「気持ちのインフラ」を「新しいフツー」に――50万契約を突破した「mineo」の取り組み(2/2 ページ)

» 2017年01月20日 00時00分 公開
[井上翔ITmedia]
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端末ラインアップはさらに充実

 昨今、MVNOサービスの契約において端末をセット購入する人が増える傾向にある。mineoでも、ユーザーに「安心」を提供する一環でセット販売する端末のラインアップの強化を図っている。

 2月1日にはASUS製Androidスマートフォン「ZenFone 3」「ZenFone 3 Laser」と、ファーウェイ製Androidタブレット「MediaPad T2 8 Pro」の販売を開始する。これらは、Dプランと「auプラン(Aプラン)」の両方で使える機種で、契約プランにかかわらず使えることが強みだ。

 MediaPad T2 8 Proについては、mineoとしては始めて取り扱うタブレット端末で、DプランのデュアルタイプSIMなら音声通話も可能だ。AプランのSIMを使う場合、SMS(ショートメッセージ)の送受信と音声通話に対応しないので注意が必要となる。

MediaPad T2 8 Pro MediaPad T2 8 Proは、mineoにとって初のタブレット端末。Aプランでも利用できるが、データ通信のみの対応となる

 さらに、「今春発売予定」として5型サイズの「高スペックなコンパクトモデル」のスマホの登場が予告された。Dプラン・Aプラン両方で使えるもので、「Mobile World Congress(MWC) 2017」で発表され、展示は「比較的大きなブース」で行われるようだ。

謎のスマホ 今春発売予定の未発表スマホも取り扱う予定。この機種はMWC2017において発表予定

 mineoは、「2〜4万円台の売れ筋を複数そろえる」という方針で取り扱い端末を決めているようだ。今春発売の「謎のスマホ」も、この価格レンジに収まるものと思われる。

サービス面での「安心」で家族でmineoに

 先述の通り、mineoではマジョリティ層の新規契約に向けた取り組みも強化している。そこで重要になるのが「家族」での利用だ。

 新サービスとして3月1日から始まる「訪問サポート」(1回9000円)は、遠隔地に離れて住むシニア世代を想定したものだ。これまた3月1日から始まる「5分かけ放題サービス」(月額850円)も付ければ、遠くにいる家族と5分以内の通話が定額利用できるので、何かあった時の連絡も気楽にできる。

 家族に中学生や高校生の子供がいるなら、提供済みの「安心フィルタリング」(月額350円)を契約すれば安心してスマホを持たせられる。

 端末はセットで買っても良いし、すでに持っているドコモやauのスマホでも良い。30〜40代の男女をmineoユーザー(ファン)にして、その両親・子供もまるごとmineoユーザー(ファン)にすることを狙っているようだ。

シニア世代向け シニア世代向けのイメージ。訪問サポートを組み合わせることで安心に
子供向け 子供世代むけのイメージ。フィルタリングを組み合わせることで安心に

タッチポイントを増やす「CM」「店舗」「キャンペーン」

 ケイ・オプティコムは、親会社の関西電力のエリアで通信事業やCATV事業を営んできた企業だ。関西電力エリアでの知名度は抜群だが、それ以外の地域での知名度は高いとは言えない。

 事業の特性上、mineoはサービス開始当初から全国向けにサービスを行っていたが、広告は地盤の関西地方から展開し、その後、MVNO需要の旺盛な都市圏を抱える関東地方、中部地方へと順次拡大していった。現状ではユーザーの地方別シェアのトップは関東地方で4割弱、2位が地盤の関西地方で3割程度、3位が中部地方で1割程度だという。地盤外でのユーザー認知や契約数の増加において、テレビCMの効果は特に大きかったようだ。

 そこで、1月21日からmineo初となる全国規模のテレビCMを2種類放映する。タレントの葵わかなさんを起用し、ドコモ・auの端末をそのまま使えることや、mineoの独自サービスである「フリータンク」「パケットギフト」「パケットシェア」を、「新しいフツー」というキャッチコピーのもとに訴求し、mineo(とケイ・オプティコム)の認知度向上を図る。

新CM タレントの葵わかなさんを起用した全国規模のテレビCMを1月21日から放映して認知度向上を図る

 ただ、全国規模の認知度が向上しても、実際に契約したりサポートを受けたりできる店舗がないと、マジョリティ層のユーザー増加にはつながらない。そこで、従来はやや手薄だった実店舗展開も加速する。

 まず、mineo専門店として以前から予告していた「mineo 渋谷」(東京都渋谷区)を2月1日にオープンする。このオープンにより、mineo専門店は東京・名古屋(グッドウィルとの協業)・大阪の3大都市圏に1店舗ずつ設置されることになる。

 さらに、「mineoサポート店」を中心に展開しているSIMカードのSIM・端末即日渡しサービスの対応店舗を2016年度内に当初計画通り100店舗に拡大する。2017年度以降も、対応店舗を増やす方向で現在検討が進んでいるという。

mineoの対面店舗 mineoの対面店舗(専門店・サポート店)は、秋田県以外の全国46都道府県に所在。SIM・端末即日渡しに対応する店舗の拡大が今後の課題となりそうだ

 新規契約者を獲得する上では、キャンペーンも重要だ。

 1月20日からは新規契約者を対象に「新生活応援!800円×3カ月割引キャンペーン」を実施する。5月9日までにデュアルコースを新規契約すると、契約から3カ月間、月額料金が800円(税別)引きとなる。

 さらに、2016年11月1日から実施している既存ユーザー向けの「紹介キャンペーン」もパワーアップする。このキャンペーンは紹介者(既存ユーザー)と紹介された新規契約者の双方にAmazonギフト券(※)を1000円分プレゼントする」というものだったが、1月20日から5月9日までの期間については「倍増!紹介キャンペーン」としてプレゼント金額が2000円と名前通り「倍増」する。ユーザーコミュニティを大切にするmineoならではの施策だ。

※紹介された人が「mineoエントリーコード」(ヨドバシカメラ販売分)を使って新規契約した場合、Amazonギフト券の代わりに「EJOICAセレクトギフト」がプレゼントされる

2つのキャンペーン 新規契約者を獲得すべく、新規契約者だけではなく既存ユーザーにもキャンペーンを実施する

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