機能や価格はどれだけ違う?――双子の「arrows SV」と「arrows M03」を比較する(1/2 ページ)

» 2016年09月29日 06時00分 公開
[田中聡ITmedia]

 富士通コネクテッドテクノロジーズ製の「arrows M03」は、日本でニーズの高い機能に対応したSIMロックフリースマートフォン。IPX5/8の防水、IP6Xの防塵(じん)をサポートし、おサイフケータイ(FeliCa)とワンセグも利用できる。日本で販売されているSIMロックフリースマホでこうした日本仕様に対応しているモデルは珍しく、価格も3万円前後ということで、人気を集めている。

 このarrows M03、実はNTTドコモから販売されている「arrows SV」と外観やスペックが共通している双子のモデルだ。ドコモユーザーが「ミッドレンジの手頃なarrows」に機種変更をしたければ、arrows SVを選ぶのが妥当だが、arrows M03を購入してSIMだけを入れ替えるという手もある。また、auやソフトバンクのユーザーはどちらを選ぶべきか? ここでは、購入する前に知っておきたい2モデルの違いを確認していく。

arrows SVとarrows M03
arrows SVとarrows M03 左が「arrows SV」、右が「arrows M03」

arrows M03の方が対応バンドが幅広い

 まず大前提として、arrows SVには「SIMロック」が掛けられており、SIMロックを解除しないと、ドコモ回線以外のSIMカードでは通信ができない(ドコモ回線を使った格安SIMなら、SIMロックを解除しなくても使える)。arrows SVを購入してから半年、または同一回線で過去にSIMロックを解除してから半年がたてば、SIMロックは解除できる。

 arrows SVは中古端末ならドコモの契約をせずとも購入できるが、ドコモでは契約者本人が購入した端末でないとSIMロックを解除できないので、arrows SVを中古で購入してSIMロックを解除することはできない(※一部記述を修正しました 9/30 13:00)。

 arrows M03にはSIMロックは掛けられていないので、ドコモ、au、ソフトバンク(Y!mobile)のSIMカードを利用できる。ただしarrows M03はauの3G規格であるCDMA2000には対応しておらず、auのSIMカードはVoLTEに対応した「au Nano IC Card 04(au VoLTE)」を利用する必要がある。arrows SVもCDMA2000には対応していないので、SIMロックを解除してもauのVoLTE非対応SIMでは通話はできない。

 対応バンド(周波数帯)も見ていこう。LTEについては、ドコモの主要な周波数帯は2モデルとも1500MHzを除いてカバーしており、快適に使えるだろう。3G(W-CDMA)もドコモはBand1(2100MHz)とBand6、19(800MHz)をカバーしているので問題ない。

 一方、auのLTEはarrows M03はBand1(2100MHz)とBand26(800MHz)をカバーしているが、arrows SVはBand1のみ。またarrows SVは、ソフトバンクがLTEとW-CDMAで使用しているBand8(900MHz)には対応していないので注意したい。auとソフトバンク(Y!mobile)のSIMカードを利用するのなら、arrows M03の方が向いている。

LTEの対応バンド
Band1 Band3 Band8 Band11 Band21 Band19 Band26 Band41
周波数帯 2100MHz 1700MHz 900MHz 1500MHz 1500MHz 800MHz 800MHz 2500MHz
国内キャリア ドコモ、au、ソフトバンク ドコモ、ソフトバンク ソフトバンク au ドコモ ドコモ au au、ソフトバンク
arrows M03
arrows SV

3G(W-CDMA)の対応バンド
Band1 Band5 Band6 Band8 Band19
周波数帯 2100MHz 850MHz 800MHz 900MHz 800MHz
国内キャリア ドコモ、ソフトバンク ドコモ ソフトバンク ドコモ
arrows M03
arrows SV

どこで購入するのが一番安い?

 arrows SVは基本的にドコモの取り扱い店舗で購入する形となるが、arrows M03は家電量販店やMVNOから購入する形となる。MVNOではIIJmio、mineo、スマモバ、DMM mobile、NifMo、BIGLOBE SIM、UQ mobile、楽天モバイルが取り扱っている。

 arrows SVの場合、9月26日時点でのドコモオンラインショップでの価格は一括で5万8200円(税別、以下同)。ここから月々サポートの24回分を引いた実質価格は1万9200円となる。24回の分割払いだと月額800円の負担で済む。

 arrows M03は販売元によって価格が微妙に異なる。例えばビックカメラ.comでは3万6390円、ヨドバシ.comでは3万6398円。MVNOではIIJmioは一括3万2800円(分割1380円×24)、mineoは一括3万1800円(分割1325円×24)、DMM mobileは一括3万3800円(分割1797円×24)、NifMoは一括3万5556円(分割1482円×24)、BIGLOBE SIMは分割1490円×24(計3万5760円)、楽天モバイルはキャンペーン価格で一括2万9800円(分割1341円×24)となっている。

arrows SVとarrows M03 さまざまなMVNOがarrows M03を各社のSIMとセットで販売している。こちらはIIJmioのもの

 スマモバとUQ mobileは、ドコモのように毎月の割引を実施している。スマモバでは端末の分割払いが2000円×36回なので、総額は7万2000円になるが、3000円の月々割が36回適用されるので、端末代は実質−3万6000円となる。

 UQ mobileでは、月額1980円の「ぴったりプラン」または「たっぷりオプション」を契約して「端末購入アシスト」を利用すると、端末代の初期負担を1万円に抑えられる。残りは端末購入アシスト加算料として24カ月支払い、同時に「マンスリー割」も適用される。端末購入アシスト加算料からマンスリー割を引いた額は、ぴったりプランは月額700円(×24)、たっぷりオプションは月額200円(×24)となる。これに1万円を足した額が、正確な実質価格となる。ぴったりプランは2万6800円、たっぷりオプションは1万4800円だが、3万円前後の定価と比べれば安い。

 ただし端末購入アシストでは、利用月数に応じて最大5万400円の解約金が発生するため、端末購入アシストを利用せずに購入するのも一考の価値がある。端末代金の3万8800円を最初に払う必要があるが、500円か1000円のマンスリー割は適用されるので、実質価格(2年後の支払額総額)は、端末購入アシストを利用する場合と変わらない。

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