富士通コネクテッドテクノロジーズ製の「arrows M03」は、日本でニーズの高い機能に対応したSIMロックフリースマートフォン。IPX5/8の防水、IP6Xの防塵(じん)をサポートし、おサイフケータイ(FeliCa)とワンセグも利用できる。日本で販売されているSIMロックフリースマホでこうした日本仕様に対応しているモデルは珍しく、価格も3万円前後ということで、人気を集めている。
このarrows M03、実はNTTドコモから販売されている「arrows SV」と外観やスペックが共通している双子のモデルだ。ドコモユーザーが「ミッドレンジの手頃なarrows」に機種変更をしたければ、arrows SVを選ぶのが妥当だが、arrows M03を購入してSIMだけを入れ替えるという手もある。また、auやソフトバンクのユーザーはどちらを選ぶべきか? ここでは、購入する前に知っておきたい2モデルの違いを確認していく。
まず大前提として、arrows SVには「SIMロック」が掛けられており、SIMロックを解除しないと、ドコモ回線以外のSIMカードでは通信ができない(ドコモ回線を使った格安SIMなら、SIMロックを解除しなくても使える)。arrows SVを購入してから半年、または同一回線で過去にSIMロックを解除してから半年がたてば、SIMロックは解除できる。
arrows SVは中古端末ならドコモの契約をせずとも購入できるが、ドコモでは契約者本人が購入した端末でないとSIMロックを解除できないので、arrows SVを中古で購入してSIMロックを解除することはできない(※一部記述を修正しました 9/30 13:00)。
arrows M03にはSIMロックは掛けられていないので、ドコモ、au、ソフトバンク(Y!mobile)のSIMカードを利用できる。ただしarrows M03はauの3G規格であるCDMA2000には対応しておらず、auのSIMカードはVoLTEに対応した「au Nano IC Card 04(au VoLTE)」を利用する必要がある。arrows SVもCDMA2000には対応していないので、SIMロックを解除してもauのVoLTE非対応SIMでは通話はできない。
対応バンド(周波数帯)も見ていこう。LTEについては、ドコモの主要な周波数帯は2モデルとも1500MHzを除いてカバーしており、快適に使えるだろう。3G(W-CDMA)もドコモはBand1(2100MHz)とBand6、19(800MHz)をカバーしているので問題ない。
一方、auのLTEはarrows M03はBand1(2100MHz)とBand26(800MHz)をカバーしているが、arrows SVはBand1のみ。またarrows SVは、ソフトバンクがLTEとW-CDMAで使用しているBand8(900MHz)には対応していないので注意したい。auとソフトバンク(Y!mobile)のSIMカードを利用するのなら、arrows M03の方が向いている。
Band1 | Band3 | Band8 | Band11 | Band21 | Band19 | Band26 | Band41 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
周波数帯 | 2100MHz | 1700MHz | 900MHz | 1500MHz | 1500MHz | 800MHz | 800MHz | 2500MHz |
国内キャリア | ドコモ、au、ソフトバンク | ドコモ、ソフトバンク | ソフトバンク | au | ドコモ | ドコモ | au | au、ソフトバンク |
arrows M03 | ○ | ○ | ○ | − | − | ○ | ○ | − |
arrows SV | ○ | ○ | − | − | − | ○ | − | − |
Band1 | Band5 | Band6 | Band8 | Band19 | |
---|---|---|---|---|---|
周波数帯 | 2100MHz | 850MHz | 800MHz | 900MHz | 800MHz |
国内キャリア | ドコモ、ソフトバンク | − | ドコモ | ソフトバンク | ドコモ |
arrows M03 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
arrows SV | ○ | − | ○ | − | ○ |
arrows SVは基本的にドコモの取り扱い店舗で購入する形となるが、arrows M03は家電量販店やMVNOから購入する形となる。MVNOではIIJmio、mineo、スマモバ、DMM mobile、NifMo、BIGLOBE SIM、UQ mobile、楽天モバイルが取り扱っている。
arrows SVの場合、9月26日時点でのドコモオンラインショップでの価格は一括で5万8200円(税別、以下同)。ここから月々サポートの24回分を引いた実質価格は1万9200円となる。24回の分割払いだと月額800円の負担で済む。
arrows M03は販売元によって価格が微妙に異なる。例えばビックカメラ.comでは3万6390円、ヨドバシ.comでは3万6398円。MVNOではIIJmioは一括3万2800円(分割1380円×24)、mineoは一括3万1800円(分割1325円×24)、DMM mobileは一括3万3800円(分割1797円×24)、NifMoは一括3万5556円(分割1482円×24)、BIGLOBE SIMは分割1490円×24(計3万5760円)、楽天モバイルはキャンペーン価格で一括2万9800円(分割1341円×24)となっている。
スマモバとUQ mobileは、ドコモのように毎月の割引を実施している。スマモバでは端末の分割払いが2000円×36回なので、総額は7万2000円になるが、3000円の月々割が36回適用されるので、端末代は実質−3万6000円となる。
UQ mobileでは、月額1980円の「ぴったりプラン」または「たっぷりオプション」を契約して「端末購入アシスト」を利用すると、端末代の初期負担を1万円に抑えられる。残りは端末購入アシスト加算料として24カ月支払い、同時に「マンスリー割」も適用される。端末購入アシスト加算料からマンスリー割を引いた額は、ぴったりプランは月額700円(×24)、たっぷりオプションは月額200円(×24)となる。これに1万円を足した額が、正確な実質価格となる。ぴったりプランは2万6800円、たっぷりオプションは1万4800円だが、3万円前後の定価と比べれば安い。
ただし端末購入アシストでは、利用月数に応じて最大5万400円の解約金が発生するため、端末購入アシストを利用せずに購入するのも一考の価値がある。端末代金の3万8800円を最初に払う必要があるが、500円か1000円のマンスリー割は適用されるので、実質価格(2年後の支払額総額)は、端末購入アシストを利用する場合と変わらない。
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