待望の“万能タイプ”――モバイルWi-Fiルーター「L-03E」徹底レビュー(1/3 ページ)

» 2013年03月07日 09時30分 公開
[島田純,ITmedia]
photo 大容量3600mAhのバッテリーで長時間動作を実現

 LGエレクトロニクス製「L-03E」は、ドコモの2012年冬モデルでは唯一となるモバイルWi-Fiルーター。最大の特長は何といっても連続通信時間がXiで12時間、FOMAで13時間というバッテリーの持ち。現在国内で発売済みのモバイルWi-Fiルーターの中でも、連続通信時間は最長となる。

 従来、Xi対応のモバイルWi-Fiルーターはサイズが大きかったり、サイズはコンパクトである一方で連続通信時間が短かったり、あるいは重かったりと、他社のモバイルWi-Fiルーターと比べて端末の完成度はいまひとつだった。だが、L-03Eは前モデル「L-04D」の縦横のサイズはそのままに、バッテリーが大きくなった分厚くなったのみで、Xi通信時の連続通信時間12時間を実現している。さらに、ジョグキーを搭載することで使い勝手が改善され、下り最大100Mbpsや公衆無線LANもサポートするなど、スペックも向上しており、まさにXi対応モバイルWi-Fiルーターの「本命」と言える存在だ。そんなL-03Eの通信性能や新機能をレビューしていく。

Xi対応モバイルWi-Fiルーターのスペック比較
機種名 L-03E L-04D BF-01D L-09C
発売時期 2013年1月 2012年6月 2012年3月 2011年6月
最大通信速度 [Xi]
下り:100Mbps
上り:37.5Mbps
[FOMA]
下り:14.4Mbps
上り:5.7Mpbs
[Xi]
下り:75Mbps
上り:25Mbps
[FOMA]
下り:14.4Mbps
上り:5.7Mbps
[Xi]
下り:75Mbps
上り:25Mbps
[FOMA]
下り:14.4Mbps
上り:5.7Mbps
[Xi]
下り:75Mbps
上り:25Mbps
[FOMA]
下り:7.2Mbps
上り:5.7Mbps
バッテリー容量 3600mAh 1650mAh 1880mAh 2700mAh
連続通信時間 Xi:12時間
FOMA:13時間
Xi:4時間
FOMA:5時間
Xi:4時間
FOMA:5.5時間
Xi:6時間
FOMA:8時間
クレードル対応
公衆無線LAN対応 ○(docomo Wi-Fi自動ログインも可能)
USBモデムとしての利用
スマートフォンへの給電
通信方式 LTE/W-CDMA/GSM LTE/W-CDMA LTE/W-CDMA LTE/W-CDMA
サイズ(幅×高さ×厚さ) 約60×90×19.5ミリ 約62×90×12.6(最厚部約12.9)ミリ 約68×108×21.4ミリ 約64×122×15.9ミリ
重さ 約145グラム 89グラム 193グラム 約156グラム

ジョグキーでさまざまな操作が可能に

 慣れるまでは操作がやや難しいが、初搭載となったジョグキーによって、L-03Eからさまざまな操作が可能になった。

ジョグキーで可能な操作

  1. キーロックの設定/解除
  2. Wi-Fiのオン/オフ切替
  3. 公衆無線LAN接続のオン/オフ切替
  4. WPSを有効化
  5. PINロック解除
  6. 公衆無線LANのセキュリティーキー入力
  7. 各種設定変更
  8. SSID/キー表示

 この中でもありがたいのが、SSID/キーの表示がL-03E本体から操作できること。初期設定や接続する端末の追加の際に、ルーターの管理画面などにアクセスしたり、バッテリーを抜いて端末の裏側を確認する必要がなく、電源を入れたまま簡単にSSID/キー情報を確認できる。また、ジョグキーの操作はジョグキーを押し込むことなく、上下左右にスライドさせるように動かすことで操作しやすくなる。

 ドコモ向けのLG製のモバイルWi-Fiルーターは、従来から本体にディスプレイを搭載しており、通信状態、データ通信量、バッテリー残量を確認できた。L-03Eでは公衆無線LAN接続、SSID/セキュリティーキー、充電中のステータス表示、バッテリ残量低下のアラートなどもディスプレイに状態が表示される。

photophoto 電源を入れたままの状態でSSID/キーを表示できる(写真=左)。Xi接続時:NTTドコモのロゴが表示される(写真=右)

待望の公衆無線LAN対応だが……

photo docomo Wi-Fiエリアではログインが必要になる(※ID/パスワードを記憶させることは可能だが、エリア内で自動ログインはできない)

 LG製のXi対応モバイルWi-Fiルーターとしては、初めて公衆無線LANに対応しており、WAN側を公衆無線LANに切り替えて、より高速な通信を利用できる。ただし「BF-01D」では対応しているdocomo Wi-Fiの自動ログインには対応しておらず、docomo Wi-Fiのエリアではログイン操作をしないと通信できない。

 L-03Eが公衆無線LANに対応しているのは便利だが、接続設定を「公衆無線LAN優先」にしていると、docomo Wi-Fiエリアで自動的に接続された状態となるものの、docomo Wi-Fiエリアではログインが終わるまで通信ができないため「おや? 通信がつながらないぞ?」と、戸惑うことがあった。

 現在は公衆無線LANへの接続を通常時は無効にしており、docomo Wi-Fiを利用できること分かるエリアでのみ、端末のジョグキーで公衆無線LANを手動で有効にして利用している。L-03Eでは携帯電話会社などが提供する公衆無線LANサービスのほかに、自宅のWi-Fiルーター(固定回線)にも接続できる。

photo L-03Eを自宅の無線LANに接続させた
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