クアッドコアCPUを搭載しながら、1万9800円(5%の税込)とリーズナブルなのが、コヴィアの販売する「FleaPhone CP-F03a」だ。ディスプレイも4.5インチと、この価格帯にしては大きい。特徴的なのが、2枚のSIMカードを挿せる「デュアルSIM」仕様になっていることだ。2つのSIMカードを挿しておけば、両方を切り替えながら使える。先日アップデートされたファームウェアでは、通知から呼び出せるボタンでSIMカードの切り替えが簡単になった。
2枚のSIMカードが挿せるため、1枚のSIMカードは音声専用に、もう1枚のSIMカードはデータ通信専用にといった使い分けができる。現在利用中の音声通話用のSIMカードをそのままこの端末に移し、データ通信は新たに契約した格安SIMで行うなど、さまざまな組み合わせが考えられそうだ。
ただしコヴィアによると、2枚のSIMカードはどちらか一方のみでしか通信ができず、同時に通信は行えないという。1枚目のSIMカードを音声通話に、2枚目のSIMカードをデータ通信にした場合、1をオンにしておくとデータ通信が不可となるため、メールなどの自動受信ができない。逆に、2をオンにしておくと音声の発着信ができなくなる。こうした問題を解決するため、同社では一定の間隔でSIMカードを自動的に切り替えるアプリを開発しているそうだ。これを適用すれば、音声通話のみのSIMカードを有効にしておいたままでも、一定間隔でメールなどは自動で受信できる。能動的にデータ通信を使いたいときだけ、データ通信側にSIMカードに切り替えればいいというわけだ。
プラスワン・マーケティングが販売する「Freetel FT132A」という端末も、デュアルSIMに対応している。ただし、こちらは3Gと2GのデュアルSIM仕様で、海外で国際ローミングしつつ、現地のSIMカードで通話やデータ通信を行うというのが主な用途となる。FleaPhone CP-F03aとは用途が異なるため、注意しておきたい。
Freetel FT132Aの価格は1万2800円(5%の税込)で、ここで紹介したSIMフリー端末の中では最安だ。ディスプレイは3.5インチとコンパクトで、CPUもクロック数が1GHzと、機能では最新のスマートフォンに見劣りするが、この価格で買えるのが何よりのメリットだ。ディスプレイが小さい反面、ボディもコンパクトなので持ちやすい。
このようにSIMフリー端末の選択肢は確実に広がっているが、その反面、現時点では回線契約を伴わずに購入できる端末がある程度限られていることも事実だ。例えば、どうしてもGALAXYやXperiaのようなブランドを指名買いしたいと思っても、SIMフリーで端末だけを気軽に手に入れる手段がない。
ただし、正規販売にこだわらなければ、格安SIMで使える端末を入手する方法はほかにもある。前回解説したように、格安SIMとして知られるMVNOの多くはドコモから回線を借りているので、SIMカードもドコモと共通だ。次回は、この仕組みを活用して端末を購入、利用する方法を紹介していきたい。
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