プレゼンにどのくらいの時間をかけるべきか?プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術

プレゼン内容をしっかり伝えるには、聞き手の集中力を考慮しましょう。聞き手が興味をもって持続して聞ける最適な時間はいったいどの程度でしょうか? そのヒントが「10/20/30ルール」です。

» 2011年04月05日 10時00分 公開
[永田豊志Business Media 誠]

 プレゼン内容を聞き手にしっかり伝えるためには、聞き手のコンディションを考慮することも重要です。特に、聞き手の集中力は私たちが考えるほど長くは持ちません。聞き手が興味をもって持続して聞ける最適な時間はいったいどの程度でしょうか?

分かりやすいプレゼンの「10/20/30ルール」

 この質問に対する答えとして、有名な「10/20/30ルール」というものがあります。これは「プレゼンを成功させるために、スライドは10枚以内、時間は20分以内、文字サイズは30ポイント以上でなければならない」というもので、米Appleの元エバンジェリストで現在はベンチャーキャピタリストのガイ・カワサキ氏が提唱しているものです。

 拙著『結果を出して定時に帰る時短仕事術』「すきま時間を黄金に変える15分集中法」でも集中力がどの程度持つのかをいろいろ検証していますが、私は休憩なしに持続できる集中力はおよそ15分程度だと考えています。極度の集中力を必要とする同時通訳者も15分おきに交代するものです。15分というのは、1時間を4分割しているため、時間管理がしやすいというメリットもあります。

 一方、イタリア式時間管理術の「ポモドーロテクニック」では、1つの時間単位を25分とすることが提唱されています。優れたアイデアをシェアする世界的なプレゼンテーションのアーカイブTED(一流のプレゼンに動画で触れる――「TED」)も、20分以内のプレゼンテーションが中心です。いずれにせよ、このあたりの時間がプレゼンに適した時間といえるのかもしれませんね。

聞き手の理解力と集中力を考慮した「10/20/30ルール」
10/20/30 内容
スライドは10枚以内 基本資料は10枚以内に収め、現実の課題、提案、理想の実現の関係が一目で分かるようなサマリーをつけておけば、短気な決裁者にも対応できます。データなどは巻末にまとめて添付すれば詳細を知りたい現場担当者も満足するはず。
時間は20分以内 課題の整理と提案説明は、20分もあれば十分でしょう。プレゼン自体を20分で終わらせるということではなく、残りの時間を実演、ケーススタディの紹介、質疑応答などに割り当てて、メリハリのある構成にすることがポイントです。
文字サイズは30ポイント以上 オンスクリーン用の資料では30ポイント以上の文字サイズでないと読みづらいので、なるべく文字量を減らし、グラフィックや短いキーフレーズでシンプルな資料を心がけます。配布用の資料では、多少文字量が増えても読むことができますが、オンスクリーン用の資料はシンプルであればあるほど効果的です。筆者の場合、キャプションや巻末資料などを除き、配布資料の文字サイズの目安は20ポイント以上としています。

1時間のアポなら20分×3部構成を目安に

 通常、アポイントの時間は(セミナーなどを除けば)多くの場合1時間。その中で、提案内容を説明し、デモやケーススタディを披露し、質疑応答を設けるとしたら、20分×3部構成くらいが適当でしょう。そうした意味でも、この10/20/30ルールは理にかなっていそうです。

 人間の短期記憶はとどめておける情報量が少ないので、スライドは数が少ないに越したことはありません。前述のルールに従うと、スライド10枚ということになりますが、ずいぶん少なく思えるかもしれませんね。スライド枚数を絞りこむためには、課題で1枚、理想(目標)が1枚、提案の概要と詳細で2枚――というように、大胆にまとめることも重要です。

 どうしてもスライドが多い場合は、全体を3部構成にして少しインターバルを入れたり、補足資料は説明せず配布のみしたりするなど、聞き手が受け取るべき情報量を絞り、インパクトを残す工夫をしましょう。とにかく、だらだら連続して1時間も話すことだけは避けて下さい。まずは、情報を短くまとめ、エッジをきかせるためにも「10枚、20分」を合言葉に、情報をそぎ落としてみてはいかがでしょうか?

集中連載『プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』について

『プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』 『プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』(永田豊志・著、中経出版・刊、A5判/208頁、本体1500円)

 パワポの前に「図」で考える――。ベストセラー『頭がよくなる「図解思考」の技術』の第2弾となる本書は、プレゼンテーションの根幹とも言える「メッセージをどう作り、どのように伝えるのか」を図で整理する方法を解説しています。

 「見栄えのいいスライドを作ること」や「説得力のある話し方をすること」も当然大事ですが、プレゼンの目的(メッセージ)そのものが洗練されていなくては、聞き手の心には届かないからです。営業プレゼンテーションや講演に限らず、ちょっとした説明や商談、または報告などにも応用可能で、あらゆるビジネスシーンで活躍するはずです。


目次

  • 第1章:残念なプレゼンは、なぜ眠たくなるのか?…面白いプレゼンの秘密とは?
  • 第2章:考えがスッキリまとまる図解プロットの技術…自分の考えを整理する方法
  • 第3章:「合体ロボ作戦」でシナリオに磨きをかける…プレゼンの流れを作り出す
  • 第4章:魅力的なスライドラフを描いてみる…ハイクオリティなラフ描きの技術を公開
  • 第5章:図解プロットに挑戦!…実際に、考えをまとめ、シナリオを作り、ラフを描く
  • 第6章:魅力的なアイデアを作り出す10のテクニック…使えるアイデア発想法

著者紹介 永田豊志(ながた・とよし)

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 知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。

 リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。

 近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。

連絡先: nagata@showcase-tv.com

Webサイト: www.showcase-tv.com

Twitterアカウント:@nagatameister


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