「オンラインストア」と「独自端末」が手に入る――Huaweiと楽天がタッグを組んだ理由

» 2015年05月20日 20時10分 公開
[田中聡,ITmedia]

 Huaweiが、グローバルで展開しているスマートフォン「honor」シリーズの最新モデル「honor6 Plus」を、6月中旬に日本で発売する。

 Huaweiはこれまで、日本では量販店での店頭や、MVNOが提供するSIMカードとセットでスマートフォンやタブレットを投入してきたが、honor6 Plusは、日本では初のオンラインストア「Vモール」で販売する。このVモールは、Huaweiが楽天市場に開設したもので、後述する楽天との取り組みの一環でもある。端末価格は4万5800円(税別)。

photo 「honor6 Plus」。カラーはホワイト、ゴールド、ブラック
photophoto 7型タブレットの「Media Pad T1 7.0」(写真=左)、スマートフォンから利用できる最大4Tバイトのハードディスク付きNAS「honor cube」(写真=右)も販売する。
photo 日本では初のオンラインストアとなるHuaweiの「Vモール」。従来のHuaweiスマホやウェアラブル端末なども購入できる

 今回、Huaweiがオンラインでの販売を開始した理由はどこにあるのか。ファーウェイ・ジャパン デバイス・プレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏は、2014年から約1年、SIMロックフリー端末を展開してきて、「取扱店舗数や販売チャネルが少ない」という課題が残っていると話す。そこで楽天とタッグを組み、楽天市場にVモールをオープン。「オンライン」「オフライン」という2軸で、これまで不足していた販売網を強化していく。

 Honorシリーズは、日本ではなじみのないブランドだが、世界60カ国以上で発売され、2014年度は2000万台以上を出荷した。15年度は前年の2倍となる4000万台の出荷を目標としている。Huawei コンシューマービジネスグループ honorビジネスユニット プレジデントの趙明(ジャオ・ミン)氏によると、2013年12月に立ち上げた「honor」ブランドは、若者や、年齢を問わず「フレッシュな気持ちを持ち続ける人」をターゲットにしているという。「万を持して、一番ふさわしいタイミングで、ベストなブランドの製品を日本市場に投入することができた」と喜びを語った。

photophoto Huaweiの呉波(ゴ・ハ)氏(写真=左)と趙明(ジャオ・ミン)氏(写真=右)
photo honor6 Plusが海外での評判も高いことも紹介
photo 楽天の平井氏

 このhonor6 Plusを日本で独占的に取り扱うMVNOが、「楽天モバイル」を提供するフュージョン・コミュニケーションズだ。楽天 代表取締役副社長執行役員の平井康文氏はhonor6 Plusは「格安マホと言われる端末は一線を画する、最高峰のフラッグシップ端末だ」とアピールする。

 楽天モバイルのSIMとセットで購入する場合もhonor6 Plusの価格は一括4万5800円だが、24回の分割払いも選べる。一括で購入すると4750円をキャッシュバックするほか、純正レザースマートカバーをもれなくプレゼントする。honor6 Plusは、楽天モバイルの契約ができる「楽天カフェ 渋谷公園通り店」「楽天カフェ 二子玉川ライズ S.C.店」「楽天イーグルス グッズショップ 仙台駅店」で実機を展示し、来店者が自由に体験できる。

 平井氏は実際にhonor6 Plusを使ってみて、「カメラ」「洗練されたデザイン」「高いスペックとさくさく動くソフトウェア」が魅力だと感想を話した。また同氏は、honor6 Plusの発売にあたり、呉氏をはじめとするHuaweiのメンバーと何度もミーティングを重ねたことにも触れ、2社が深い関係を構築していることがうかがえる。「楽天モバイルの斬新なイメージにぴったりな人に出演いただける」(平井氏)というCMも準備中とのことで、honor6 Plusにかける意気込みが伝わってきた。

photo Huaweiとフュージョンのメンバーでミーティングをしている様子を紹介

 楽天モバイルはZenFone 5/2やAscend Mate7、Xperia J1 Compactなど、SIMロックフリー端末を積極的に扱っている。しかしこれらの端末はほかのMVNOも扱っており、端末の中身で差別化を図るのは難しい。そんな中でhonor6 Plusを独占販売できることで、楽天モバイルならではの要素が増えたことは言うまでもない。Huaweiとしては楽天市場の“売り場”が手に入ったことで、販売チャネルを拡大できる。今回の協業は、フュージョンにとっては「独自端末」、Huaweiにとっては「オンライストア」が手に入り、両者にとってWIN-WINの取り組みになったといえる。

photo 「楽天モバイル」のWebサイトでもhonor6 Plusを大きく紹介。キャッシュバックや楽天市場で楽天スーパーポイントが2倍たまるキャンペーンも実施している

 「楽天モバイルとHuawei」の関係は、MNOだと「KDDIとHTC」「KDDIとLGエレクトロニクス」などの関係と似ている。HuaweiやASUSなどの海外メーカーがSIMフリー市場に参入してから半年〜1年がたとうとしており、端末の売れ行きも見えてきたはず。さらにSIMロック解除の義務化が始まり、SIMフリー端末が今後ますます増えていく中で、今回のような協業は今後も増えていきそうだ。honor6 Plusはあくまでグローバル端末だが、今後は日本向けにカスタマイズをした端末を独占的に扱う協業が、MVNOとSIMロックフリー端末メーカーの間でも生まれるかもしれない。

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