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» 2012年04月26日 19時41分 UPDATE

モバイルWi-Fiルーター徹底比較(2012年春モデル編):第1回 サイズ、カバー率、スタミナ――次世代通信対応のWi-Fiルーターを横並び比較 (1/2)

LTEやWiMAXなどの高速通信が順調にエリアを広げ、「4G」の名を冠するサービスも始まった。理論値では3Gよりも速いものの、実効速度はどのくらいなのか。設定のしやすさに差はあるのか。最もお得なルーターは――そんな疑問に答えるため、5台のルーターを徹底比較。第1回は基本的なスペックをまとめた。

[小林誠,ITmedia]

 LTEやWiMAXなどの次世代通信サービスが順調にエリアを拡大し、これらに対応したモバイルWi-Fiルーターが続々と登場している。だが、料金、エリア、通信速度などの面から、どの製品を選んでいいか悩んでいる人も多いだろう。そこで、本コーナーではNTTドコモの「Xi」、ソフトバンクの「SoftBank 4G」、UQコミュニケーションズの「UQ WiMAX」、イー・モバイルの「EMOBILE LTE」、日本通信の「カメレオンSIM」を取り上げ、さまざまなポイントから比較していく。第1回は各製品の基本スペックを確認した。

基本スペックや人口カバー率を比較

photo 左上から「BF-01D」「ULTRA WiFi 4G 101SI」「Pocket WiFi LTE(GL01P)」「URoad-SS10」「b-mobile4G WiFi2」

 まず公式スペックを比較すると、携帯性の点では「URoad-SS10」と「カメレオンSIM」+「b-mobile4G WiFi2」が小さく軽いので有利だ。「Pocket WiFi LTE(GL01P)」は大容量バッテリーを生かして連続9時間の通信を実現しているが、必ずしもバッテリー容量の大きさが連続通信時間(スタミナ)に直結しているとは限らない。例えば、101SIよりバッテリーが小さい「BF-01D」の方が101SIよりも連続通信時間が長いのは、LTEとAXGPといった通信方式の違いや、電力を効率よく使う仕組みの違いが関係してそうだ。理論値での最高速度も掲載しているが、これはあくまで目安。第2回で実測テスト結果を掲載するのでそちらを確認してほしい。同時接続台数では12台のBF-01Dがトップ。他のルーターはすべて10台だ。Wi-Fi対応製品が豊富な現状では、1台でも多く接続できた方がいいだろう。また海外での使用は3Gに限られるが、BF-01DとGL01Pが対応しているのも注目だ。

基本スペック
BF-01D ULTRA WiFi 4G 101SI URoad-SS10 Pocket WiFi LTE(GL01P) b-mobile4G WiFi2
サイズ(幅×高さ×厚さ) 約68×108×23ミリ 約64×100×16.1ミリ 約90×63×11.8ミリ 約62×113×13.5ミリ 約55.3×99×11.2ミリ
重さ 約193グラム 約110グラム 約86グラム 約140グラム 約95グラム
バッテリー容量 1880mAh 2190mAh 非公表 3000mAh 2100mAh
連続通信時間 約4時間(LTE)/約5.5時間(3G) 約3.5時間 約9時間 約9時間(LTE/3G) 約5時間(LTE)/約6.5時間(3G)
連続待受時間 約30時間(無線LANオン) 約10時間(3Gオン/無線LANオフ) 約20時間(無線LANオン) 非公表 非公表
連続待機時間 非公表 約27時間(3Gオフ/無線LANオフ) 約250時間(無線LANオフ) 約200時間(無線LANオフ) 約150時間(無線LANオフ)
無線LAN通信方式 IEEE802.11/b/g/n IEEE802.11b/g/n IEEE802.11b/g/n IEEE802.11b/g/n IEEE802.11b/g/n
対応通信ネットワーク LTE/HSPA/W-CDMA AXGP/DC-HSDPA/HSPA/W-CDMA WiMAX LTE/DC-HSDPA/HSPA/W-CDMA LTE/HSPA/W-CDMA
次世代通信速度(下り) 最大75(37.5)Mbps 最大76Mbps 最大40Mbps 最大75(37.5)Mbps 最大100Mbps
(カメレオンSIMは最大75/37.5Mbps)
次世代通信速度(上り) 最大25(12.5)Mbps 最大10Mbps 最大15.4Mbps 最大25(12.5)Mbps 最大50Mbps
(カメレオンSIMは最大25/12.5Mbps)
3G通信速度(下り) 最大14Mbps 最大42Mbps 最大42Mbps(G4) 最大7.2Mbps
3G通信速度(上り) 最大5.7Mbps 最大5.7Mbps 最大5.8Mbps 最大5.76Mbps
同時接続台数 12台 10台 10台 10台 10台
充電時間(ACアダプタ時) 約4時間 約3時間 約4時間 約3.5時間 約4時間
内蔵メモリ/外部メモリ 16Gバイト/なし なし/なし なし/なし なし/microSDHC(最大32Gバイト) なし/なし
海外ローミング 対応(3G) 非対応 非対応 対応(3G) 非対応(カメレオンSIM)
BF-01D ULTRA WiFi 4G 101SI URoad-SS10 Pocket WiFi LTE(GL01P) b-mobile4G WiFi2

