携帯電話を活用した生体認証といえば「指紋認証」や「顔認証」がおなじみだが、KDDIが新たに取り組んでいるのが、手のひらをかざして認証できる「掌紋認証」だ。指紋認証や顔認証と同じく、ホーム画面のロック解除などに用いる。
掌紋認証をするにはAndroid用アプリとアウトカメラを用い、登録した自分の掌紋データと、手のひら中心部の掌紋を照合させる。認証時にカメラで手のひらを写す際は、「キーポイント」である2つの点に、人差し指と中指の間/薬指と小指の間を合わるのがコツだ。今回のデモでは左の手のひらを認証する方法だった。
掌紋認証を用いるメリットは、指紋認証と異なり端末にセンサーを搭載する必要がなく、アプリを使うので、幅広いスマートフォンで利用可能になること。また指紋認証と同等の読み取り精度を確保できるのも、掌紋認証ならではだという。ただし端末のカメラ(オートフォーカス)性能によっては読み取り精度に差があるそうで、端末間の性能差をなくすことが課題の1つだと説明員は話していた。ブースでは「HTC J ISW13HT」で掌紋認証のデモを実施していたが、「光の加減が悪い場合や、手相が薄い女性、白い肌の女性の方は画像が白飛びしてしまってうまく認証できないことがあった」(説明員)そうだ。筆者も実際にデモを試してみたが、手のひらの正しい位置をカメラに映して素早く認証させるのは、少し慣れが必要かなと感じた。
掌紋認証を行うアプリは、KDDI研究所が10月2日からGoogle Playで無料配信している。そこで得たフィードバックをもとに、2013年3月をめどに正式版を配信するという。まずはau向けに提供し、徐々に他キャリアのスマートフォンにも対応させていきたいとのことだ。
※10/4 18:05追記
アプリの配信は当初10月2日を予定していたが、サーバの不具合により延期され、10月5日までには配信するとのこと。利用できるのはauスマートフォンの一部機種。
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