「VAIO Duo 11」徹底検証(前編)――“スライダーハイブリッドPC”は新時代を告げるWindows 8×タブレット×Ultrabook×デジタイザペン(4/5 ページ)

» 2012年10月02日 11時45分 公開

Ultrabookに準拠した基本スペック、メモリは独自仕様

 主な仕様はUltrabookに準拠し、インテルの第3世代Coreプロセッサー・ファミリー(開発コード名:Ivy Bridge)をベースとしている。搭載するCPUは、TDP(熱設計電力)の値が17ワットと通常電圧版(35ワットもしくは45ワット)より低い「U」シリーズだ。

 店頭モデルのSVD11219CJBは、CPUに2コア4スレッド対応のCore i5-3317U(1.7GHz/最大2.6GHz/3Mバイト3次キャッシュ)、チップセットに1チップ構成のIntel HM76 Express、メモリに4GバイトのDDR3L-1600 SDRAM(2Gバイトオンボード+2Gバイト×1、専用スロット)、ストレージに128GバイトのSSD(Serial ATA 6Gbps、フルサイズのmSATA)、グラフィックス機能にCPU内蔵のIntel HD Graphics 4000を用いる。Ivy Bridge世代のUltrabookとしては不満のないスペックだ。

 なお、メモリスロットは専用タイプを採用しており、ユーザーが交換することはできない。ソニーのモバイルノートPCとしては、VAIO Zも専用のメモリを使っていたが、VAIO Duo 11のメモリはこれと異なる。

CPU-Zの情報表示画面。店頭モデルはCPUにCore i5-3317U(1.7GHz/最大2.6GHz/3Mバイト3次キャッシュ)を搭載(画面=左)。メモリはデュアルチャンネル動作の4GバイトDDR3L-1600 SDRAM(画面=中央)、グラフィックス機能はCPU内蔵のIntel HD Graphics 4000だ(画面=右)

 一方、直販モデルのSVD1121AJは、購入時に基本スペックを選択することが可能だ。VAIO Duo 11は基本的に内部の拡張性がないため、ハイスペックを求める場合は、初から直販モデルで上位のパーツを選んで購入する必要がある。

 直販モデルでは店頭モデルのスペックに加えて、CPUはCore i7-3667U(2.0GHz/最大3.2GHz/4Mバイト3次キャッシュ)、Core i7-3517U(1.9GHz/最大3.0GHz/4Mバイト3次キャッシュ)、Core i3-3217U(1.8GHz/3Mバイト3次キャッシュ)、DDR3L-1600 SDRAMメモリは8Gバイト(オンボード4Gバイト+4Gバイト)、6Gバイト(オンボード2Gバイト+4Gバイト)、2Gバイト(オンボード2Gバイト+空きスロット×1)、SSDは256Gバイト/64Gバイトから選べる。

 今回入手した直販モデルは、2コア4スレッド対応のCore i7-3667U(2.0GHz/最大3.2GHz/4Mバイト3次キャッシュ)、8Gバイトメモリ、256GバイトSSDという最上位の構成だった。

CPU-Zの情報表示画面。今回入手した直販モデルのハイスペック構成では、CPUにCore i7-3667U(2.0GHz/最大3.2GHz/4Mバイト3次キャッシュ)を搭載していた(画面=左)。メモリはデュアルチャンネル動作の8GバイトDDR3L-1600 SDRAMを装備(画面=中央)。グラフィックス機能はこちらもCPUに統合されたIntel HD Graphics 4000を用いる(画面=右)

 11.6型ワイド液晶ディスプレイは、10点対応の静電容量式タッチパネルを内蔵していることに加えて、256段階の筆圧検知に対応した付属の電磁誘導式デジタイザスタイラスによるペン入力も行える(ペン自体は電磁誘導式のものを使っているが、電磁誘導で電力供給をしておらず、電波でペンの座標を認識しているため、正確には電磁誘導で駆動しているわけではない/2012年10月31日17時追記)。視野角が広いIPSパネルを採用し、解像度1920×1080ドットのフルHDに対応するなど、ハイスペックな仕上がりだ。

