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» 2012年02月29日 23時47分 UPDATE

インフラはKDDIが提供:ローソン、無料の無線LANサービス「LAWSON Wi-Fi」を全国9000店舗で提供

“マチのほっとステーション”から“マチの情報ステーション”へ――。ローソンはKDDIと事業提供し、スマホユーザー向けに無線LANサービスを提供する。Ponta会員なら、「けいおん!」などの独自コンテンツも入手できる。

[平賀洋一,ITmedia]
photo 「LAWSON Wi-Fi」を示すマーク

 ローソンとKDDIは2月29日、スマートフォンの普及に対応した共同事業についての業務提携に合意したことを発表した。

 KDDIは1月末から、一部のローソン店舗に公衆無線LANサービスの「au Wi-Fi SPOT」を設置してトライアルサービスを提供してきたが、3月1日からは全国47都道府県の約9000店に拡大する。

 一方ローソンは、3月末から独自の無線LANサービス「LAWSON Wi-Fi」を開始する。スタート時は約6000の店舗が対応し、4月末までに全9000店舗に広げる方針。LAWSON Wi-Fiは、ポイントサービス「Ponta」の会員限定で提供するもので、専用アプリを介してAndroid端末にネット接続サービスを提供。アプリでは、ユーザーにマッチしたおすすめ情報やお得なクーポン、限定のデジタルコンテンツなども配信。スマホユーザーが喜ぶ付加価値を提供することで、ローソンを“マチのほっとステーション”から“マチの情報ステーション”へ進化させたいとする。

photophotophoto リニューアルしたAndroid版のローソンアプリ(写真=左)。3月下旬からLAWSON Wi-Fiへの接続機能が提供される。「auスマートパス」にローソンのお試しクーポンを配信(写真=中央)。音楽ECサイト「HMV for LISMO!」をauスマートフォン向けに最適化(写真=右)

 LAWSON Wi-Fiの入手できる独自コンテンツのなかでも、最も“強力”と言えそうなのが、「けいおん!」のARアプリ企画。これは5月に実施する予定の企画で、ローソン店内のARマーカーをローソンアプリから読み取ると、店内に平沢唯が登場する――というもの。ローソンとけいおん!のコラボ企画はこれまでも好評を博してきたため、このAR企画もかなりの話題になりそうだ。

photophoto ユーザー限定の「けいおん!」コラボ企画も予定している。会見会場にはARじゃない唯ちゃんも登場

 そのLAWSON Wi-Fiは、au Wi-Fi SPOTと同じKDDIの通信インフラを使うが、au以外のAndroidスマートフォンでも利用できる。対応端末はタブレット端末などにも広がる見込みで、初夏までにiPhoneに対応するという。また接続回数や接続時間などの制限がないのも特徴。またKDDI以外のキャリアが提供する公衆無線LANスポットにも随時対応する予定で、NTTドコモの「docomo Wi-Fi」は8月末までに約8000店舗で導入、またソフトバンクモバイルの「ソフトバンクWi-Fiスポット」も8月末までに約7000店舗で導入する。

KDDIの3M戦略を具現化する「LAWSON Wi-Fi」

 2社の業務提携はWi-Fiインフラの構築にとどまらず、コンテンツやクーポン、決済方法の提供にもおよぶ。KDDIが3月1日から提供する「auスマートパス」には、ローソングループが各種クーポンを提供。開始日には、ローソンのプライベートブランド商品の「おやつごろ」の無料クーポンを先着10万人分用意する。

photo 左から、ローソン常務執行役員エンタテイメント・ECグループCEOの加茂正治氏、ローソン副社長執行役員COO兼CVSグループCEOの玉塚元一氏、KDDI 執行役員専務コンシューマ事業本部長の石川雄三氏、KDDI 理事 新規事業統括本部 新規ビジネス本部長の雨宮俊武氏

 またローソンが運営するエンターテインメント分野のショッピングモール「LAWSON HOT STATIONエルパカ」や子会社のローソンHMVエンタテイメントが運営するCD・DVDの販売サイト「HMV for LISMO!」では、3月1日からKDDIの「auかんたん決済」を導入。購入した商品やサービスの代金が、auの携帯電話料金と一緒に支払えるようになる。

 また、HMV for LISMO!をauスマートフォン向けに最適化して提供するほか、NFCを利用した共同実験や新規事業の検討についても、協力体制を構築する。

 ローソン副社長執行役員COO兼CVSグループCEOの玉塚元一氏は、同社のスマートフォン戦略について、「オフラインとオンラインの壁を取り払う、O2O展開のための施策」と説明した。

 「国内のスマートフォンは急速に普及し、5000万台から6000万台に達する見込み。またPontaの会員は約4000万人で、ローソンの“ヘビーユーザー”が多い。増加するスマホユーザーとPonta会員を結びつけたい――というのが、今回の取り組みのスタート地点だ」(玉塚氏)

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 公衆無線LANはスマートデバイスを支える社会的インフラであり、災害時にも有用な存在として認知されている。ローソンでは各キャリアのWi-Fiスポットを順次導入する一方、独自コンテンツなどが入手できる付加価値付きのLAWSON Wi-Fiも提供。Ponta会員のスマートフォンユーザーを集客するだけでなく、ローソンが手がけるECサービスのマーケティングも展開し、O2O戦略の推進も図る。

 また今後は、Pontaそのものの活用も視野に入っている。PontaはローソンのCRMを支えるデータ基盤でもあり、売り上げの中でPonta会員の比率が高まればより精度の高いマーケティングが実現。さらに、サプライチェーンマネジメントと結びつけることで、さらにユーザーニーズに沿った商品開発が迅速に行えるようになるという。

 「現在、ローソンの売り上げに占めるPonta会員の比率は全国で約40%。東北では55%まで上がるうえ60%を超すエリアもある。これが全国で50%まで上がると、かなり(CRMの効果が)違ってくる」(玉塚氏)

 こうしたローソン側の狙いは、KDDI側の狙いとも一致していた。KDDI 執行役員専務コンシューマ事業本部長の石川雄三氏は、ローソンを業務提携先に選んだ理由について「O2O向けの具体的な価値提供ができるため」と明かす。

 「全国9000の店舗ネットワークに、KDDIが推進する3M戦略のパッケージを提供できる画期的な取り組み。ネットとリアルというお互いの強みを生かした、新しいビジネスの具現化でもある」(石川氏)

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 KDDI理事で新規事業統括本部 新規ビジネス本部長を務める雨宮俊武氏は、「ローソンは全国の47の都道府県にあるコンビニ。北は北海道の紋別から南は沖縄の糸満まで、場所はローソン、サービスはKDDIという分担で、より生活に密着したスポットを拡充したい」と意気込みを見せた。

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