今回入手したVOMモデルの「SVD1122AJ」は、新色のシルバーに加えて、スペックも最強の構成だ。CPUはCore i7-3687U(2.1GHz/最大3.3GHz)、メモリは8Gバイト(オンボード4Gバイト+モジュール4Gバイト/PC3L-12800)、SSDは512Gバイトを搭載している。デバイスマネージャでSSDの型番を確認したところ、Samsungの「MZMTD512HAGL」とあった。
この構成でのソニーストア直販価格は22万4800円だ(Officeなしの場合)。512GバイトSSDを積んだほぼフル装備なのでさすがに高額だが、VAIO Duo 11のVOMモデルはキャンペーン中につき9万9800円から購入できる。実際に買うときは必要なスペックを絞り込んでいけば、出費をグッと抑えることも可能だ(価格はすべて2013年1月29日11時現在)。


CPU-Zの情報表示。VOMモデルではCPUを4種類から選択可能だ。評価機はCore i7-3687Uを搭載していた(画像=左/中央)。基本動作クロックは2.1GHzだが、高負荷時には最大3.3GHzまで上昇する。デュアルコアCPUでHyper-Threadingにより、4スレッドの同時実行が可能だ。メモリは低電圧駆動のDDR3L-1600を採用し、2Gバイトから8Gバイトまで選択が可能だ。4Gバイト以上はデュアルチャンネルアクセスに対応する。評価機はオンボードの4Gバイトに、4GバイトのPC3L-12800 SO-DIMMを装着した合計8Gバイトの構成だ(画像=右)。メモリ容量が4Gバイトでシングルチャンネルの製品も多い最近のUltrabookの中にあって、パフォーマンス志向の強さが目立つそれでは、2013年春モデルのスペック強化をベンチマークテストで確認してみよう。比較対象は2012年秋冬モデルのVOMモデル「SVD1121AJ」だ。CPUはCore i7-3667U(2.0GHz/最大3.2GHz)、メモリは8Gバイト、SSDは256Gバイト(TOSHIBA THNSNS256GMCP)と、これまでの最上位構成となっている。
まずはWindowsエクスペリエンスインデックスを実行した。グラフィックスが0.2向上したが、そのほかに変化はない。かなりおおざっぱなテストなので、想定の範囲内だ。
次はSSDの性能について、CrystalDiskMark 3.0.2(ひよひよ氏・作)で測定した結果を見てみよう。こちらは2012年秋冬モデルのSVD1121AJと比べて、シーケンシャルリードでは少し上回るが、シーケンシャルライトやランダム512Kは少し劣っている。ランダム4Kはほぼ互角だ。
このSSDのライト性能が影響したのか、PCMark 7のSystem Storage Suitesでは2012年秋冬モデルのSVD1121AJがわずかに勝っており、総合スコア(PCMarks)やほかの項目でも同様の傾向が多くみられた。一方、3DMark Vantageや3DMark06といった3D描画系、ゲームベースのテストでは順当に最新モデルのSVD1122AJが従来機を上回った。
バッテリー駆動時間は、海人氏のBBench 1.01を利用して測定した。設定は、無線LANで常時接続し、Bluetooth、NFCなど無線LAN以外の通信機能はオフに設定、電源プランは「バランス」(バッテリー駆動時のディスプレイの輝度は40%)を利用した。BBenchの設定は「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」を選択、WebブラウザはInternet Explorer 10を指定し、タブブラウズはオフにしている。
この条件でのテスト結果は、満充電から残量5%で休止状態に移行するまで5時間37分だった。2012年秋冬モデルのSVD1121AJとはテスト条件が異なるので比較はできないが、それよりも長く、モバイルノートPCとして十分実用的な駆動時間を実現している。
今回は小手調べということで、通常の性能検証を行なってきたが、スペックなりの性能向上を果たしている。無論、Ultrabookとしてはトップクラスのパフォーマンスだ。今回テストしたSVD1122AJは、SSDのライト性能が若干低下しているのが惜しいが、512Gバイトの容量を確保したmSATA SSDは種類が限られているので仕方がない。
なお、冒頭でも少し触れたが、VAIO Duo 11ではcTDPの活用により、設定次第でさらにパフォーマンスを上げることが可能という。この辺りは、おいおい検証していきたい。
・→VAIO Duo 11ロードテスト(2):「VAIO Duo 11」のパフォーマンスを極限まで引き出す設定とは?
2013年PC春モデル:シルバーボディや512GバイトSSDを選べるようになった11.6型ハイブリッドPC――「VAIO Duo 11」
2013年PC春モデル:新色のDuo 11、15.5型フルHD液晶のUltrabook、Office 2013も――ソニー「VAIO」春モデル
完全分解×開発秘話(後編):「VAIO Duo 11」を“徹底解剖”して語り尽くす
完全分解×開発秘話(前編):「VAIO Duo 11」の“上質なスライドボディ”を丸裸にする
いよいよエントリー販売開始:「VAIO Duo 11」徹底検証(後編)――変形ボディに秘められた真の実力とは?
Windows 8 “+α”の魅力に迫る:「VAIO Duo 11」徹底検証(中編)――11.6型フルHDのIPS液晶と筆圧検知ペンを味わう
Windows 8×タブレット×Ultrabook×デジタイザペン:「VAIO Duo 11」徹底検証(前編)――“スライダーハイブリッドPC”は新時代を告げる
2012年PC秋冬モデル:Windows 8に最適化したタブレット/ノートのハイブリッドPC――「VAIO Duo 11」
2012年PC秋冬モデル:新シリーズの“Duo 11”と“Tap 20”でWindows 8を推進――ソニー「VAIO」秋冬モデル
2012年PC秋冬モデル:「Windows 8とタッチで市場をけん引する」――2012年「VAIO」秋冬モデル発表会
直販モデルは4万9800円から:タッチ対応で“さらにできるようになった”13.3型Ultrabook――「VAIO Tシリーズ13」実力診断
2012年PC秋冬モデル:“テーブルトップ”PC登場、家族で楽しむ新基軸スタイル──「VAIO Tap 20」
2012年PC秋冬モデル:光学ドライブ付きの14型モデルやタッチパネル液晶モデルも登場――「VAIO T」
2012年PC秋冬モデル:新色“レッド”が映えるオールインワンモバイル――「VAIO S」
2012年PC秋冬モデル:Windows 8+タッチパネル搭載機を追加した主力ノート――「VAIO E」
2012年PC秋冬モデル:タッチ対応モデルが増えた“BRAVIA”な液晶一体型PC───「VAIO L」Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.