「mineo」や「UQ mobile」など、KDDIのネットワークを利用したMVNOサービスは、iOS 8以降のiPhoneやiPadでは利用できず、MVNOの頭を悩ます大きな問題になっている。しかし、この問題を解決するかもしれない発見を、IIJ(インターネットイニシアティブ)のプロダクト本部 プロダクト推進部 堂前清隆氏が「てくろぐ」で7月13日に発表した。
堂前氏が調べたところ、MVNOが提供するSIMカードをiOS端末で通信可能にするために必要な「APN構成プロファイル」を変更すると、ドコモ網を使ったMVNOサービスのLTE接続が安定するほか、KDDI網を使ったMVNOサービスでもiPhone/iPadでもデータ通信ができるようになったという。具体的には、構成プロファイルの中にある「APN Payload」と「Cellular Payload」のうち、Cellular Payloadにのみ存在する特定のパラメーターを追加することで、上記の改善が見られたという。
IIJが、他社のKDDI LTE網を使うMVNOサービスにて、変更したプロファイルを適用したところ、3Gの音声通話は利用できたが、データ通信はあまり安定しなかったという。てくろぐでは、IIJmio 高速モバイル/D向けに、iOSの通信を改善させるAPN構成プロファイルを提供しているが、あくまでLTE接続しにくいものが改善されるというもので、自身でトラブル対応ができる人のみ試すよう注意を促している。問題が発生した場合、このプロファイルをアンインストールして、従来のプロファイルをインストールすれば元に戻せる。
mineoを提供しているケイ・オプティコムは、IIJの調査内容を受け、さっそく動作テストを実施。マイネ王のエントリーで詳細をリポートしている。調査の結果、「一部の端末にてデータ通信が安定しない端末が存在し、サービスとして快適にご利用頂ける状況ではありません」とのことだった。
本件をKDDIとKDDIバリューイネイブラーに確認したところ、「(APN構成プロファイルの変更は)動作保証するものではないので、推奨はできない」とのこと。今後のアクションについても「現時点は未定」とのことだった。
現状は、IIJが発見したAPN構成プロファイルの変更が、KDDI系MVNOサービスの“iOS 8問題”を100%解決するものではないが、一歩前進したのは確か。「mineoやUQ mobileをiPhone/iPadで使いたい!」と思っている人たちは、もう少し待つと、さらなる朗報が来るかもしれない。
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