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» 2014年09月10日 18時33分 UPDATE

片手で使える?:2つのiPhoneをどう選ぶ?――「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」に触れてみた

米国で9月9日に発表された2つのiPhone。イベントで「iPhone 6」と「iPhone 6 Plus」に触れてきたので、ファーストインプレッションをお届けしよう。

[神尾寿,ITmedia]

 Appleは9月9日(現地時間)、米カリフォルニア州クパチーノのフリントセンターで開催したプレスイベントで、iPhoneの新モデル「iPhone 6」「iPhone Plus」を発表した。既報のとおり、今回の“新型iPhone”はディスプレイサイズ別に2種類のモデルに分化し、4.7型が「iPhone 6」、より大型の5.5型が「iPhone 6 Plus」となった。

 筆者はフリントセンターで開かれたプレスイベントに参加。現地のハンズオンで、iPhone 6とiPhone 6 Plusにいち早く触れる機会を得た。ふたつの新型iPhoneはどのような進化を遂げたのか。まずはファーストインプレッションをお届けしたい。

photophoto 「iPhone 6」と「iPhone 6 Plus」

持ちやすく、そして美しさが凝縮した「iPhone 6」

 まずは正統進化の「iPhone 6」を見てみよう。

 iPhone 6のサイズは、67(幅)×138.1(高さ)×6.9(奥行き)ミリ。新たに4.7型ディスプレイを搭載したことで、先代の「iPhone 5s」よりも高さが14.3ミリ、横幅は8.4ミリ拡大したが、一方で0.7ミリほど薄くなっている。数あるスマートフォンの中ではコンパクト路線を貫いていたiPhoneであるが、ここ最近のワイド&スリムの流れを受けて大型化をした。

photophoto 4.7型のiPhone 6

 しかし実際に手に取ってみると、数字ほどボディが拡大したという印象は受けない。本体がスリム化した上に側面がなめらかに丸みを帯びたことで、iPhone 5s以上に手の中での収まりがよくなった。特に横幅に関しては、スリム化によってサイズ拡大のデメリットが軽減され、片手持ちでも無理なくフリック入力ができる。

 他方で、縦方向についてはさすがにサイズ拡大の影響は否定できず、片手持ちだと画面上部に指が届かない。しかしiPhone 6/6 Plusではホームボタンのダブルタップで画面の上半分が下に降りてくる機能が実装されており、これを用いれば片手でも無理なく利用できる。今回のサイズ拡大でいちばんの懸念が、日本で一般的な「片手持ちとフリック入力ができるか」だが、筆者が初見で試した限り、iPhone 6ならばそれは可能と断言できる。今までと変わらないスタイルで使えるという意味でも、iPhone 6はiPhone 5sの後継モデルと言えるだろう。

photophoto ボディはより丸みを帯びている(写真=左)。下部にイヤフォンジャック、通話用マイク、Lightningコネクタ、スピーカーを搭載(写真=右)
photophoto 左側面にマナースイッチとボリュームキー(写真=左)、右側面に電源キーとSIMスロットを装備(写真=右)
photophoto ホームボタンを2回タップすると、画面全体が下に降りてくる

 そして、ボディサイズ拡大における使い勝手上の不安がなくなれば、iPhone 6のそこかしこが魅力となる。大型化した4.7型ディスプレイは先代よりもコントラスト比が高くてくっきりとした見栄えであり、視認性も全体的に向上していた。また、Appleが得意とする継ぎ目のない金属加工技術は今回も健在であり、アルミニウムとステンレススチールのボディは、どの角度から眺めてもうっとりとするほどの工芸品的な美しさを持っている。iPhoneは常にスマートフォンの質感と美しさの基準を作る「メートル原器」であったが、それはiPhone 6でも健在である。

片手持ちはほぼ無理――しかし大画面のメリットも大きい「iPhone 6 Plus」

 それではiPhone 6 Plusはどうか。

 最初に見たとき、そして手にした時の印象は、「やはり大きい」というものである。それはメリットとデメリット、どちらにおいても受けた印象だ。

photophoto 5.5型のiPhone 6 Plus。片手では手に余る印象だ
photo パーツの搭載位置はiPhone 6と変わらない

 まずメリットは、画面サイズ拡大による見やすさ・使いやすさの向上だ。大きな画面でのブラウザ利用は使いやすく、メールや写真など基本アプリはiPhone 6 PlusにあわせてUIの拡張を行っている。写真や映像コンテンツの鑑賞、地図の利用、その他さまざまなところで、大画面化の恩恵があるのは間違いない。「より多くの情報をより使いやすく」というニーズに対しては、iPhone 6 Plusの大きさは好意的な要素となるだろう。

photophoto iPhone 6 Plusでは、横画面に適したレイアウトも用意されている

 しかしその一方で、大型化による使い勝手の変化、デメリットも少なからずある。その最たるものが「片手持ち利用にはまったく適さない」ということだろう。

 ハンズオンコーナーではiPhone 6 Plusを片手持ちで使おうといろいろ工夫してみたのだが、やはりそれは難しかった。このサイズになると片手でバランスよく持つことが難しく、文字入力はフリック入力、QWERTYキーボードによるローマ字入力ともにほぼ無理である。iPhone 6 Plusを“iPhoneっぽい”片手持ち&フリック入力で使おうとするのは無理である。

 では、iPhone 6 Plusをファブレットっぽく両手持ちに持ち替えてみたらどうか。これだと手の中にしっかりと収まり、全体的にスリムで側面が丸みを帯びていることもあって持ちやすい。このままフリック入力も利用できるが、より使いやすく感じるのはローマ字入力の方だろう。

 そして機能性からデザインの方に目を向けると、iPhone 6と同じワイド&スリムのボディに、惜しげもなくAppleの金属加工技術や実装技術が注ぎこまれていることが分かる。アルミニウムとスチールの金属ボディはとても美しくエレガント。背面パネルが大きい分、シルバーやゴールドの高級感には特筆すべきものがある。

万人向けのiPhone 6と、使い手を選ぶiPhone 6 Plus

 今回は1時間未満の限られた時間しかなかったため、iPhone 6とiPhone 6 Plusともに、その本質までしっかり踏み込んで試せたかというと、そうではない。しかし、短時間ながら触った印象を述べると、「万人向けのiPhone 6」と「使い手を選ぶiPhone 6 Plus」が現時点での評価である。日本の大多数のユーザーにとっては、iPhone 6の方が使い勝手がよいだろう。しかし、スマートフォンでいろいろなアプリやサービスを活用したり、フィーチャーフォンと組み合わせて使うといった向きには、iPhone 6 Plusのポテンシャルの高さは魅力だ。

 それぞれが、どのような魅力があるか。それは今後のレビュー記事で、しっかりと分析したいと思う。

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