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» 2015年05月23日 06時00分 UPDATE

緊急レビュー:「Xperia Z4」は雨の日でも“Ingressのグリフハック”ができるスマホだった!

KDDIの発表会でXperia Z4のデモを見て、「これはIngressに使えるのでは?」と驚いた。それは水でぬれてもタッチパネルが正常に動作すること。さっそく実際にぬらして“グリフハック”してみた。

[すずまり,ITmedia]

 ドコモ、KDDI、ソフトバンクの3キャリアによる2015年夏モデルの新製品発表会が終了した。いずれの製品も高性能であり、高速通信に対応し、高性能なカメラを搭載している。機種変更を考えている方は、どの端末にするか悩み始めている頃だろう。万人に向けたいいものが作られているからこそ、悩みは深くなる。

 そこで、「こういう人にはこの端末のこの機能が響くのではないかー」という情報が提供できないかと考え始めた。たとえマニアックな機能でも、ほかと比べて秀でていれば、差別化につながるのではないだろうか。案外メーカー側は、それが大事な機能であると気づいていない場合も多いのだ。そんなことを考えていたとき、今期発表された「Xperia Z4(以下、Z4)」について、あることに気づいた。

 Z4は、ソニーモバイルが開発した2015年夏のフラッグシップモデルである。液晶サイズは5.2型で、厚さ約6.9ミリ、重量約144グラムと薄く軽く、美しいフォルムを持った端末だ。CPUは64ビットオクタコア、OSはAndroid 5.0。パフォーマンスはXperia Z3の約2倍に向上しているという。バッテリー容量は2930mAh、防水性能はIPX5/8、防じん性能はIP6Xとなっている。White、Black、Copper、Aqua Greenの4色がラインアップされており、NTTドコモ(SO-03G/6月中旬)、KDDI(SOV31/6月中旬)、ソフトバンク(6月中旬)の3キャリアから発売予定だ。詳しくは各キャリアの発表会レポートをご覧いただきたい。

photo 「Xperia Z4」

 KDDIの展示会場で、このZ4に関するデモを見て筆者は驚いた。最初に見たのは「Xperia Z4 Tablet」によるもの。濡らした画面に、なめらかな虹色の線が描いてあった。その場にいたスタッフは「ぬれた手で触っていることが判断できるようになりました。指が濡れていると判断したら、なぞっても線がとぎれないようになったんですよ」と説明した。筆者も試してみたところ、確かに途切れることなく線が描けた。この機能はタブレットだけでなくスマートフォンのZ4も共通とのことだ。そこでZ4でも試したら、描けるではないか。これは陣取りゲーム「Ingress」のエージェント(プレーヤーの意)が喜ぶ機能ではないかと思ったのだ。

photophoto 「Xperia Z4 Tablet」を使い、水滴がついていてもなめらかな線が描けるというデモが行われていた(写真=左)。Z4でもなめらかな線が書けているのがわかる(写真=右)

エージェントは「雨」に悩む

 すでに新聞などでも取り上げられるようになっているバーチャル陣取りゲーム「Ingress」では、ゲーム中で使用する武器などのアイテムを、陣取り対象である「ポータル」と呼ばれる場所を「ハック」することで得る。ハックとは、スキャナ(ゲームの画面の意)上で「Hack(ハック)」と書かれたボタンをタップすることだ。この「Hack(ハック)」ボタンは、対象となるポータルが半径40メートル内に入ったときのみ有効になる。Ingressはバーチャルゲームだが、奪い合うポータルは実在する場所に設定されるため、エージェントはプレイするために(アイテムを得るために)、その場まで実際に行く必要があるのだ。

photo プレイするために、現地に足を運ぶのが「Ingress」の大きな特徴

 1回タップすると、ポータルからさまざまなアイテムが飛び出してくるのだが、数にばらつきがあり、全体として数はさほど多くない。しかし増やすこともできる。それが「グリフハック」(以下、グリフ)と呼ばれるもの。「Hack(ハック)」ボタンを長押しすると、点の書かれた画面が現れる。ここに、ポータルのレベルに応じた数の問題が出題される。画面に表示された通りの図形を描けると、正解数と解答スピードに応じて、ボーナスアイテムが得られるのだ。最も高いレベル8のポータルでは、5つの図形に正解することで、高いレベルのアイテムを多数手に入れることができる。

