VAIO Duo 11の基板部は複数のボードが組み合わされており、それぞれネジを外すことで分離できる。基板部の中央にはCPUクーラーのファンが内蔵され、背面の中央付近から排気する仕組みだ。
基板部は主に、CPU、チップセット、オンボードメモリ、PCI Express Miniカードスロット、2基のUSB 3.0ポートを備えた「メインボード」、独自のフォームファクタを用いた「メモリモジュール」、mSATAの「SSDモジュール」、PCI Express Miniカードスロットと有線LANを搭載した「サブボード」、メモリースティック デュオ/SDメモリーカード共用スロットとヘッドフォン出力を実装したもう1つの「サブボード」、その他のインタフェースを提供するパーツ群から構成される。
この内部レイアウトの意図について、浅見氏は「まずはタブレットモードでのいろいろな持ち方を考慮し、一番触れる機会が少ない背面の中央付近に排気口とファンを配置することを優先した。縦位置で持っても排気が直接当たらないよう、排気口は背面の中央部から少しずらして配置している。そこが確定すれば、ヒートシンクの近くで効率的に冷やしたいCPUは中央に置き、その近くにチップセットとメモリ、そしてSSDや側面の端子類と、おのずと最適な場所が決まる」との説明だ。
とはいえ、パーツの配置は一筋縄ではいかなかった。VAIO Duo 11は独特のスライド機構を採用する関係で、左右の端に大きくヒンジ部の搭載場所を確保しており、基板部のスペースがかなり削られている。
また、金森氏が「VAIOはモバイルノートPCでもコネクティビティ(接続性)に一切の妥協をしない」と語るように、アナログRGB出力や有線LAN、メモリカードスロットといった11型クラスのUltrabookでは省かれることが多いインタフェースも網羅することに決めたため、標準的なモバイルノートPCより狭い範囲に多くを実装し、しかも薄く仕上げるという難題に挑むことになったのだ。
実際、VAIO Duo 11のインタフェース構成は充実しており、右側面に2基のUSB 3.0(1基は電源オフ時の給電対応)とHDMI 1.4a出力、左側面にアナログRGB出力とメモリースティックデュオ/SDメモリーカード共用スロット、ヘッドフォン出力、背面には有線LANとACアダプタ接続用のDC入力を備える。
目新しいところでは、VAIOノートで初めてNFC(Near Field Communication)を採用した。金森氏は「NFCは機器接続のためのペアリング方式として期待している。今後もVAIOとしては積極的に展開していきたい」という。
通信機能はIEEE802.11b/g/nの無線LAN、1000BASE-Tの有線LAN、IEEE802.16e-2005のWiMAX、Bluetooth 4.0を標準搭載する(直販モデルではIEEE802.11a/b/g/nの無線LAN、WiMAX非搭載の構成も選択可能)。モバイルルータやテザリングなどのトレンドも考慮し、今回はLTEなどのワイヤレスWANモジュールを海外向けモデルも含め、用意していないとのことだ。
さらに液晶ディスプレイの上部と底面(タブレットモードでは裏面)には、"Exmor for PC" CMOSセンサー採用の有効207万画素フルHD Webカメラを搭載。GPS、加速度、照度、地磁気、ジャイロといったタブレットには欠かせないセンサー類も内蔵する。直販モデルは、TPMセキュリティチップの追加や、GPS、底面カメラの有無も選択可能だ。
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