続いてWindows 7環境下でベンチマークテストを行った。11インチ/13インチの両モデルにBootCampで64ビット版Windows 7 Home Premiumをインストールし、アップルのWindows Supportを導入している(BootCampドライバのバージョンは4.0 Build 4326。ただし、比較した旧機種のドライバは統一していないので注意してほしい)。
Windowsエクスペリエンスインデックスの結果は以下の通りで、サブスコアが11インチモデルと13インチモデルでまったく同じになった。その中でプライマリハードディスクのスコアがともに7.9と最高点を記録しており、高速なSSDを採用していることがうかがえる。全体的なスコアはIvy Bridge世代のUltarbookと比べても遜色なく、Windows 7環境でも快適に操作できそうだ。
総合系ベンチマークテストのPCMark Vantageは、新型11/13インチMacBook Airが旧型を大きく上回った。HDDスコアを見れば分かるように、基本システムの性能アップ以上に、SSDの性能差が全体のスコアに大きく影響している。ここでもCore 2世代の11インチMacBook Airとは3倍以上の差を見せつけた。
一方、PCMark 7の結果を見ると、11インチモデルが13インチモデルをわずかに上回っており、オフィスソフトなど実際的な処理では性能差がほとんどないことが分かる。11インチと13インチのどちらを選ぶかは、画面サイズと解像度、本体重量のバランス、バッテリー駆動時間、それにSDメモリーカードスロットの有無だけで、パフォーマンス面はあまり考慮しなくていいかもしれない。
なお、CrystalDiskMarkでSSDの性能を調べたところ、新型MacBook Airに搭載されているSSDは、旧型に比べて大幅に高速化されており、特に13インチモデルはシーケンシャルの読み込み/書き込みの両方で400Mバイト/秒を超えた。基本システムの強化以上に、ストレージ面での性能向上を喜ぶ人も多いだろう。
グラフィックス性能を測る3DMark06、3DMark Vantage、3DMark 11のスコアは、Intel HD Graphics 4000に進化し、旧型に比べて順当に性能が向上しているとはいえ、CPU統合グラフィックスなりの結果におさまった。試しに実施したストリートファイターIVベンチマークのスコアも、低負荷(1280×720ドット)で11インチモデルが9765、13インチモデルが9997と、かろうじて60fps前後という結果。モンスターハンターフロンティア ベンチマーク【絆】(1280×720ドット)は、11インチモデルが2707、13インチモデルが2846と、負荷の軽い古めのタイトルならかろうじて動く程度で、本格的な3Dゲームには向いていない。
以上、11インチMacBook Airの上位モデル(MD224J/A)と13インチMacBook Airの上位モデル(MD232J/A)を見てきた。旧モデルに比べてSSDの性能向上は特筆できるが、システムパフォーマンス全体で見ると、1年前に投入された旧モデルから乗り換える魅力があるかどうかは微妙だ。
確かにIvy Bridge世代に移行したことでパフォーマンスは向上しているものの、モバイルPCに求められる性能としては、Sandy BrigeのMacBook Airでも十分過ぎるというのが正直なところ。特にMacBook Pro Retinaディスプレイモデルの登場によって、今後MacBook Airでもディスプレイの高画素密度化が進むと考えるなら、なおさらいま買い換えるべき積極的な理由は見当たらない。
一方、2010年発売のCore 2搭載モデルを使っているユーザーは、新型MacBook Airへの乗り換えを検討するよいタイミングといえる。見た目はほとんど変わらないながら、数世代前のアーキテクチャを採用する旧機種とは別物といってよく(しかもキーボードバックライト付き)、高速なSSDやUSB 3.0の採用とあわせて、数ランク上の快適さを体感できるはずだ。
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