 しかし、ここで問題となるのが「雨」である。防水端末でも、液晶に付着した雨の飛沫(しぶき)が指の滑りを悪くするため正解率が極めて低下するのだ。たとえグリフを諦めたとしても、水滴が誤動作を誘発する場合もある。雨は、いかなるときも活動したいと願うエージェントの悩みの種なのだ。

水滴がたっぷりついていてもグリフできた!

 前置きが長くなったが、虹色の落書きを見た瞬間、「これはもしや!」と思い、端末をお借りして実験してみた。

photo 実験前にスプレーで画面を水滴だらけに

 実際のグリフは、筆者の地元でお世話になっているレベル16のエージェント氏にお願いし、レベル8のポータルにて行った。実験前にスプレーでZ4の画面に水を噴霧し、雨天の状態を作り出している。

 結果は大成功! こちらがそのときの映像だ。

photo 水滴にまみれたXperia Z4 でグリフハック成功!

 動画に先立って筆者も試したが、ギシギシした摩擦感がまったくなく、指がスムーズに動いたのには驚いた。操作の過程でまれに大きめの水滴が形成されたときのみ、わずかに不安定さを感じることはあったが、ほとんど問題ないレベルだった。Ingress以外の端末操作も、水滴をつけた状態でまったく問題なく行えていた。ご協力いただいたエージェント氏にも感想を伺ったところ、「これは雨の日でも普通に使えそうだ」というコメントが得られた。

 気になるのは、液晶保護フィルムを貼った場合。端末の機能として指先の濡れを検知しても、添付したフィルムの摩擦が強ければ指の動きは鈍ってしまうだろう。端末の性能を生かせる製品があることを期待したいところだ。

総合評価としてZ4はIngressに向いていると判断!

 水はいいが、日差しはどうか? というのも外でプレーするものとしてかなり気になるところ。お借りしている間はあいにくの天候で、まばゆいまでの晴天に恵まれることはなかった。薄曇りの状態で見た感じでは、真夏にはやや暗くなりそうな印象を受けた。Z4が特別暗くなりそうというわけではなく、輝度に関してはほかの製品同様にひさしがいりそうというレベルだ。

photo 薄曇りの状態で、画面はやや暗めに感じた

 SIMカードを入れることができなかったため、Wi-Fiテザリングのみでの使用だったが、GPSの精度については、既存のAndroid端末と大きく変わらなそう。電車の中からのハックでは、画面の切り替わりに多少粘りは感じたものの、軽快に動作してくれた。全体的には天候に関わらずIngressを楽しめる端末に仕上がっているようだ。むしろ軽く、しかも雨天時の操作に強いという点で、頭1つ抜き出ているといっていいかもしれない。

photo ソニーモバイルのAndroid Wear「SmartWatch 3」も、水泳が可能なほどの防水性能を持っている。2つそろえば梅雨の活動も安心!?

 気になった点もいくつかある。アプリは単独で動かしていたが、まだ調整中のためか、輝度を最大に上げてから猛烈に動作が遅くなったり、プレイ中に背面が熱を帯びることがあった。まだ発売前の端末なので、ギリギリまで調整されることを期待したい。

 ちなみに、あの水滴デモを見なければ、Z4の隠れた魅力(?)に気づかなかった可能性は高い。Ingressは端末負荷の高いアウトドアゲームゆえ、「レスポンス」「晴天時の画面視認性」「防水性能」「バッテリー持ち」「GPS精度」の5点は特に重視される。これらをもっとアピールしていただけると、一部のスマホユーザは大いに喜ぶはずだ。

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