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» 2016年09月20日 12時47分 UPDATE

MVNOの深イイ話:格安スマホユーザーが海外でデータ通信を利用する方法 (1/2)

「格安スマホ」のユーザーが困ることの1つが、海外でのスマートフォン利用です。現時点では、MVNOで国際ローミングを提供しているところはあまりありません。今回は、海外で利用できるプリペイドタイプのデータ通信サービスについてご紹介します。

[佐々木太志,ITmedia]

 「格安スマホ」デビューをしてMVNOと契約された方が困ることの1つが、海外でのスマートフォン利用です。現時点では、MVNOで国際ローミングを提供しているところはあまりありません。そこで今回は、MVNOを利用している人にお勧め、海外で利用できるプリペイドタイプのデータ通信サービスについてご紹介しようと思います。

空港で借りられるレンタルWi-Fiルーター

 特にグループで旅行される方に適しているのが、空港で借りられるレンタルWi-Fiルーターです。事前にネットで予約をし、出発する前に空港のカウンターに立ち寄ってWi-Fiルーターと充電器を借ります。スマートフォンの設定は、過去にWi-Fiの設定を経験したことのある方には難しいものではありません。

Wi-Fiルーター レンタルWi-Fiルーターなら、複数のスマホを接続できる

 こういったサービスを提供する事業者はいくつかあり、料金は国により異なるものの、おおむね1日数百〜千数百円程度で、これに旅行日数を掛ければ支払い総額の目安が出ます。例えば旅行先が1日980円のエリアだとしたら、6日間の旅行で5880円となります。

Wi-Fiルーター 料金は国や地域によって異なるが、1日1000円未満でレンタルできるケースも多い。こちらはグローバルWi-Fiの場合

 ドコモの国際ローミングサービス「WORLD WING」の「海外パケ・ホーダイ」は、1日あたり1980〜2980円ですから、レンタルWi-Fiルーターはかなりお安い計算です。帰国後は空港のカウンターに立ち寄り、Wi-Fiルーターを返却しましょう。

 使えるデータ量は数100MB/日程度と比較的多いので、容量を気にせず安心して使えることもメリットですが、何よりお勧めなのはグループ旅行のとき。グループの中の1人が持ち歩いていれば、同行するグループのメンバーも使えます。もし料金を人数割りすると考えればもっとお得な計算になります。

 反面、Wi-Fiルーターの所有者と別々に行動する場合は、通信できなくなります。旅先ではぐれてしまい連絡を取りたいなど、肝心なときに利用できないのは不便なので注意が必要です。またWi-Fiルーターのバッテリー残量を把握する必要があるのと、紛失や破損をした場合は弁償しなくてはならない点にも、あわせて注意しましょう。

一度は挑戦したい現地のプリペイドSIM

 筆者が好んで利用するのは、現地のプリペイドSIMです。国により現地のMNOが提供するもの、MVNOが提供するものがあり、その料金水準もさまざまです。例えばタイでは、玄関口であるバンコクのスワンナプーム国際空港の到着ロビーにMNO各社のカウンターがあり、多くの観光客がSIMカードを購入しています。

 カウンターの係員とのコミュニケーションは料金表を指すだけでOK。慣れた手つきでSIMカードを交換し設定までしてくれます。料金は各社で多少異なりますが、私のケースでは1GBで約300バーツ(約900円)と非常に安価でした。

 オランダでは、玄関口のスキポール国際空港内の売店でMVNOのプリペイドSIMカードを購入できます。こちらはLTE対応のものが5GBまでで35ユーロ(約4000円)となり、最近の円高ユーロ安の影響もあって多少安価に購入できるようになりました。こちらもSIMカードのセットや設定まで店員にお任せできます。このように買う時には一定の煩わしさはあるものの、レンタルWi-Fiルーターのように携行品が増えることもなく、破損や返却といった心配がないのは気が楽です。

タイのSIM タイ・バンコクのスワンナプーム国際空港のSIMカードカウンター。タイの携帯各社のカウンターに多くの観光客が列を作っている

 このように思ったよりもハードルの低い現地SIMですが、いくつか注意しなければならない点があります。まず、お使いの端末がSIMロックフリースマホでない場合は現地のSIMカードは使えません。

 日本では、MVNO利用者の一定数がドコモやauのスマートフォンをお使いですが、こういったスマートフォンはそのままでは海外のプリペイドSIMでは使えませんので、あらかじめSIMロックを解除しておきましょう。

 最近のスマートフォンは対応通信方式や対応周波数が広いので、SIMロックを除けばほとんどの国で問題が生じることはないと思いますが、古いスマートフォンの場合は通信方式や周波数、(当該国の)技術基準なども気にする必要があるかもしれません。

 また、空港内の店舗では英語が通じることが多いものの、契約後のサポート窓口や残量確認用のWebサイトが現地語のみのケースが多いです。国によっては契約時に住所・氏名の登録が必要だったり、パスポートの提示を求められたりすることもありますので、心の準備をしておきましょう。

 現地の通信事業者によっては、日本で当たり前のオンラインサービスをブロックしている国もあるので要注意です。例えば中国では、現地のプリペイドSIMではGoogleマップやTwitterが使えません。

 何より気を付けないといけないのは、現地に行かないと買えるかどうか分からないことです。リピーターで、どこでSIMカードが買えるか把握しているような場合はともかく、初めての空港だと、SIMカードがどこで売っているか分からないケースもあります。大きな空港では売り場が増えているものの、地方空港を中心にSIMカードを買えるカウンターがない空港もたくさんあり、また空港にカウンターがあっても飛行機の到着時間によっては閉店しているかもしれません。

 最後に、SIMカードを抜き差しすることから、SIMカードスロットを開けるための道具(ピンなど。端末により有無や形状が異なります)は荷物の中に忍ばせておきましょう。到着時にSIMカードの抜き差しを店員にお任せできても、帰国後にSIMカードを戻せなくて困ります。

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