米Appleが10月4日(現地時間)、同社の本社で開催した報道関係者向けイベント「Let's talk iPhone」で、iPhoneの最新モデル「iPhone 4S」を発表した。日本でも10月14日に発売予定だ。通信事業者はソフトバンクモバイルとKDDIが選べる。
ラインアップは16Gバイト版、32Gバイト版、64Gバイト版の3種で、ボディカラーはBlackとWhiteを用意する。2年契約時の米国での販売価格は、16Gバイト版が199ドル、32Gバイト版が299ドル、64Gバイト版が399ドル。iPhone 4の8Gバイトモデルも99ドルで販売する。日本での販売価格はまだ正式に発表されていないが、近日中にソフトバンクモバイルとKDDIから発表があるだろう。
ディスプレイは3.5インチの960×640ピクセル表示に対応したRetinaディスプレイで、外観・サイズはほぼiPhone 4と同じ。しかしCPUやベースバンドモデム、カメラなど、主要なハードウェアスペックが一新されており、大幅な性能向上を果たしている。
CPUはApple独自のデュアルコアプロセッサ「A5」を搭載。iPhone 4のA4と比べて、処理速度が最大2倍速い。またグラフィックスコアもデュアルになり、その性能は約7倍高速だという。データ通信はW-CDMA(HSDPA)とCDMAの両方に対応。W-CDMAは下り最大14.4Mbps、上り最大5.8Mbpsでの高速通信が可能だ。CDMAは、CDMA2000 1x EV-DO Rev.Aに対応しており、 下り最大3.1Mbps、上り最大1.8Mbpsでの通信が行える。
カメラは裏面照射型CMOSセンサーの解像度が500万画素から800万画素に向上。写真のサイズは最大で3264×2448ピクセルとなり、より精細な写真が撮影可能になった。処理速度も約33%高速化している。画像処理エンジンも独自に強化しており、新たに顔認識をサポート。ホワイトバランスの精度も向上させた。カメラは約1.1秒で起動し、0.5秒間隔でシャッターが切れる。動画は1080pのフルHD解像度で撮影でき、動画撮影時の手ブレ補正機能も備える。
HDMIケーブルやAirPlayを利用して、画面を大きなテレビなどに映し出すMirroringもサポートした。
バッテリー駆動時間は3Gの連続通話で8時間、2Gの連続通話で最大14時間を実現。3Gでのデータ通信(Webブラウズ)は最大6時間、Wi-Fiでのデータ通信(Webブラウズ)は最大10時間となっている。性能が大幅に向上しているにもかかわらず消費電力は同等か減っているケースが多いようで、iPhone 4と比べてみると、3Gでの通話時間が延びているのが分かる。一方Wi-Fiデータ通信の時間は若干減少している。
iPhone 4SとiPhone 4のバッテリー駆動時間と比較すると以下のようになる。
iPhone 4S | iPhone 4 | |
---|---|---|
3G通話時間 | 最大8時間 | 最大7時間 |
2G通話時間 | 最大14時間 | 最大14時間 |
3Gデータ通信 | 最大6時間 | 最大6時間 |
Wi-Fiデータ通信 | 最大9時間 | 最大10時間 |
ビデオ再生 | 最大10時間 | 最大10時間 |
オーディオ再生 | 最大40時間 | 最大40時間 |
外形寸法は58.6(幅)×115.2(高さ)×9.3(厚さ)ミリ、重量は140グラム。OSはiOS 5を採用しており、強化されたさまざまな機能が購入時から利用可能だ。
Appleが買収した、音声認識と発声により、会話でユーザーをアシストする秘書アプリ「Siri」の機能もβ版として搭載される。ただしこれは米国、英国、豪州の英語とフランス語、ドイツ語のみをサポートしており、日本語では当面利用できない。
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