「VAIO Fit 11A」のペン入力、画質、音質をじっくりチェックするVAIO Fit 11Aをもっと知りたい(使い勝手編)(4/4 ページ)

» 2014年03月06日 12時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
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ペンの魅力を高める「VAIO Inspiration Suite」

 ペンと組み合わせるアプリ環境も充実している。中でも実用性で特筆できるのが、VAIOオリジナルの「VAIO Inspiration Suite」だ。ペンを活用した発想の支援をテーマにしたアプリ群で、「VAIO Scan」「VAIO Clip」「VAIO Paper」という3つのWindowsストアアプリで構成されている。

「VAIO Inspiration Suite」は、ペンを活用した発想の支援をテーマにしたアプリ群で、「VAIO Scan」「VAIO Clip」「VAIO Paper」という3つのWindowsストアアプリで構成されている

 従来の「CamScanner」に代わってSuite入りした「VAIO Scan」は、内蔵カメラを使って素材を取り込むスキャンツールだ。台形補正や画質補正などの便利な機能があり、書類や名刺などを簡単できれいに取り込むことができ、日本語OCR機能も搭載している。

スキャナツールは従来の「CamScanner」から「VAIO Scan」へとリニューアルした。内蔵カメラによるゆがみ補正撮影や分割撮影などの機能を搭載する
VAIO ScanはOCR機能も搭載。部分ごとにその場で修正することが可能になるなど、従来のCamScannerより使い勝手が向上している
取り込んだ素材はそのままVAIO Paperへ送ることができる。OCRで読み取った情報はそのまま付加情報として保持される

 また、「VAIO Clip」はペン対応の画面クリッピングツールで、キーボードのCtrl+F1キーやペンの下ボタンからも起動できる。ペンを活用したエッジ検出機能が特徴で、除外したい(あるいは追加したい)部分をペンでなぞって選択することにより、微妙な輪郭も手軽に選択することが可能だ。

ペン対応の画面クリッピングツール「VAIO Clip」。ペンを活用したエッジ検出機能が特徴で、ペンで大まかになぞると自動的に境界線を検知し、微妙な輪郭も手軽に選択できる

 「VAIO Paper」は、シンプルな手書き対応のノートアプリだ。手書きメモ、テキストだけでなく写真の貼り付け、音声メモの保存もできる。十字に展開する独特のツールパレットが特徴だ。ペンの上ボタンを押していると消しゴムツール、下ボタンを押していると選択ツールとして使える点が使いやすさを増している。

 VAIO ScanやVAIO Clipで取り込み、加工したコンテンツは、VAIO Paperに簡単な手順で送ることができる。VAIO Fit 11Aの2in1である利点、ペンによる手書きができる利点を生かせるプラットフォームとして、実によくできている印象だ。

 ただし、VAIO Fit 11AはVAIO Fit 13Aに比べて、レスポンスが遅れる場面も見られるので、ビジネスで本格的に活用したいならば、VAIO Fit 13Aやスライドボディの13.3型2in1デバイスである「VAIO Duo 13」を検討したい。

「VAIO Paper」は、手書き対応のノートアプリ。独特の十字型ツールパレットが特徴で、ペンによる手書き入力のほか、キーボードによる文字入力、写真/画像ファイルの取り込み、音声メモの貼り付けなどができる。ペンの下ボタンを押していると選択ツール、上ボタンを押していると消しゴムツールが使えるため、十字メニューを展開する手間が省けて便利だ

 VAIO Fit 11Aはフォトレタッチソフトの「Adobe Photoshop Elements 12」も付属している(VOMモデルにも付属し、省くことができない)。2014年春のアップデートにより、Photoshop Elements 12をはじめ、プロ用のPhotoshop CCとIllustrator CCがVAIOのペンを使った筆圧検知に対応する予定だ。クリエイティブユースで活用したい場合、このアップデートは見逃せない。

 また、独自の検索用デスクトップアプリ「VAIOタッチサーチ」も備えている。ペンやタッチで画面上に書き込んだ文字を認識し、Webページ、インストール済みのアプリ、ローカルフォルダ、写真や音楽ファイルを1度に検索できるデスクトップアプリだ。

店頭モデル、VOMモデルともに標準で「Adobe Photoshop Elements 12」がプリインストールされており、今後はペンの筆圧検知も対応する予定だ(画像=左)。ソニー独自の画像管理ソフト「PlayMemories Home」は、コンテンツの表示/整理のほか、画像/映像の補正、ショートムービーの作成などが行なえる(画像=右)
プリインストールの「VAIOタッチサーチ」。フィールドに検索したいキーワードを指やペンで手書きすると、VAIOの中から該当するアプリやコンテンツを見つけて表示する。さらにWeb検索も可能だ

まとめ:VAIOならではの魅力が味わえるコンパクトで求めやすい2in1

 2013年夏以降にリリースされた現行世代のVAIOシリーズ(VAIO Pro 11/13、VAIO Duo 13、VAIO Fit Aなど)は、液晶ディスプレイやサウンド、キーボードなど、スペック表を見ただけでは分からない部分までクオリティが高く、購入したユーザーの満足感も高いと思われる。

 このよさを受け継いだ2in1のエントリーモデルとなるVAIO Fit 11Aも完成度は高い。第4世代Core搭載の上位機種と比較した場合、CPUパフォーマンスと密接に関わる部分では譲る部分もあるが、手ごろなサイズと2in1+ペンの使い勝手、そして求めやすい価格をうまくバランスさせている。

 ソニーストアで購入できるVAIOオーナーメード(VOM)モデルは、9万7800円(税込)と10万円を切る価格から購入でき、Pentium N3520(2.166GHz/最大2.42GHz)、8Gバイトメモリ、256GバイトSSDを搭載したハイスペックな構成でも13万6800円(税込)におさまる。

 ソニーとして発売されるVAIOノートは2014年春モデルが最後になるが、Webならびに電話による技術サポート、修理対応は販売終了後も継続される(VOMモデルの標準保証は3年間)。コンパクトで扱いやすいノートPC/2in1を探しているならば、ぜひ検討してもらいたい製品だ。

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