レビュー
» 2016年06月30日 19時45分 UPDATE

スマホはやはり“フォン”です!:うるさくても静かでもしっかり聞こえる!――「arrows SV F-03H」電話機能レビュー

「arrows SV F-03H」は、スマートフォンの「フォン」の部分にも注力している。その力の入れ様を見てみよう。

[井上翔,ITmedia]

 NTTドコモの2016年夏モデルとして7月6日に発売する「arrows SV F-03H」。ITmedia Mobileでは、今までに同機種の外観レビューと機能の詳細レビューを掲載している。

 実は、機能レビューにおいて1つだけ触れなかったことがある。それはスマートフォンの「フォン」の部分、つまり電話としての機能だ。本稿では、arrows SVの電話機能に焦点を当ててレビューしていく。

arrows SV F-03H(White) arrows SV F-03H(White)

スーパーダブルマイク:2つのマイクで周囲の騒音を検知

 最近のスマホには、一般的にマイクが2つ内蔵されている。arrows SVもご多分に漏れず、本体下部にメインマイク、本体背面にサブマイクと、合わせて2つのマイクを内蔵している。

 通話時に、サブマイクは主に周囲の騒音を拾う。一方、メインマイクは主に自分の声を拾う。これらをコンピュータ処理することにより、周囲の騒音をできる限りカットして相手により聞き取りやすい音声を伝えられるのだ。

 実はこの仕組み、富士通(現・富士通コネクテッドテクノロジーズ)製携帯電話では2008年夏モデルの「らくらくホンV F884iES」から「スーパーダブルマイク」という名称で搭載している。他社と比較すると長い歴史を持っているので、チューニングもバッチリだ。

メインマイクサブマイク arrows SVは「スーパーダブルマイク」という名称で通話用のマイクを2つ搭載している。サブマイク(写真=右)で拾った音声に応じて、メインマイク(写真=左)の音声を調節する仕組みだ

スーパーはっきりボイス4:周囲の状況に合わせて相手の声を聞き取りやすく

 ただし、自分の声がきれいに届くからといって、相手からの音声は聞き取りやすいとは限らない。とりわけ、周囲が騒がしすぎる状況では相手側だけではなく自分側の要因も相まって全然相手の声が聞こえない、といったことも考えられる。

 そんな時に役に立つのが、「スーパーはっきりボイス4」だ。この機能を使うと、通話相手の聞こえづらい部分を強調して聞き取りやすく加工してくれる。また、揺れや移動状況を検出して受話音量を自動調整する「ぴったりボイス」や、音声の特徴を分析して通話相手の声をゆっくり再生する「ゆっくりボイス」も搭載している。

 初期設定では、はっきりボイスとぴったりボイスはセットで有効に、ゆっくりボイスは無効になっている。もしも効果が薄い、あるいは逆に有効にしていることで聞き取りづらい状況になった場合は、通話画面から有効/無効の切り替えができる。

 なお、これらの機能はVoLTEのビデオコール中は無効となる。注意しよう。

スーパーはっきりボイスのアイコン機能の有効/無効の切り替え はっきりボイス(とぴったりボイス)と、ゆっくりボイスが有効である場合、通話画面にアイコンが出る(写真=左)。有効/無効の切り替えは、通話画面のメニューから行える(写真=右)

あわせるボイス2:耳の年齢・状況に合わせて音質調整

 arrows SVの受話音声を聞き取りやすくする機能としては、「あわせるボイス2」も忘れてはいけない。この機能は、ユーザーが自身の年齢あるいは音質パターンをあらかじめ登録しておくことで、その耳に最適な音声に調整して届けてくれる。

 あわせるボイス2は、初期状態では無効となっている。使いたい場合はあらかじめセットアップしておこう。筆者としては、まず「年齢」で試してみて、しっくりこなかったら「音質パターン」を使ってセットアップ、という手順をお勧めしたい。

あわせるボイス2の設定画面あわせるボイス2の音質パターンでの調整 あわせるボイス2を有効にすると、標準では年齢に合わせた音質調整が行われる(写真=左)。音声パターンでの調整時は、ボリュームキーで一番よく聞こえるパターンを選択する(写真=右)

VoLTE:よりきれいな音声で通話可能

 arrows SVは、本来はデータ通信専用の規格であるLTEで音声通話を実現する「VoLTE」に対応している。VoLTEを使うと、LTEのより高速なデータ通信を維持しつつ、3Gよりも高音質な「HD Voice」通話が可能だ。arrows SVでは、VoLTEと富士通が培ってきた通話関連の技術を組み合わせることで、より快適な通話が可能となっている。

 そこでarrows SVを使って、HD Voice非対応の携帯電話(au VoLTE対応端末)と、HD Voice対応の携帯電話(ドコモの他社端末)とそれぞれ通話し、その様子を録音してみた。通話相手はITmedia Mobile編集長の田中で、相手の声がどれだけクリアに聞こえているかを、都内の駅ホームで試した。また、鉄道ファンの筆者としては、周囲の騒音がカットされている中でも、駅のアナウンスがどれだけ聞こえるのか、という限界(?)にも挑んでいる。録音は、いずれもF-03H側で行っている。

 1回目の通話は以下のようなシチュエーションで行った。

  • 発信者:編集長/着信者:筆者
  • 発信端末:F-03H/着信端末:au VoLTE対応携帯電話
  • 発信場所:JR新橋駅/着信場所:都内のとある静かな場所

 JR新橋駅は、駅の改良工事中で非常に騒がしかったが、工事の音や電車の走行音などは極力抑えられ、明瞭に編集長の声(と駅のアナウンスの一部)を聞き取ることができた。また、筆者の声もF-03Hにはっきりと届いている。

 2回目の通話は以下の様なシチュエーションで行った。

  • 発信者:筆者/着信者:編集長
  • 発信端末:F-03H/着信端末:ドコモのVoLTE対応端末
  • 発信場所:東京メトロ赤坂見附駅/着信場所:都内のとある静かな場所

 ちょうど、1回目とはほぼ逆の状況だ。赤坂見附駅は銀座線と丸ノ内線が並行して走っており、電車がひっきりなしにやってくる。また、駅の前後がカーブとなっているせいか、レールのきしむ音も結構大きい。

 そんな中でも、互いの声はしっかり聞き取ることができた。VoLTE対応端末同士なので、音質もより良好となった。周囲の余計な騒音はおおむねかき消せたが、筆者が駅の放送用スピーカーのそばにいたせいか、アナウンス音は完全には消えなかった。おかげで編集長もどこの駅か分かったようである。

 F-03Hは、プロセッサなどの都合から2016年夏モデルから対応が始まった「HD+ Voice」(HD Voiceをより高音質化したもの)には対応しないが、騒がしいところでもこれだけ通話ができれば十分だ。通話機能の面でも、“ちょうど良い”仕上がりとなっている。


 「過剰すぎるスペックは必要ないけれど、上質感(あるいは所有感)のあるスマホが欲しい!」という人にarrows SVは非常にお勧めできる機種に仕上がっている。今回を含めて3回に渡りお伝えしてきたレビューを参考にしつつ、ドコモ取扱店などにある実機を手に取って“ちょうど良い上質感”を体験してみてほしい。

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

この記事が気に入ったら
ITmedia Mobile に「いいね!」しよう