 都市部以外で使う場合は高速通信のサービスエリアの現状と今後の進捗状況が気になる。2011年度3月末時点での全国の人口カバー率はXiが約25%、EMOBILE LTEが約40%で、まだ全国には広がっていない。Xiは2012年度内に全国約70%、EMOBILE LTEは2012年6月に東名阪の主要都市99%をカバー、2012年度末には全国約70%をカバーする見込みだ。SoftBank 4Gは2012年度末に全国約92%、政令指定都市で約99%のカバーを目指している。ソフトバンクモバイルは現時点におけるSoftBank 4Gのカバー率は公表しておらず、現在は東名阪の都市部や、札幌市と福岡市、北九州市の一部地域をカバーしている。UQ WiMAXの人口カバー率(2011年度末)は全国で85%、東京23区、政令指定都市、47都道府県の県庁所在地では99%となり、他の次世代通信サービスをリードしている。一方、Xi、SoftBank 4G、EMOBILE LTEはエリアの広い3Gを併用できる点にも注目だ。ソフトバンクとイー・モバイルでは下り最大42Mbpsのサービスも提供されている。

次世代通信 全国の人口カバー率
Xi SoftBank 4G UQ WiMAX EMOBILE LTE カメレオンSIM
2011年度末 約25% 非公表 約85% 約40% Xiに準じる
2012年度末 約70%(予定)(2014年度末に約98%の予定) 約92%(予定) 約93%(予定) 約70%(予定) Xiに準じる

 通信サービスの対応エリアは、各社のWebサイトで公開されているので確認しておきたい。

通信サービス URL
Xi http://www.nttdocomo.co.jp/support/area/xi/
SoftBank 4G http://mb.softbank.jp/mb/service_area/4g/kanto/
UQ WiMAX http://www.uqwimax.jp/service/area/
EMOBILE LTE http://emobile.jp/area/

機能向上したXi対応ルーター、家庭内での使用にも便利――NTTドコモ「BF-01D」

photo バッファロー製の「BF-01D」

 NTTドコモではXi(LTE)に対応したモバイルWi-Fiルーター・BF-01D(バッファロー製)を使用。サイズは今回テストした中で最大で、大きめのポケットなら入るものの厚く、重さも感じるので、カバンの中に入れて持ち歩く方がいいだろう。

 Xiの通信速度は下り最大75Mbps、上り最大25Mbpsだが、これは一部の屋内のみで、他のエリアでは下り最大37.5Mbps、上り最大12.5Mbpsとなる。EMOBILE LTEやドコモの回線を使う日本通信のカメレオンSIMも同様だ。Xiは当初の東名阪から全国主要6都市に広がり、現在は全国の都道府県でも県庁周辺では使えるようになりつつある。サービスエリアを確認すると、2012年の9月末までには県庁以外の大きめの都市でも使えそうだ。もちろん、BF-01Dはすでに全国各地で使えるFOMAにも対応し、屋外で公衆無線LANの範囲内なら、公衆無線LANに接続して使うことも可能だ。その際に、ドコモ回線から自動で公衆無線LANに切り替わる。

 同梱のクレードルを使うことで、家庭の光やADSLなどブロードバンド回線の有線LANとも接続できるので、家庭用無線LANルーターの親機としても使えて便利だ。このクレードルを使うスタイルは前機種の「BF-01B」と同様だが、BF-01DにはNASと接続することで、Wi-Fiを使いNAS内の共有データにアクセスするという使い方も可能になっている。

photophoto 有線LANとも接続できるクレードルを同梱している。もちろん充電も可能

 他にも16Gバイトの内蔵メモリを備え、Podcastなどの専用コンテンツのダウンロード、オンラインアルバムへの自動写真アップロード、メディアサーバー機能を使ったテレビやPCへの動画・写真の再生などが可能だ。なお、本ルーターはもともと「BF-01C」として発表されていたが、発売が延期されて結局発売されず、その後スペックと型番が変更されるという、珍しい経緯も話題になった。

下り最大76Mbpsに対応――ソフトバンクモバイル「ULTRA WiFi 4G 101SI」

photo セイコーインスツル製の「ULTRA WiFi 4G 101SI」

 セイコーインスツル製の「ULTRA WiFi 4G 101SI」は、SoftBank 4G、ULTRA SPEED、3Gに対応しているのが特長のモバイルWi-Fiルーター。SoftBank 4Gは下り最大76Mbpsという通信速度なので、理論値だけで比較すれば他のルーターよりも速い。ただし4Gの対応エリアは「2012年度末 全国政令指定都市人口カバー率99%」を目標にしているので、サービスエリアを確認しても3月末時点で使えるのは東名阪中心に、他は北海道の札幌、九州の福岡、北九州くらいだ。ただし2012年の7月末までの予定を見ると、その周辺にも拡大する予定だ。また8月以降には全国の主要都市に広がる見込み。しばらくは4GよりもULTRA SPEEDのエリアで使うことが多いだろう。ULTRA SPEEDは大都市だけでなく、全国の中小の町でも対応しているケースが多い。4Gではないとはいえ下り最大42Mbpsというスペックを誇る。

 同梱品にはモバイルバッテリーも付属しているため、一緒に持ち歩くことで最大約9時間の連続通信が可能になる。ただし今回のテストではモバイルバッテリーは使用していない。ただ、本体のみでも連続待機時間は約27時間なので、外出先で使うときだけ電源を入れて通信をするといった方法なら1日十分持つだろう。サイズもコンパクトで、大きめのディスプレイがあり表示が分かりやすいのもよい。SoftBank 4Gエリアなら「4G」、それ以外なら「3G」という表示になるので、現在の通信環境を知る目安になる。

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