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» 2012年03月07日 20時41分 UPDATE

性能アップ、電力削減:次世代データセンターの新基準へ――インテルが「Xeon E5-2600/1600」を発表

インテルがSandy Bridge世代のサーバ/ワークステーション向けCPU「Xeon E5」ファミリーを発表した。同社は「2007年以来の大幅な技術革新」と自信を見せる。

[ITmedia]
og_xeone5_001.jpg Xeon E5-2600ファミリー

 インテルは3月7日、サーバ/ワークステーション向けCPU「Xeon E5-2600」および「Xeon E5-1600」ファミリーを発表した。E5-2600ファミリー(開発コード名:Sandy Bridge-EP)はコア数が最大8個に増加し、Xeon 5600番台(Westmere-EP)と比較して性能が最大80%向上したほか、同社が「2007年以来の大幅な技術革新」と呼ぶ11の新機能を実装する。

 同日行われた製品発表会では、インテル副社長の宗像氏と、技術本部長の土岐氏が登壇し、「次世代データセンターを支える新基準」という観点から、新たに採用されたI/Oの新技術や電力管理機能を中心にE5ファミリーの特徴を解説した。

og_xeone5_002.jpg ポケットからXeon E5を取り出して紹介するインテル取締役副社長 宗像義恵氏

 情報・通信技術の発達により、ネットワークに接続するデバイスやデータを扱うユーザーは年々増加している。宗像氏は「2015年にインターネットに接続されるデバイスは150億台、ユーザーは30億人を超え、トラフィックは現在の10倍に達する」との予想を示し、「これらの膨大のデータからユーザーにあった情報を適切に提供する技術が求められている」と、現在データセンターを取り巻く状況を説明する。

 そこで同社が取り組んでいるのが「クラウド2015ビジョン」だ。この次世代データセンタービジョンでは、リソースを動的かつ効率的に割り当てる自動化技術や、サーバにアクセスしてくるデバイスごとにサービスを最適化するクライアント認識技術、パブリッククラウドとプライベートクラウド間でセキュアなデータ共有を可能にする連携技術など、主に3つの領域が中心になる。宗像氏は「このビジョンを実現するためにはパフォーマンス、セキュリティ、電力効率、I/O(帯域幅)の革新が必要だ」と述べ、今回投入するE5ファミリーこそが、現在IT部門が直面する課題を解決し、クラウド環境を支えるデータセンターの新基準になると紹介した。

og_xeone5_003.jpgog_xeone5_004.jpgog_xeone5_005.jpg Xeon E5のウェハ(写真=左)。「クラウド2015ビジョン」実現のために「パフォーマンス、セキュリティ、電力効率、I/O(帯域幅)の革新」を満たすXeon E5ファミリーを投入する(写真=中央/右)

og_xeone5_006.jpg インテル技術本部長の土岐英秋氏

 続いて登壇した土岐氏がXeon E5の製品概要を説明した。Sandy Bridge世代のXeon E5は、処理に応じて動的にクロックを引き上げる「Turbo Boost Technology 2.0」や、演算処理の性能を向上させる拡張命令「Advanced Vector eXtentions」(AVX)などに対応するが、土岐氏が特に強調したのはインテグレーテッドIOだ。従来、別チップとして実装していたI/OハブをCPUに統合したことでレイテンシを最大30%削減。また、メモリを介さずにデータ転送を行うデータダイレクトI/Oにより転送速度を高速化したほか、メモリの電力削減にも貢献しているという。

 消費電力あたりの性能向上もポイントだ。E5ファミリーでは、システムの消費電力を管理するノード・マネージャー2.0に対応しており、きめ細かい電力制御が可能になった(なお、従来のバージョン1.5と比較して、メモリなどCPU以外のコンポーネントも監視対象に含む)。同社によるとXeon X5675とXeon E5-2660との比較では消費電力あたりの性能が約50%向上したという。

og_xeone5_007.jpgog_xeone5_008.jpgog_xeone5_009.jpg Xeon E5-2600ファミリーの概要と主な新機能(写真=左/中央)。Xeon E5ではI/OハブをCPUにシリコンレベルで統合。レイテンシを最大30%削減した(写真=右)

