第4回 再起動はできる? 起動時間はどれくらい?――「ARROWS X F-10D」ARROWS X F-10Dの“ここ”が知りたい

» 2012年08月27日 09時34分 公開
[Sho INOUE(K-MAX),ITmedia]

 NTTドコモの富士通製スマートフォン「ARROWS X F-10D」は、クアッドコアCPU、LTE通信用チップ、ヒューマンセントリックエンジン、指紋認証センサー、温湿度センサーを搭載するなど、ハードウェア的にも、かなりの“全部入り”構成だ。PCでは、ハードウェアやソフトウェアが増えると、その初期化で起動やシャットダウン(終了)に時間がかかってしまう傾向がある。“小さなPC”と形容されることもあるスマートフォンでも、その傾向があるのだろうか。今回は、この点の検証を含めて、起動やシャットダウンに関する疑問に答えていく。

photophoto 富士通製の「ARROWS X F-10D」。ボディカラーはBlack、Blue、Whiteの3色

質問:電源を切らずに再起動できる?

 Androidスマートフォンは、自由度の高い、数多くのアプリを使えるのが特徴だ。それだけに、長時間起動していると、本来開放されるべきメモリが解放されない“メモリリーク”などが原因で動作が重たくなったり、不安定になったりすることがある。そのときは端末を再起動すると、そのような問題が解消し、調子が良くなることも少なくない。そんなとき、便利なのがメニューから本体を再起動する機能だ。ARROWS Xでは、電源ボタンを長押しすると出てくるシャットダウンメニューに、しっかりと“再起動”の項目がある。これをタップすると、「電源を切る」を選ばずに、直接再起動できる。他社端末の場合、電源を切るときと同様に再起動前に警告してくることが普通だが、ARROWS Xではタップするといきなり再起動してしまう。この点には注意しよう。

photophoto ある意味待望(?)だった“再起動”がシャットダウンメニューに追加された(写真=左)。ただし、再起動を選ぶと確認せずに再起動に入ってしまうことには要注意(写真=右)

質問:起動とシャットダウンの時間はどれくらい?

 冒頭にも書いたとおり、PCではハードウェア・ソフトウェアの構成要素が増えると、その分起動やシャットダウンに時間がかかってしまいがちだ。今夏指折りの“全部入り”なスマートフォンであるARROWS Xはどうだろうか。本機の先代に当たる「ARROWS X LTE F-05D」、同じ富士通製の今夏モデル「REGZA Phone T-02D」と比較してみた。

 OSのバージョン以外のソフトウェアの設定などは、極力そろえた上で試している。起動については、バッテリーや内部温度の計測に使っている「BatteryMix」が起動準備できるまで、シャットダウンについては、ディスプレイの表示が消えるまでをそれぞれ撮影した。なお、参考として今夏の海外メーカー端末を代表してLG電子製の「Optimus it L-05D」における同様の動画も撮影した。

ARROWS X F-10Dの起動
ARROWS X F-10Dのシャットダウン
ARROWS X LTE F-05Dの起動
ARROWS X LTE F-05Dのシャットダウン
REGZA Phone T-02Dの起動
REGZA Phone T-02Dのシャットダウン
Optimus it L-05Dの起動
Optimus it L-05Dのシャットダウン

 電源オン(バイブレーションが作動)からBatteryMix読み込み(起動完了)までは、F-10Dが約1分20秒、F-05Dが約1分30秒、T-02Dが約53秒、L-05Dが約45秒だった。

 比較すると、起動にかかる時間はF-10DとF-05Dでは大きな差はないが、T-02Dと比べると40秒近く、L-05Dと比べると45秒遅い。一方、シャットダウンは4機種で有意な差はほとんど見られず、15秒程度で終わっている。この結果から、CPUとLTE通信チップが別構成になっていることが、起動において不利に働いていると推察できるかもしれない。そんなに頻繁に電源を切ったり再起動したりしない、というのであれば、そこまで気にすることはないだろう。

 ただ、前の質問でも触れた通り、再起動は端末の調子を良くする手段の1つになり得る。これをノウハウとして頻繁に実施するとなると、この起動速度の遅さはイライラを募らせる要素の1つになり得る。T-02Dではチップ構成が違うものの、ハードウェア的に“全部入り”傾向でありながら、起動の高速化を図っている。F-10Dに関しても、ソフトウェアの更新を通して、ある程度起動速度の改善を図ってほしいところだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年