米Microsoftは5月29日(現地時間)、PC向け「Windows 10」の最新プレビュー版である「Windows 10 Insider Preview Build 10130」を公開した。前バージョン「Build 10122」の公開から9日後の更新となる。
Windows Insider Programに登録してWindows 10 Insider Preview(旧称:Technical Preview)を試用しているユーザーであれば、Windows Updateの更新メニューを「高速(Fast)」に設定することで、Windows Updateからアップデートが可能だ。ISOファイルはBuild 10122から更新されていない。
Build 10130の主な変更点は以下の通り。
「設定」アプリから「パーソナル設定」→「スタート」と進むことで、スタートメニューのカスタマイズが可能だ。デスクトップで全画面表示の「スタート画面」を利用する設定が行える。また、Build 10122でスタートメニューの電源ボタン上部に表示されていた「設定」と「エクスプローラー」のリスト部分もカスタマイズできる。
Microsoftの製品全体で統一感があるルック&フィールを実現すべく、アイコンのデザインを洗練させた。以前のBuildではモバイルOSのトレンドであるフラットデザインのアイコンを採り入れたが、平たん過ぎてリッチさに欠くとのフィードバックを受け、デスクトップの3D風アイコンとのバランスを取った造形にしている。従来のAeroスタイルから現在のアイコンまで、数千の再デザインを繰り返してきたという。
タスクバー上にあるジャンプリストをWindows 10の新しいユーザーインタフェースに合うよう洗練させた。ファイルエクスプローラーでアイコンを右クリックすれば、タスクバーへのピン止めができ、ジャンプリストの更新を確認できる。タスクバーについては、ファイル移動やダウンロード時の新しいアニメーションが追加されている。
タブレットモードにおいて、Windows 8.1の対応アプリでできたのと同じように、上端からスワイプ操作することで、新規作成や最新情報に更新といったアプリ用コマンドを開けるようになった。多くのフィードバックを受けての改善という。
Windows 10の新しいモダンな標準Webブラウザ「Microsoft Edge」(開発コード名:Project Spartan)も改良された。
Cortana(音声対応パーソナルアシスタント)、お気に入り、リーディングリスト、そしてほかの枠もピン止めが行える。より高度な印刷オプションも導入した。リーディングビューは、異なるコンテンツやウィンドウサイズ、Surface Pro 3の縦位置表示のようなデバイスのレイアウトをサポートするよう改良している。YouTubeやHuluといったネット動画のフルスクリーン表示にも対応した。
Microsoftは1カ月前に仮想デスクトップに2つのタスクバー設定を導入した。1つはすべてのデスクトップのウィンドウを表示するグローバルタスクバー、もう1つは現在のデスクトップのウィンドウのみ表示するようフィルターされたタスクバーだ。
どちらのタスクバーが使いやすいのか、Windows Insider Program参加者の評価を受け付けたところ、フィルターされたタスクバーの満足度が高いという結果が得られたため、今回からデフォルト設定となった。設定アプリにある仮想デスクトップのメニューから、グローバルタスクバーに切り替えることも可能だ。
Windowsキーと「C」キーの同時押しでCortanaの音声認識機能を起動できるようになった。
アプリから「印刷」メニューを選択し、プリンタとして「Microsoft Print to PDF」を指定することで、PDFファイルが作成できる。
MoviesにTVといったアプリで動画の全画面表示が可能になった。
そのほかBuild 10130には既知の問題として、メールアプリのメモリエラーによるクラッシュ、タスクバーからスタートやアクションセンターなどの立ち上げが失敗すること(何回か再試行すると成功する)、Wi-Fi接続が失敗すること(復帰には再起動が必要)が挙げられている。
同社は公式ブログにおいて、まだ多くの作業が必要だが、今夏のWindows 10一般公開に向け、バグの修正作業はよい進捗にあると述べている。
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