プラスワン・マーケティングは10月27日、「FREETEL」ブランドで展開するスマートフォンと通信サービスの新商品発表会を開催した。Androidスマホ「極(KIWAMI)」「Priori(プリオリ)3」の予約受付開始日と、極の発売日を発表したほか、MVNOサービス「FREETEL SIM」の今後の展開や海外展開についての説明を行った。
発表会の冒頭、プラスワン・マーケティングの増田薫社長は、「freetel」から「FREETEL」にブランドを刷新してからの4カ月間を振り返った。
ハードウェア面では、通話・SMS(ショートメッセージ)専用携帯電話「Simple」が30分で完売したこと、「SAMURAI」シリーズのミドルレンジAndroidスマホ「雅(MIYABI)」が直営サイトで30分、家電量販店でも1日で完売したことをアピール。雅に関しては発売当初、ヨドバシカメラの携帯電話・スマホ全体の人気ランキングの1〜3位を独占していたことも報告した。
MVNOサービス面では、7月にサービスを開始したFREETEL SIMの契約数が急激に伸び、MVNOのシェア上位2社の契約数に追いつきつつあること、その2社に通信速度面で圧倒しMVNOで1番となったこと、レイヤー2(L2)接続(※)を生かしてApp Storeの通信にかかるパケット通信料を無料とした「FREETEL SIM for iPhone/iPad」を発売したことを紹介した。
※L2接続:大手キャリアとMVNOの通信接続点を「パケット中継装置」とする接続。パケット通信においてMVNOが制御できる内容が増えるため、サービス設計の自由度が増す
店舗面では、FREETEL専門コーナーを紹介した。特にヨドバシカメラ マルチメディアAkibaに設置したコーナーは、大手キャリアコーナー並みの広さを持つ。大手キャリアと同じように、スマホとSIMカードをワンストップで購入できる場所を作ることが、SIMフリーキャリアとしての使命であると増田社長は語った。
会社の資本面では、2015年1〜9月に合計で21億3000万円の第三者割当増資を実施したことを紹介した。引き受け先は、既存株主や国内のベンチャーキャピタルなど。増田社長は、SIMフリーキャリアとして、安定した事業運営を行っていくことを強調した。
先述の通り「Priori3 LTE」と「極」の2機種を発表したFREETEL。両機種とも既に別の機会に発表はされているが、発売が近いこともあり、改めて披露された。
Priori3 LTEは、「これでfreetel(FREETEL)を初めて知った人も多いのではないか」(増田社長)というFREETELの看板エントリースマホの最新モデルである。基本スペックを向上しつつ、LTEスマホとしては非常に安価な1万2800円(税別)を実現した。増田社長は、「Antutuベンチマーク」の結果を本体価格で割った値を示しつつ、Priori3 LTEのコストパフォーマンスの高さをアピールしていた。
極は、FREETELのハイエンドスマホブランド「侍(SAMURAI)」シリーズのフラッグシップモデルに相当する。6月の発表会では、4つの数字を用いてスペックのヒントを示すにとどまっていたが、9月には詳細なスペックが明らかとなり、いよいよ、発売日を発表するに至った。
極には、受注生産の「LIMITED EDITION」(カラー上は「和柄」)も用意されている。LIMITED EDITIONの説明は、プロダクト部 執行役員の佐々木隆文氏が行った。
佐々木氏は、2014年9月にプラスワン・マーケティングに入社した際、増田社長から「日本の品質と、伝統文化(工芸)を世界にアピールしたい」と相談を受けたという。その検討過程で、漆塗りや金箔(きんぱく)貼りといった伝統工芸の技法を採用することになったが、ソニーやFoxconnで経験を積んできた佐々木氏も、これらの技法を製品に採用した経験がなく、大変だったようだ。
漆塗りにおける下地作りや多層塗りに相当する工程は何とかできたのだが、その後の金箔貼りにおいて、ただ貼るだけはなく、“厚み”を感じられるようにする過程に相当な試行錯誤があったという。
Priori3 LTE、極、海外で発表した折りたたみボディのスマホ「MUSASHI」と、未発表の2機種を含め、2015年冬・2016年春モデルとして、FREETELは8機種を発売、または発売を予定している。FREETELは、今後も「さまざまなユーザーのニーズに合った製品を出していく」(増田社長)。
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