真の中立性を保っている点が強み――「Android」「MeeGo」との競争に自信を見せるLiMo:Mobile World Congress 2010(2/2 ページ)

» 2010年02月24日 20時06分 公開
[末岡洋子,ITmedia]
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他プラットフォームに対するLiMoの優位性は

ITmedia MeeGoとbadaが発表されましたが、激化するプラットフォーム間の競争をどう見ていますか? 他のプラットフォームに対するLiMoの優位性はどういった点になるのでしょうか。

シキアー氏 まず、市場に健全な競争があるということは素晴らしいことです。

 MeeGoはモバイルLinuxにとって興味深い動きです。ですが、NokiaとIntelはすでに協力関係にあり、MeeGoはネットブックとMIDで「Moblin」と「Maemo」の2つの取り組みを合体させるものといえます。MeeGoの登場により、モバイル業界で“すぐ何かが変わる”わけではないとみています。

 badaは、これまでプロプライエタリだったSamsungのOSのAPIを公開するというものです。SamsungはLiMo端末も開発しており、同社のポートフォリオの中でLiMoはハイエンド端末に採用されています。Samsungはスマートフォンを幅広いユーザー層に向けて拡大する戦略で、badaはそれを担うミッドレンジ向けプラットフォームだと理解しています。LiMoは拡張性のある柔軟なプラットフォームであり、Samsungはひき続き、ミッドレンジでもLiMoを採用すると思います。

 Limoの優位性は、独立した中立性のある組織という点です。MeeGoはNokiaとIntelが提供するプラットフォームで、MeeGoアプリケーションはNokiaのアプリケーションストア「Ovi Store」で配信されます。OviはNokiaのサービスと結びついているので、MeeGoを使うのをためらうOEMは多いと思います。オープンソースといいますが、技術がオープンであってもフリーであるとはかぎりませんし、競争にオープンであるともかぎりません。

 Androidも同じです。技術はオープンでも競争にオープンではありません。AndroidはGoogleのプラットフォームで、エコシステムは閉鎖されています。OHA(Open Handset Alliance)は実際にはアライアンスではなく、Googleとメンバーのマーケティング用語に過ぎません。結局のところ、プラットフォームをコントロールしているのはGoogleなので、通信オペレーターやメーカーは短期的な製品戦略しか立てられず、長期的な企業戦略からみるとリスクが多いプラットフォームです。

 実際、GoogleはOHAメンバーと競合する端末「Nexus One」を出しており、米Motorolaの「Droid」は、その影響を受けたかもしれません。MotorolaはAndroidを採用して製造コストを抑え、その代わりにマーケティングに多額を投じたのですが、1カ月半後にGoogleがHTCと開発したNexus Oneを発表し、発売したわけですから。

 このように、Android、OHA、Nexus Oneという一連の動きは、顧客を囲いたいというGoogleのビジネス上の意図を示しています。Googleにとっては良いことでしょうが、業界全体の視点でみると、中立性のある代替案が必要になります。Androidはまた、分断化の可能性もあります。これは今後問題になってくるのではないでしょうか。

困難な複数プラットフォームへの対応は、Webアプリケーションが解決

ITmedia 開発者向けの取り組みを教えてください。

シキアー氏 開発者向けの施策は、2010年の大きなフォーカスの1つです。

 LiMoのプラットフォーム戦略はネイティブアプリケーションとネイティブではないランタイムの両方をサポートし、開発者に選択肢とツールを提供することです。Adobeの参加によりFlashが加わり、Webアプリケーションの「Bondi」にも対応しています。今年はR2とR3向けのSDKを提供し、サードパーティ開発者がアプリケーションを開発できるようにします。

 LiMoは中立の組織として、参加企業が開発者をひきつけられるようなプログラムを展開します。SDKはその1つです。われわれは開発者に向けた直接の窓口として、開発者向けサイト「Limo Developer Connection」を用意しており、ここを通じて開発者向けの情報やリソースを提供しています。このサイトはまだソフトローンチの段階で、今後コンテンツを拡充して中央のハブとしての機能を持たせ、メンバー企業をサポートしていきます。

ITmedia 新しいプラットフォーム次々と登場し、開発者がその対応に頭を悩ませています。

シキアー氏 Web技術が1つの解決策になるとみています。ネイティブアプリケーションでは、個別のプラットフォーム対応に限界があります。AppleはApp StoreとiPhone SDK、GoogleはAndroid MarketplaceとAndroid SDK、NokiaはOvi StoreとQtといったようにプラットフォームが乱立しており、これが開発者の障害となっています。さらに、多数のアプリケーションの登場で、メーカーはユーザーにアプリを発見してもらうことすら難しくなっており、開発コストの回収が難しくなっています。

 最近では携帯向けウィジェット規格「BONDI」のような標準化に向けた取り組みが出てきており、アプリ開発は今後、Webアプリケーションでさまざまなプラットフォームに対応していくというのがトレンドになると予想します。実際、ウィジェットやWeb技術の新しい収益モデルが出てきています。

 LiMoは、モバイルアプリケーションの開発、配信、収益化に幅広い変革が必要だと考えます。業界はまだそこに合意していないようですが、将来的に必要になるでしょう。その鍵を握るのは、選択肢とオープン性――オープンな標準をサポートすることです。例えば多くのWebブラウザがHTML5への対応を表明しており、これはよい兆候だと思います。

ITmedia LiMoが携帯電話以外の種類の端末に搭載される可能性はありますか?

シキアー氏 LiMoはコミュニケーションプラットフォームとして開発されてきたので、現在は携帯電話に採用されています。しかし、スマートフォンが進化していけば、そこでLiMoが動くことになるでしょう。

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