くっきり画質にパノラマ機能が充実! ハイエンドな「Nexus 6」のカメラ機能をアプリと一緒に徹底チェック荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(2/2 ページ)

» 2015年01月27日 16時40分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
前のページへ 1|2       

特殊撮影機能と4K動画

 それ以外の特殊な撮影機能の話を。まず、やたらパノラマ系が充実している(まあ、Android 4.4のフォトアプリでもそうなのだが)のでそれぞれ紹介したい。パノラマにすると、こんな注意事項が最初に出てくる。

photo カメラを中心に回しなさいと指示される。理屈としてはこれが正しい

 多くのパノラマ機能はカメラを持って身体ごと回転すればOK的な言い方をするけど、きれいなパノラマを撮るにはこのようにレンズを中心に端末を回転させるのが正しいのだ。手持ちでちゃんと撮るのは大変なので目安程度に考えてもらえばいいけど、可能ならきちんと回しましょう。

 で、パノラマのパターンは4つ。まずは、普通の左右回転。iPhoneやXperiaのようにカメラを動かすと連続して撮っていってくれるのではなく、カメラを動かして「○」と「●」を合わせることで1枚ずつシャッターを切っていくという方式。

photo 画面の指示に従って方向を合わせるとその都度シャッターを切ってくれるのでむやみに動かさないこと

 で、右下の「…」をタップするとほかのパターンが現れる。こんな感じ。横方向回転、縦方向回転、9カ所撮影しての超広角、さらにたくさん撮影して魚眼風。

photophoto パノラマのバリエーションがたくさん用意されている。これは9枚撮っての超広角(写真=左)。こちらはもっとたくさん撮っての球面パノラマ(写真=右)

 9カ所撮影して超広角というのはなかなか面白い。が、一番下を見てもらうと分かるように、白鳥が動いたのでちょっとおかしなことに。ついでにいえば、この池、白鳥は2羽しかいません(笑)。9枚ならそう苦労せずに撮れるわけで、雄大な風景を狙いたい時にいい。よいアイデア。

photo 9枚撮影して合成した超広角写真

 さらに「全天球パノラマ」(Photo Sphere)。これもAndroid 4.4のフォトアプリにはすでに入っていた機能だけど、撮る手順は、こんな感じ。まず、正面にくる写真を撮影し、続いてカメラを上下左右に動かしながら「○」と「●」が重なるように撮っていく。最後の1枚を見ると分かるように、「こんな状態でうまくいくのか?」って感じである。

photophotophoto まず正面にくる写真を撮影(写真=左)。撮る順番はお好きに。まあてっぺんと真下は最後にするのが良さそう(写真=中)。最後は真上や真下も埋めて完成。これがきれいにつながるのか?(写真=右)

 でも、全体を合成するとこんな画像ができあがるのだ。

photo 全体を合成した写真。上下左右合わせて360度分ある

 うまくつなぐもんである。この写真は360度全天球が含まれている。それを平面に「正距円筒図法」(エクイレクタングラー)で展開したものだ。地球儀を平面の世界地図にするのと似たようなものと思ってよし。まあ、いろんな図法があるのだけど、この正距円筒図法が最もポピュラーな方式(例えば、リコーの「THETA」もこれだ)。で、フォトアプリで再生するとこんな感じ。

端末の傾きと映像が連動して360度すべて楽しめる。指でぐるぐる回して楽しんでもOK

 面白いでしょ。30枚以上撮影しなきゃいけないので面倒だけど。なぜこんな機能を標準装備したかというと、あれです、「ストリートビュー」。ユーザーが作った「PhotoSphere」をGoogleMap上に公開できるというサービスがあるから。パノラマ好きの人はぜひ。

 続いては「背景ぼかし」。これは文字通り背景を無理やりぼかす機能。撮影してちょっとカメラを上にずらすというのがユニークな点だ。

photo 撮った後、カメラを少し上に動かせと言われる

 カメラを上に動かすと、手前の被写体と奥の被写体の重なり方が変わる。それでどれが前景でどれが背景なのかを判断して背景がボケた画像を作っているようだ。あとからぼかし具合やフォーカス位置を変更することも可能だ。

photo ディテールがちょっとアレだけど背景ぼかしになりました

 「動画」は最高で4Kまでサポート。だが、動画撮影時の手ブレ補正はXperiaなどに比べると劣る。歩きながら動画を撮るとかなり揺れるのだ。気になるのはその辺かな。

 さて、カメラ画面の話に戻る。多くのカメラアプリは、撮った写真を再生するためのボタンがある。Googleのカメラアプリはシャッターアイコンの回りすべてがシャッターボタンで、再生はどうするのか一目では分からない。正解は、右から左へのフリック。まあ、撮った写真は右に隠れていると思えばよい。分かってしまえば簡単だ。

photophoto カメラの画面(写真=左)。右から左へ指をスライドさせると、撮影した写真が出てくる(写真=右)

フォトアプリは最強である

 再生は「フォト」アプリで。このアプリ、再生時に出る地球儀アイコンをタップすると全天球再生をしてくれるなど、撮影モードに対応している。また、編集機能が優れている。もし、自分の端末にこのフォトアプリが入っているのに使ってない、という人は(各社ともデフォルトは自社製の写真閲覧アプリだったりするし)、ぜひ使って見るべし。

 SnapSeedというフォトアプリを昔Googleが買収したのだけど、その機能がまるまる入っているのだ。おかげで最強の編集ソフトになった。

photo 編集モード。自動、切り抜き、などの右に隠れているいろんな機能に注目

 SnapSeed譲りで、ほかのフォトレタッチアプリを超えている代表的な機能を2つ。1つは「部分補正」。中心を決めてその範囲を広げることで、同系色をさっと指定し、そこだけ色を変えたり明るくしたりできるのだ。

 もう1つは「ドラマ」や「HDR風」のエフェクト。ドラマやHDR風のエフェクトが素晴らしい。

photophotophoto 部分補正(写真=左)。さまざまなエフェクトがある(写真=中)。「ドラマ」フィルタの例。こんなドラマチックなエフェクトを一発でかけられる(写真=右)

 まあ、最後はNexus 6というより、多くのAndroid機が搭載しているフォトアプリの話になっちゃったけど、このフォトアプリは素晴らしく良くできてるのでぜひ使いこなしていただきたいと思う。

 というわけで、Nexus 6のカメラ機能はシンプルで(派手なエフェクトはフォトアプリがいくらでもやってくれる)、パノラマ系機能が充実してて、画質はシャープでかなりハイクオリティと、思ったよりよいできでありました。ああ、スマホのカメラって、レベルが上がってきてるなあ、ちゃんとチューニングしているところはしてきてるなあと感心した次第。なかなかよいカメラでありました。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年