東海電子は、全国1万以上の事業所に導入している業務用アルコール測定システム「ALCシリーズ」をKDDIブースで展示。ALCシリーズは現在、「ALC-mini II」「ALC-Mobile」「ALC-PRO II」の3種類で展開。いずれの製品も、専用のマウスピースに息を吹き込んでアルコールを測定、記録するのが目的だが、記録する媒体が異なる。3システムとも測定の精度に差はない。
シンプルな機能に特化したALC-mini IIは、アルコールの測定後に、記録内容が記載されたロール紙が出力される。価格は6万9000円。
ALC-Mobileは東海電子とKDDIが共通開発したシステムで、2006年にはとバスが導入した。測定器とauケータイを接続し、測定結果をケータイメールで管理者へ送信する。ケータイで撮影したドライバーの写真や、GPSを利用した位置情報を測定データに添付することで、測定結果の改ざんを防止できる。価格は8万9000円。
PCで測定データを管理するALC-PRO IIは、付属のUSBカメラでドライバーの写真を撮影し、各ドライバーの認証IDと写真を組み合わせることで、測定結果の改ざんを防止する。さらに、オプションのIDカードリーダーを利用すれば、免許証を挿入するだけで(認証IDを入力することなく)スピーディに測定できる。
飲酒運転を防ぐ究極の装置として注目したいのが、同社が新製品として展示していた「ALC-LOCK(アルコールインターロック装置)」。ALC-LOCKは車に取り付けて利用するもので、息を吹き込んでアルコールが検知されないとエンジンが始動せず、アルコールが検知されるとエンジンがかからなくなる。この仕組みにより、別の人間が測定のみをするという“なりすまし”を防げる。
さらに、測定器はKDDIの通信モジュールを内蔵しており、測定器のカメラで撮影したドライバーの写真や測定結果、GPSで測位した位置情報などを管理者へリアルタイムに送信できる。東海電子の説明員によると、通信モジュールを内蔵した車載のアルコール測定システムは、純国産モデルでは初だという。
企業がアルコール測定システムを導入する目的は、「飲酒運転を防ぐためというよりも、導入会社が外部に対して、飲酒運転防止の管理を徹底しているという経営指針を示すことが大きい」(説明員)という。その“示し”の方法として、ALC-LOCK導入車には「この車は、アルコールを検知するとエンジンがかかりません」と明記されたステッカーが貼られる。
ALC-LOCKは2010年をめどに導入を予定しており、1社あたり80台の導入を目指すという。価格は12万8000円。
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