スマートフォンを中心にエコシステムを拡大――Huaweiの端末戦略山根康宏の中国携帯最新事情(1/2 ページ)

» 2015年05月28日 12時19分 公開
[山根康宏ITmedia]

 日本でもオンラインストアを開設し、SIMロックフリースマートフォンの販売に本腰を入れる中Huawei。同社のスマートフォン販売シェアは韓Samsung、米Appleに次ぎ世界3位まで上昇し、ライバル他社と激しく争う状況になっている。Huaweiは今後どうやってスマートフォンのシェアを上げ、事業拡大を目指していくのだろうか?

スマートフォンは146%の出荷増

 Huaweiは4月22日と23日、中国・深センの本社でアナリストや投資家向けのイベント「GLOBAL ANALYST SUMMIT 2015」を開催した。今年で12年目となる同イベントでは、前年度の事業結果の報告や本年度の活動方針などを披露。スマートフォン市場で存在感を徐々に高めている同社だが、通信インフラなどネットワーク関連の売り上げも世界トップ3に入っている。それに加えクラウドサービスなど企業向けのソリューション事業にも力を入れており、2014年の総売り上げは2882億元(約5649億円)に達している。

photo 4月22〜23日に開催されたHuaweiのGLOBAL ANALYST SUMMIT 2015

 Huaweiの売り上げ比率は、スマートフォンなどの端末を中心としたコンシューマービジネス事業が全体の26%、通信事業者向けインフラなどのキャリアビジネス事業が67%。特にコンシューマービジネス事業の売り上げは前年比32.6%増と3部門の中でも最も高い伸びを示した。そして7%とまだ比率は少ないものの、エンタープライズ事業も前年比27.3%の売り上げ増を記録している。全事業合計では前年比20.6%の売り上げ増加となった。

photo 端末などのコンシューマービジネスの売り上げは前年比32%の伸び

 コンシューマービジネス事業の中で成長が続いているのがスマートフォンで、2014年の出荷台数は7500万台と前年5200万台から大幅にアップ。年間成長率は46%となり、世界シェア3位の座を確固たるものにしつつある。2014年はブランド力や品質向上を強化した結果が成績に表れており、中でもLTE端末の伸びが大きかったとのこと。先進国のみならず新興国や途上国でもLTEへのシフトは始まっており、世界的なLTEスマートフォン需要のトレンドを逃さず製品ポートフォリオの転換を素早く行っている。

photo スマートフォン出荷台数は前年比45%増の7500万台に達した

 HuaweiのCEO 兼 取締役副会長であるエリック・シュー(Eric Xu)氏は本イベントで同社の新しいサービス戦略を発表。キャリアビジネス事業では最新の革新的製品の提供やコスト削減から、ユーザーエクスペリエンス向上や新たな価値創造へと一歩先を見据えた提案を行っていくことを明らかにした。またエンタープライズ事業は「Being Integrated」戦略の名のもとに、パートナー企業と提携し共に顧客の事業成長を目指していくという。

photo Huaweiのエリック・シュー CEO 兼取締役副会長

 そしてコンシューマービジネス事業は、個々の消費者のニーズに応じた製品を提供するだけではなく、ユーザーエクスペリエンスを高めるためにサービスをより拡張していく。例えば製品の販売は実店舗だけではなくオンラインショップも活用し、オフライン・オンライン両方から消費者へリーチ。自社製品を扱う「V MALL」はすでに中国では有力な販売チャンネルとなっており、日本でも楽天市場内に先日スタートした。また世界100カ国以上で主要都市5キロメートル圏にサービスセンターの設置を進めていく。さらにはSNSやアプリを使ったユーザーとの接点も増やしていくとのことだ。

ハイエンドやミッドレンジも好調なスマートフォン

 3事業の中で好調な伸びを示しているコンシューマービジネス事業。その現状と今後の展開については、同事業部のチーフマーケティングオフィサー グローリー・チャン(Glory Zhang)氏が説明を行った。まずスマートフォンは前述したように2014年末時点で世界シェア3位。これに対し家庭用のルーターなど「ホーム・コネクテッド・デバイス」は1位、そしてモバイルルーターなどのモバイルブロードバンドデバイスもシェア1位と、この分野ではすでに世界トップの座に位置しているのだ。日本でもいくつかの製品が販売されており、同社製品を見かける機会は増えている。

photo コンシューマービジネス部門のグローリー・チャン氏
photo スマートフォンは3位、ホームコネクテッドデバイスとモバイルブロードバンドデバイスは1位

 またスマートフォンの展開も、数年前まではどちらかといえばお手ごろ感のあるミッドレンジやエントリーレベルの端末を得意としてきた。だがここ数年はハイエンドモデルも積極的に投入し、2014年は7月に「Ascend P7」、9月に「Ascend Mate7」を発表。どちらも本体の質感を強化し、スペックを高めた同社フラッグシップモデルの2大巨頭と呼べる製品だ。この2モデルはそれぞれグローバルで600万台以上、400万台以上と合計1000万台以上が出荷されるヒットモデルとなった。また中国などで発売したミッドレンジの「Honor 6」も400万台を出荷するなど、同社のスマートフォンラインアップの中におけるハイエンドとミッドレンジモデルの割合は全体の34%に達している。これは一昨年比で707%もの大幅増だ。

photo ハイエンドやミッドレンジ製品が大きく伸びている

 この「Honor 6」や、日本でも先日発売が始まった「Honor6 Plus」などは2013年から同社が販売を始めた新たなブランド「Honor」シリーズに属するモデルだ。Honorシリーズは当初中国のオンラインストア「V MALL」向けの低価格モデルとして登場したが、現在はエントリーモデルからハイエンドまで多数の製品をそろるブランドになった。またアジア各国へも販路を広げており、実店舗での販売も始めている。Honorはメーカーが直接消費者に製品を販売し、またソーシャルサービスを利用した新たなマーケティングを展開した結果、購入者の多くが若い世代になっているという。

photo 日本でも発売された「Honor6 Plus」。Huaweiの新ブランドとして新しいユーザー層に売れている
photo ブランド認知度は65%に改善した
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