見た目以上に便利だった! iPhone 6で“ピッ”とできる「おサイフケータイジャケット」を試した「iPhone 6」ロードテスト 第5回

» 2015年01月30日 17時20分 公開
[太田百合子ITmedia]
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

iPhoneで「おサイフケータイ」を使いたい

 Androidスマートフォンから「iPhone 6」に乗り換えて、筆者がまず最初に困ったのは「戻る」キーがないこと。次に困ったのが、「おサイフケータイ」が使えないことだ。戻るキーを使わないユーザーインタフェースにはすぐに慣れたが、おサイフケータイが使えないのはかなり不便。例えばAndroidスマホ時代、筆者はちょくちょく財布を忘れて出かけてしまうことがあったが、おサイフケータイのおかげでそこまで困らなかった。おサイフケータイがあれば、モバイルSuicaを使って電車に乗れるし、東京都内ならタクシーの支払いもできる。コンビニやファストフードも大体電子マネーで支払えるし、なんなら1日おサイフケータイだけで乗り切ることも、そう難しいことではないのだ。

 単にSuicaなどのカードとスマホを別に持ち歩けばいいのだが、カードを単体でポケットに入れているとなくしそうだし、いちいちカバンから財布を取り出すのも面倒。そう考えた筆者がまず最初にたどり着いたのは、カードを収納できるiPhoneケースを使うということだった。ケースの種類が豊富なのがiPhoneのいいところだが、探してみるとカード収納型ケースもかなりの種類がある。それだけニーズがあるということだろう。今回購入したのは、トリニティの「Simplism Fabric Case with Card Pocket for iPhone 6」。ストラップが付けられるのが特徴だ

photo トリニティのiPhoneケース。Suicaの後ろに見えるのが、干渉防止のための防磁シートだ。

 カードを収納できるiPhoneケースで1つ注意が必要なのは、iPhoneとSuicaなどのICカードの間で干渉が起こりやすいということだ。改札口などで読み取りエラーになるのを防ぐには、iPhoneとカードの間に防磁シートを挟む必要がある。なお、ケースによってはこのシートが別売りになっていることもあるので、注意したい。

複数のカード機能が使えるドコモの「おサイフケータイジャケット」

 SuicaをiPhoneケースに収納して持ち歩くことで、擬似的なおサイフケータイは実現できた。しかし擬似はあくまでも擬似。例えば、おサイフケータイならアプリからいつでも確認できる残金は、残念なことに改札を通る瞬間にしか確認することができない。当然ながら、アプリからのオンラインチャージ(入金)もできないし、チャージする時はいちいちケースから取り外さなければならない。なにより、おサイフケータイならできる、複数の電子マネーやカードの併用ができない。

 と思っていたら、2014年10月、そんな筆者の不満を読み取ったように、「まさにコレ!」というデバイスがNTTドコモから発売された。パナソニックモバイルコミュニケーションズ製の「おサイフケータイジャケット01」(5400円、税込み)だ。Micro USB端子とLEDを内蔵した電源キーを搭載しており、ケース背面の穴から電源ボタンのLEDが確認できるようになっている。

 その名の通り、おサイフケータイの機能を持ったカード型のデバイスで、iPhoneとはBluetooth 4.0の省電力モードで接続する仕組み。専用アプリの「おサイフリンク」に、複数の電子マネーやカードを登録して利用できるところは、Androidスマホと同様で、まさに外付けタイプのおサイフケータイといった感じだ。

 発売されてすぐにドコモショップで購入したのだが、最初にセットアップしたときは、正直なところ「これはイマイチかな」と思った。まずカード型とはいっても、一般的なICカードに比べるとかなり分厚く、せっかくのスリムなiPhone 6が台無しになってしまう。iPhone 6向けの専用ケース(1050円、税込み)が用意されているものの、このケースも黒一色であまり格好いいとはいえない。さらに利用できるサービスも、当初はANAのチケットレスサービスとヨドバシカメラのゴールドポイントカードの2つだけ。つまり、飛行機に乗るときか、量販店で買い物するときにしか使えないわけで、常にiPhoneと一緒に携帯する必要性がない。というわけで、あっという間に使わなくなってしまった。

photophoto おサイフケータイジャケットと、専用ケース(写真=左)。装着するとおサイフケータイジャケットの厚さの分、iPhoneが分厚くなってしまう。一方で背面がラウンド形状になるので、持ち心地は悪くない(写真=右)

電子マネー「iD」のサービス開始で、華麗に現役復帰

 こうしてしばらくお蔵入りとなっていた「おサイフケータイジャケット01」と専用ケースだが、実はこのほど無事に、現役復帰を果たした。2015年1月28日から、ようやく電子マネーサービス「iD」が利用できるようになったからだ。久々にアプリを起動してみると、いつの間にかJCBの「QUICPay」もサービスを開始していて、おサイフケータイジャケットで利用できるサービスは4つになった。おサイフリンクアプリを使うと、電子マネーやポイントの残高などを確認できる。

photophoto 現在利用できるのはiD、QUICPay、ANAのSkiPサービス、ヨドバシカメラのゴールドポイントカードの4つ(写真=左)。専用アプリ「おサイフリンク」に登録して利用できる(写真=右)
photo 早速アプリにiDを登録して、コンビニで使ってみた。やはり“ピッ”と支払いできるのは快適だ
photophoto iDは本来ポストペイ型の電子マネーなので残高表示はないが、筆者はドコモの通信料金と一緒に支払える「DCMX mini」を使用しているため、このように残高を確認できる(写真=左)。ただしこれはドコモのサービスなので、SIMロックフリーモデルの場合、他社のSIMを使用している時には利用できない(写真=右)

 iDが使えるようになったことで、おサイフケータイジャケットの利用頻度が大幅にアップ。ようやくiPhoneと一緒に携帯する意味が出てきた。使ってみるとバッテリーの持ちもかなり良くて、何日も充電しなくてもまったく問題なし。仕様表には1度の充電で約2.5カ月の連続動作が可能とある。余程のことがなければ、いざ使おうと思ったら電池切れなんていう心配もないだろう。

 あとは対応する電子マネーやカードが増えてくれることを願うばかり。時期は未定ながら、今後「楽天Edy」や「ローソンモバイルPonta」も対応予定ということなので期待したい。空港にはEdyが使えるお店が多いので、ANAのチケットレスサービスとEdyがまとめて使えるようになれば、それだけで空の旅がかなり便利になるだろう。

 本音をいえば、一番利用頻度の高い「モバイルSuica」にもぜひ対応してもらいたいのだが、残念ながら今のところ公式なアナウンスは出されていない。諦めずに待ち続けたいと思う。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年