「シャープらしい特徴商品で後れを取った」──シャープ携帯販売、前年比で3割強減少

» 2009年04月28日 09時30分 公開
[園部修,ITmedia]

 シャープが4月27日、2009年3月期の決算を発表。売上高は2兆8472億2700万円で前年同期比16.7%の減少。営業損失を554億8100万円計上する厳しい内容となった。

 減収の大きな要因は、同社の売り上げ構成の46%を占める、エレクトロニクス機器分野の苦戦だ。液晶テレビの価格下落や為替の影響に伴う販売金額の減少と、携帯電話の国内市場低迷にともなって、売上高が前期比18.6%減の1兆3222億円にとどまったのが大きく響いた。そのほかの健康・環境機器や情報機器でも売上高は減少。太陽電池のみ前期比4%増となったが、液晶や電子デバイスなどの電子部品も売り上げを減らした。

 携帯電話・通信融合端末の2009年3月期の販売台数は前年比65.4%と大きく減らし、992万台に。このうち、国内市場の販売台数は約830万台で、海外は約160万台だった。売上高は前年比67.2%の4373億円にとどまった。国内の携帯電話端末販売数は、MM総研によると前年比で29.3%減の3589万台で、2000年の調査開始以来最低水準となっており、買い換えサイクルの長期化とキャリアの在庫調整によって、シェアトップのシャープが大きく影響を受けた格好だ。

Photo シャープ代表取締役 副社長 執行役員の濱野稔重氏

 2010年3月期の端末販売台数は1230万台を予想するが、国内はほぼ同数の約830万台を予想している。決算発表の席で、シャープ代表取締役 副社長 執行役員の濱野稔重氏は「国内の携帯電話販売は、シャープらしい特徴商品がなかなか出せず後れを取ったと感じている。だが夏にauから発売するソーラーパネルケータイなど、新しいことにも取り組んでいる」と話し、今後も高機能な特徴商品に注力する考えを改めて表明した。

 一方海外市場は、約400万台と大幅に台数を伸ばす考えだ。海外での端末販売拡大は、4月8日の経営戦略説明会でも明らかにしたとおり、中国市場に力を入れる。ハイエンドモデル「AQUOSケータイ」のブランドが、中国沿岸部ですでに浸透していることに加え、今期は普及価格帯にもラインアップを投入。周辺国への展開も目指す。

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