温度の制御が困難になるため、その難易度は想像以上の高い(写真=中央)。グラフィックスカードの後端には香港のチームが独自に解析した電圧設定用ディップスイッチを取りつけいた(写真=右)
今回測定できた3DMark 11のスコアは「P67574」だった。4-way SLIという困難な状況における結果だが、Duck氏は、「GALAXYのグラフィックスカードが持つ性能が十分に試せたので、その成果はあったと思う」と評価した

戦いすんだGF PGTX680-OC/2GD5とDuck氏をはじめとするオーバークロックチーム。「国際合同チームでこれだけのチューニングができたことも、ある意味成果といえますね」とDuck氏は語っている
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