9月16日(日本ではおそらく17日未明)に「iOS 9」の提供が開始されるが、iPhoneやiPadをMVNOが提供する「格安SIM」で運用している人は注意が必要だ。
MVNOのSIMでは、OSをバージョンアップすることで、「これまで利用できていた機能が利用できなくなる」といった“悲劇”がたびたび起きてきたからだ。特に衝撃を与えたのが、iOS 8で「mineo」などKDDIのネットワークを利用した格安SIMが利用できなくなったことだろう。過去にも、SIMロックフリーのiPhone 4とiPad 2をiOS 7にアップデートすると、ドコモ回線のデータSIMが利用できなくなる事象が起きていた。
IIJは、Webサイトのお知らせで「現在のところ、iPhone/iPadが利用できなくなるといった深刻な問題は想定されていません。しかしながら、弊社提供のプロファイルやアプリケーションの再インストール(バージョンアップ)が必要となる可能性がありますので、iOS 9へのアップデートをご検討中のお客様は、9月17日以降に弊社から発表いたしますお知らせをお読みいただいた上で行っていただきますようお願いいたします」と呼びかけている。
IIJは毎回、OSバージョンアップが開始された当日に、iPhoneやiPadの対応状況を「てくろぐ」で公開しており、今回もいち早く動作検証結果が分かることが期待される。
NTTコミュニケーションズも「Apple社よりiOS 9.0のリリース予定が発表されましたが、iOS 9.0へのアップデートによる影響が未確認のため、ご利用中のiOS端末に更新通知があった場合でも、アップデートはお待ちくださいますようお願いいたします」と注意喚起している。なお「OCN モバイル ONE」のiOS 9の動作確認は、9月中をめどに行うとのこと。
「アップデートして通信できなくなった……」という事態にならないよう、自分が使っているサービスのお知らせをチェックしておこう。また、iOS 9の配信日には、ITmedia Mobileでも可能な限り格安SIMの対応状況を調べる予定だ。
もう1つ注意したいのが、iPhone/iPadを格安SIMで通信可能にするために必要な「プロファイル」だ。現在、MVNO数社がCellular形式の新しいプロファイルを公開しており、iOS 7以降の端末では、この新しいプロファイルをインストールするよう案内している。
iOSのプロファイルは「APN Payload」と「Cellular Payload」という2種類がある。iOS 6以前はAPN Payloadが使われていたが、現在はCellularペイロードが推奨されている(詳細はIIJのてくろぐ記事を参照)。
IIJはiOS 7以降のiPhone/iPadではCellular形式のプロファイルを使うよう案内しており、Webサイトで公開している。またビッグローブは9月3日、NTTコム(OCN モバイル ONE)は9月10日、DMM.comは9月15日から新しい(Cellular形式の)プロファイルを提供開始した。新しいプロファイルは、現在インストールしているプロファイルを削除してから再インストールする形となる。
ビッグローブとDMM.comは、従来の(APN Payload版)プロファイルだと、iOS 9へのアップデート後に通信できなくなる恐れがあると説明している。現時点では「Cellular形式のプロファイルを適用する=iOS 9に対応する」とは言い切れないが、iOS 9で使い続けるための1つの条件であることは確かなようだ。
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