 キーボードモードで利用するアイソレーションキーボードは、照度センサーと連動して周囲が暗いと自動的に点灯するバックライトを内蔵(バックライトの設定は変更可能)。キーピッチは約18ミリ、キーストロークは約1.2ミリを確保する。光学式の小型ポインティングデバイス「Optical TrackPad」が用意されているのはうれしい。

 音声面ではステレオスピーカーを内蔵し、高音質化技術のCLEAR PHASE、xLOUD、Dolby Home Theater v4に対応。デジタルノイズキャンセリングヘッドフォンも付属し、ヘッドフォン使用時は高音質化技術のS-Masterを利用できる。

 なお、液晶ディスプレイやキーボードの詳しい評価は次回に行う予定だ。

11.6型ワイド液晶ディスプレイは、解像度1920×1080ドットのフルHDに対応し、視野角が広いIPSパネルを採用する(写真=左)。10点対応の静電容量式タッチパネルに加えて、256段階の筆圧検知に対応したデジタイザスタイラスが付属し、ペン入力も行える(写真=中央)。デジタイザスタイラスは硬さの違うペン先を2種類用意する(写真=右)

アイソレーションキーボードは、約18ミリのキーピッチ、約1.2ミリのキーストロークを確保(写真=左)。こちらの写真は、直販モデルで選択できる日本語カナなしキーボードだ。変則的なキー配列はなく、入力時のたわみもないので、なかなか打ちやすい。キーボードバックライトも内蔵している(写真=中央)。デジタルノイズキャンセリングヘッドフォンも付属する(写真=右)

インタフェースは妥協なし、新たにNFCも内蔵

底面(タブレットモードでは裏面)にNFCとリアカメラを内蔵している

 店頭モデルは通信機能として、IEEE802.11b/g/nの無線LAN、1000BASE-Tの有線LAN、IEEE802.16e-2005のWiMAX、Bluetooth 4.0を標準搭載。さらに、VAIOノートでは初めてNFC(Near Field Communication)を装備しているのがポイントだ。

 NFCは本体の底面(タブレットモードでは裏面)に内蔵され、対応機器とのワイヤレス接続を簡易化するワンタッチ機能が利用できるようになる。後日提供を予定しているソニーのメディアアプリケーションをダウンロードし、ワンタッチ機能に対応したアップデートを実行することで、NFC搭載のXperiaスマートフォンをVAIO Duo 11にかざすことにより、ワイヤレス接続が行われ、スマートフォンで再生中の音楽や静止画をVAIO Duo 11から楽しめる。

 インタフェース類は、右側面に2基のUSB 3.0(1基は電源オフ時の給電対応)とHDMI 1.4a出力、左側面にアナログRGB出力とメモリースティックデュオ/SDメモリーカード共用スロット、ヘッドフォン出力を備える。有線LANとACアダプタ接続用のDC入力は背面だ。余白のないアナログRGB出力や開閉式の有線LANポートを採用することで、薄型の本体とUltrabookとしての高い拡張性を両立しているのは見逃せない。

 液晶ディスプレイの上部と底面(タブレットモードでは裏面)には、"Exmor for PC" CMOSセンサー採用の有効207万画素フルHD Webカメラを内蔵。GPS、加速度、照度、地磁気、ジャイロといったタブレットには欠かせないセンサー類も内蔵する。

 なお、直販モデルは、WiMAX、TPMセキュリティチップ、ノイズキャンセリングヘッドフォン、GPS、底面カメラの有無も選べる。また、液晶ディスプレイ部の左側面に任意のメッセージを刻印できる「メッセージ刻印サービス」にも対応する。

前面の右端にインジケータを配置(写真=左)。背面には有線LAN、ACアダプタ接続用のDC入力、通風口を配置している(写真=右)

左側面にメモリカードスロット、アナログRGB出力、ヘッドフォン出力を装備(写真=左)。右側面にはUSB 3.0×2(1基は電源オフ時の給電対応)、HDMI 1.4a出力、電源ボタンが並ぶ(写真=右)

有線LANとアナログRGB出力を利用する場合、底面のツメを起こして後部を浮かせることで、ケーブルを設置面と干渉することなく接続できる(写真=左/中央)。底面の左手前には、音量−/+ボタン、画面回転ロックボタン、ASSISTボタン(VAIO Careを起動)を備えている(写真=右)

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