 発表会にはNTTデータの上苙健氏がゲストとして登壇し、ノードマネージャーを使った電力管理の事例を紹介した。NTTデータは現在、全国に18のデータセンターを保有しているが、東日本震災後の電力規制や輪番停電などから、データセンターでも省電力化のニーズが高まっていると説明。その一方で、従来の電力管理は空調などの設備が中心であり、負荷によって動的に変動するサーバ群の消費電力を制御する難しさも指摘する。

 そこで特定サーバやラック単位で電力上限を設定できるE5ファミリーのノード・マネージャーを使用し、「ピーク電力の削減」と「非常時のデータセンターの運用時間延長」の2点について事前検証を行った。その結果、高負荷サーバで最大性能の90%、低負荷サーバで70%の上限設定で問題なく動作したことから、サーバ7台を搭載したラックが100台あるデータセンターを想定したシミュレーションでは、(データセンター区画で)ピーク電力を約18%削減することが可能との結論を得たという。また、停電などの非常時には最低限のサービス提供が可能なレベルで電力をキャップすることにより、非常用発電機によるデータセンターの運用時間をこれまでの約1.8倍に延長することが可能としている。

 上苙氏は「緊急時に(発電機の)燃料補給が遅延してもサービスを止めなくてすむ。ミッションクリティカルなサービス、事業継続性が求められるデータセンターにとって(E5ファミリーは)非常にインパクトがある。単に電力も削減できるし、今後どんどん拡大していくだろう」とエールを送った。

og_xeone5_010.jpgog_xeone5_011.jpgog_xeone5_012.jpg NTTデータビジネスソリューション事業本部データセンタビジネスユニットITマネジメントソリューション統括部長の上苙健氏(写真=左)。Xeon E5を搭載した試作サーバの検証結果から、同サーバを700台用いたデータセンタにおいてピーク電力を16〜18%削減できるというシミュレーション結果を示した(写真=中央/右)

 Xeon E5-2600/1600ファミリーの主な仕様と価格は以下の通り。

 型番 コア/スレッド数 動作周波数 キャッシュ TDP TBT HTT 価格(1000個受注時単価)
E5-2690 8/16 2.9GHz 20MB 135W 16万2960円
E5-2687W 8/16 3.1GHz 20MB 150W 14万9340円
E5-2680 8/16 2.7GHz 20MB 130W 13万6500円
E5-2670 8/16 2.6GHz 20MB 115W 12万2960円
E5-2667 6/12 2.9GHz 15MB 130W 12万2960円
E5-2665 8/16 2.4GHz 20MB 115W 11万4080円
E5-2660 8/16 2.2GHz 20MB 95W 10万5290円
E5-2650 8/16 2GHz 20MB 95W 8万7700円
E5-2650L 8/16 1.8GHz 20MB 70W 8万7700円
E5-2643 4/8 3.3GHz 10MB 130W 7万110円
E5-2640 6/12 2.5GHz 15MB 95W 7万110円
E5-2637 2/4 3GHz 5MB 80W 7万110円
E5-2630 6/12 2.3GHz 15MB 95W 4万8490円
E5-2630L 6/12 2GHz 15MB 60W 5万2450円
E5-2620 6/12 2GHz 15MB 95W 3万2170円
E5-2609 4/4 2.4GHz 10MB 80W × × 2万3290円
E5-2603 4/4 1.8GHz 10MB 80W × × 1万5690円
E5-1660 6/12 3.3GHz 15MB 130W 8万5560円
E5-1650 6/12 3.2GHz 12MB 130W 4万6190円
E5-1620 4/8 3.6GHz 10MB 130W 2万3290円

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