―― Windows 10の次の大型アップデート(Fall Creators Update)では、ARMプロセッサ版(以下「ARM版Windows 10」)が追加される予定です。HuaweiはARM版Windows 10を搭載するデバイスのメーカーとして名を連ねていませんでしたが(参考記事)、ARM版Windows 10には興味ありますか。
万氏 (PC製品にプロセッサを供給している)Intelは、弊社にとって非常に重要なパートナーです。Windows PCについては、引き続きIntelプロセッサを使っていきます。
―― 現状、ARM版Windows 10はQualcommの「Snapdragon 835」しかサポートしていませんが(参考記事)、HiSilicon(Huaweiの子会社)の「Kirin」プロセッサにも対応させる予定はありますか。
万氏 Kirinプロセッサについては、今までと同様にAndroidベースのスマホやタブレットで用います。
ただ、(Kirinと同じく)ARMベースのプロセッサであるSnapdragonがWindowsでどのように使われるのかについては、非常に注目しています。
―― 場合によっては、Snapdragonを採用してWindows PCを作る可能性もあるのでしょうか(筆者注:「Nexus 6P」や「P9 lite PREMIUM」など、HuaweiにはSnapdragon搭載スマホを開発した実績もある)。
万氏 現在のところ、明確な計画はありません。まずは業界の推移やユーザーのニーズを見守りたいと思います。
―― 万さん自身は、ARM版Windows 10は成功すると思っていますか。
万氏 個人的には、この業界にはイノベーションが必要だと思っています。その観点でARM版Windows 10を非常に歓迎しています。
また、ARM版Windows 10がユーザーの選択肢を広げて、業界全体の進歩を促すものになるとも思っています。昨今ではARMプロセッサも処理能力が向上していますしね。
―― イノベーションという観点では、例えば日本のPCメーカーでは「世界最軽量」にこだわるメーカーが複数あります。Huaweiではそのような方向性に興味がありますか。それとも、あくまでも実用性重視で行くのでしょうか。
万氏 イノベーションは総合的な概念です。あえて言うのであれば、弊社では「極上のUX」を目指していますが、バッテリーの持ち時間、放熱処理、画面サイズ、本体の薄さや重量といったさまざまな要素を犠牲にすることなく優れたものにすることがそれに当たります。
このことは、ハードウェアにとどまらずソフトウェアにおいても同様です。例えば、クラウドサービスをスマホ、タブレット、PCとの間でワンアカウントで相互に問題なく快適にやりとりできる環境作りは重要です。
弊社ではタッチパッドスマホの使用感をノートPCでそのまま再現することを重視しています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.